不審者侵入を防ぐ学校の防犯カメラ対策
子どもを守るためにできること
その防犯対策、“やっているつもり”になっていませんか?
学校への侵入事件が増えている今、不審者の侵入対策として見直すべきポイントや、防犯カメラの効果的な活用法まで、徹底解説します。
ここ数年、全国の学校で不審者による侵入事件が相次いで報道されており、安全で安心な学びの場であるはずの学校が、突如として危険な状況に陥るケースも少なくありません。
こうした状況を踏まえて、防犯カメラや電気錠・電磁錠、防犯フィルムなどを活用した学校施設のセキュリティ強化が急務となっています。
この記事では、教職員や学校関係者の皆さまに向けて、以下のポイントについて詳しく解説します。
この記事で紹介すること
- 学校の侵入事件の実態
- 防犯カメラの効果的な設置場所
- 日常的にできる不審者対策
- 安全性を高める3つの防犯設備
学校の防犯体制に不安を感じている方や、侵入対策を見直したいとお考えの教職員の方は、ぜひ本記事をご覧ください。
不審者による学校の侵入事件とその実態
近年、学校での不審者侵入事件は全国的に増加傾向にあります。
実際、2025年5月8日には、東京都立川市の小学校で、男2人が校舎内に侵入し、教職員を殴るなどして5人がけがを負う暴行事件が発生しました。
このとき、担任の指示により、児童たちは体育館へ避難。教室では、机を使ってバリケードを作るなどの対応が取られ、不審者の侵入を防いだことで、児童にけがはありませんでした。
立川市教育委員会によると、事件当時、正門は施錠されておらず、電子錠などのセキュリティ設備も設置されていなかったとのことです。さらに、門のかんぬきを外部から操作できる状態であったことが明らかになっています。
過去に発生した主な侵入事件
参考:NHKニュース「東京 立川 小学校で児童の母親の知人2人が暴れ教職員5人けが」
年度
(和暦)発生場所 事件内容 平成13年 大阪府池田市
大阪教育大学附属池田小学校刃物を持った男が校内に押し入り、児童8人を殺害。教師を含む15人にけがを負わせた。 平成17年 大阪府寝屋川市
市立中央小学校包丁を持った卒業生の少年が侵入し、教師1人を殺害。教職員2人に重傷を負わせた。 令和4年 埼玉県日高市
市立高根中学校竹刀のようなものを持った男が侵入し、生徒3人が頭などを殴られて負傷した。 令和5年 埼玉県戸田市
市立美笹中学校刃物を持った17歳の男子高校生が侵入。男性教員が取り押さえようとしてナイフで切りつけられ重傷を負った。
文部科学省は、2023年に埼玉県内の中学校で発生した侵入事件を受け、不審者による学校侵入防止対策の強化を表明し、補助金制度の拡充を実施しました。
あわせて、危機管理マニュアルの総点検を促すとともに、防犯カメラ・オートロックシステム・非常通報装置などの防犯整備に対し、令和5年度から令和7年度までの3年間にわたり、補助金による集中的な支援が行われています。
このように、全国の学校で不審者による深刻な事件が相次いでおり、死傷者が出るケースも発生しています。
教職員・生徒・保護者の安全を守るためにも、防犯対策の見直しと強化が不可欠です。
どこに設置すべき?学校内の効果的なカメラ設置ポイント
学校の敷地内には、不審者の侵入経路やトラブルが起こりやすい場所がいくつもあります。
それぞれの場所の特性に合わせて防犯カメラを適切に設置することで、安全性の向上や効果的な防犯対策につながります。
ここでは、防犯カメラの設置におすすめの場所と、それぞれのポイントをご紹介します。
防犯カメラの設置場所例
- ①校門
- 校門には、電磁錠や電気錠を設置し、入退室管理の強化を図りましょう。
さらに、校門周辺に防犯カメラを設置することで、敷地内への侵入者の動きを確実に記録できます。 - ②玄関
- 正門や通用門など、人の出入りが頻繁に発生する玄関周辺には、防犯カメラの設置をおすすめします。
不審者の監視だけでなく、来訪者の確認にも役立ちます。
- ③廊下
- 廊下には、目立ちにくいドーム型カメラを設置することで、トラブルや事故が発生した際の早期対応が可能になります。
また、窓ガラスからの侵入を防ぐためには、防犯フィルムの設置も効果的です。 - ④職員室
- 校内に設置した防犯カメラの映像を、職員室内のモニターで一元管理することで、緊急時の迅速な対応が可能となります。
- ⑤校舎裏
- 塀やフェンス、死角となる場所は侵入されやすいため、防犯カメラを設置して不審な行動や侵入を監視しましょう。
- ⑥駐輪場・駐車場
- 防犯カメラを設置することで、自転車や自動車の盗難・いたずらの抑止効果が期待できます。
トリニティーは、防犯カメラの専門業者として、機器の選定から設置場所のご提案、設置工事、メンテナンスまで一貫して丁寧にサポートいたします。侵入対策や安全確保など、お客様の目的に合わせた最適な防犯プランをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
学校におすすめの防犯カメラ

TR-8001/TR-9001
200万画素のスタンダードな防犯カメラ
屋外にも設置可能で、赤外線機能により夜間や暗所でも白黒で鮮明な映像を撮影・記録できます。校門や玄関など出入口の見守りに最適です。

TR-451VQ/TR-351VQ
400万画素の高画質の防犯カメラ
ソニー製のイメージセンサ「スターヴィス」を搭載し、夜間でも明るく見やすい映像を撮影・記録できます。駐車場やグランドなど屋外の監視におすすめです。

TR-IP8510/TR-IP9510
500万画素のマイク搭載ネットワークカメラ
映像と音声を同時に記録できるカメラです。AIによる人検知機能の追加も可能なため、不審者や侵入者への素早い初動対応が可能になります。
※AI人検知はオプション対応となります。
学校での不審者対策として有効な日常的な防犯活動
学校内の安全を守るためには、防犯設備の導入だけでなく、日常的な取り組みの積み重ねが欠かせません。
教職員や地域住民、保護者が一体となって防犯意識を高め、継続的な対策を行うことが重要です。
- 登下校時以外の門の施錠の徹底
- 校門の施錠を徹底することで、外部からの不審者の侵入を防ぎ、児童生徒の安全を確保することができます。
- 危機管理マニュアルの周知と定期的な見直し
- マニュアルがあっても、現場で浸透していなければ意味がありません。
また、文部科学省は、危機管理マニュアルは一度作成して終わりではなく、学校で実施した訓練等の検証結果や、学校を取り巻く様々な状況の変化、国内外で発生した事故・災害事例の教訓などをもとに、常に見直し・改善を行うことが必要としています。 - 防犯訓練の実施
- 不審者の侵入を想定した防犯訓練を定期的に実施することで、教職員や児童生徒が緊急時の対応を頭に入れることができ、実際の事態に迅速かつ適切に対応できるようになります。
- 地域ぐるみの見守り体制
- 地域住民と連携し、地元警察と協力した防犯訓練を実施するほか、スクールガード(登下校の時間帯を中心に児童・生徒を見守るボランティア活動)の活用など、地域による防犯パトロールの強化が有効です。
- 防犯カメラや通報装置など防犯設備の定期的な点検
- 防犯設備は、定期期な点検とメンテナンスが欠かせません。万が一の際に、カメラやレコーダーが故障していて映像が記録されていなかった...という事態になれば、防犯カメラを設置している意味がなくなってしまいます。防犯カメラ設置を専門業者に依頼する場合は、設置後の保証プランの有無や内容をしっかり確認することをおすすめします。
- 来訪者の管理強化と出入口の制限も効果的
- 校舎の出入口を1~2箇所に絞り、来訪動線を明確にすることで、不審者の侵入を防ぐことができます。
また、受付での記名・名札着用の徹底や、来校者専用の受付カウンターやチェックポイントの設置も効果的です。
文部科学省は、来校者に対して、通用門等が見えやすい場所に受付場所や通行順路を明示することを推奨しています。
文部科学省「学校の危機管理マニュアル等の評価・見直しガイドライン」
文部科学省「1 各学校等の防犯対策事例」
文部科学省「2 門等における不審者侵入防止の対策事例」
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防犯カメラだけで足りますか?学校の安全性を高める3つの設備対策
学校の安全対策には、防犯カメラの設置だけでなく、目的に応じて複数の設備を組み合わせてセキュリティを強化することが重要です。
不審者の侵入防止にとどまらず、効率的な入退室管理、災害時の迅速な対応、そして児童・生徒の安全確保の観点からも、以下の3つの設備対策が効果的です。
電磁錠・電気錠の導入で出入口の入退室管理を徹底
校門には、遠隔操作で門扉の解錠が可能な電気錠を設置し、来校者が訪れた際には職員が確認のうえで解錠する仕組みにすることで、無断侵入を防ぐことができます。
また、職員や関係者には、カードキーや暗証番号(テンキー)を用いた解錠方法を導入することで、入退室の制限と管理体制の強化が可能になります。
既存の門扉に後付けで設置したい場合には、「電磁錠」の活用がおすすめです。比較的簡単な加工で設置できるため、工事費用や手間を抑えられるのが特徴です。さらに、防水性や耐久性に優れた製品も多く、屋外でも安心して使用できます。
防犯フィルムでガラス破壊による侵入を防ぐ
学校施設にはガラス窓が多く、それを破壊して侵入されるケースも少なくありません。こうした侵入手口に対して有効なのが「防犯フィルム」です。
防止フィルムを窓ガラスに貼ることで、ガラスが割れにくくなり、侵入を断念させる効果が期待できます。
また、地震や台風などの災害時対策としては、「ガラス飛散防止フィルム」がおすすめです。万が一ガラスが割れてしまった場合でも、破片の飛び散りを防ぎ、ケガなどの二次災害を抑えることができます。
不審者から児童・生徒の安全を守るためにはもちろん、災害時の安全確保という点からも、防犯フィルムは学校にとって欠かせない設備の一つです。
110番非常通報装置の整備
「110番非常通報装置」とは、非常時にボタンを押すだけで、通報場所の所在地情報などとともに、警察へ自動で緊急通報できる装置です。
不審者の侵入事件を受けて、幼稚園・保育園・学校などの教育施設では、この装置の設置が年々増加しています。
緊急時の備えとして導入しておくことで、児童・生徒はもちろん、教職員や学校関係者の安心と安全を守る手段となります。
また、こうした設備が整っていることは、保護者にとっても安心材料となり、学校への信頼感にもつながります。
参考:公益財団法人日本防災通信協会「設置をお勧めする事業所(施設)」侵入者をすぐに把握できる「TRINITY AI人検知」
弊社トリニティーが提供する「TRINITY AI人検知」は、侵入者を検知し、画像付きでスマホに通知を送るシステムです。
防犯カメラの映像を常に確認していなくでも、撮影範囲内で設定した警戒エリアに人が入ると、スマホへ即座に通知が届くため、トラブルが発生した際にも迅速に対応することができます。
また、複数人への同時通知も可能なため、たとえば学校の校門や玄関に設置したカメラが、不審者を検知した際にも、複数の教職員がリアルタイムで情報を把握でき、素早い初動対応につなげることができます。
防犯カメラ設置・導入にかかる費用
初期費用0円のレンタルプランが人気です
弊社では、防犯カメラの導入方法として、レンタル(サブスク)、一括購入、リースの3つのプランをご用意しています。
中でも、導入コストを抑えたい方におすすめなのが、初期費用0円・月額5,500(税込)~からご利用いただける防犯カメラのレンタルプランです。
レンタルプランでは、機器保証はもちろん、HDDなどの消耗品も無償で交換対応いたします。さらに、導入時にはお客様のご要望に合わせた機器選定・設置場所のご提案・設置工事まで、すべてトータルサポートいたしますので、初めて防犯カメラを導入される方でも安心です。
学校・教育施設への防犯カメラ・監視カメラ設置をご検討されている方は、まずはお気軽にご相談ください。
まずは無料相談で費用をチェック!
防犯カメラ導入時によくある失敗と対策
防犯カメラは設置するだけで安心というわけではありません。導入時の選定や運用方法によっては、思わぬトラブルを招くこともあります。ここでは、学校への導入時にありがちな失敗と、その対策について紹介します。
安価な機器を選んだことでトラブルが発生
コストを抑えようとして、性能やサポート体制が不十分な防犯カメラを選んだ結果、以下のようなトラブルが発生することがあります。
- 映像が不鮮明で証拠として使えない
- 故障時に保証がなく、修理対応ができない
- 購入したカメラに必要な機能が備わっていなかった
- 結局、高額な修理費用がかかってしまう
このようなトラブルを避けるためには、機器の選定から設置・運用・サポートまでを一貫して対応できる専門業者に依頼することが重要です。
信頼できる業者に任せることで、長期的に安心できる防犯体制を整えることが可能です。
教職員・保護者の理解不足によるトラブル
防犯カメラの設置が「監視されている」と誤解され、児童・生徒に過度な緊張やストレスを与えてしまうケースがあります。
このような誤解を防ぐためには、導入前に設置の目的、使用方法、映像の管理体制について、教職員や保護者への丁寧に説明・周知することが不可欠です。
また、更衣室やトイレなど、児童・生徒のプライバシーを侵害する可能性のある場所には、原則としてカメラを設置しないといった配慮も重要です。防犯対策とプライバシー保護のバランスを取ることが、安心・安全な教育環境の実現につながります。
「設置したら終わり」になり、メンテナンスが行われていない
防犯カメラは、設置しただけでは意味がありません。
定期的な点検とメンテナンスを行わなければ、いざという時に録画されていなかったり、カメラが故障していたという重大なトラブルにつながりかねません。
そのため、導入段階で運用ルールや点検体制を明確にし、継続的なメンテナンスを実施する仕組みを整えておくことが重要です。
カメラの故障をすぐに把握したい方へ
トリニティーでは、防犯カメラが正常に稼働しているかを毎日リモートで点検する、安心の保証プラン「あんしんメンテナンスパックリモート」をご提供しています。
万が一、機器に不具合や異常が発生した場合には、弊社から学校へご連絡のうえ、訪問修理または電話でのサポートを実施いたします。
「録画されていなかった」「侵入の様子が記録できていなかった」などのトラブルを未然に防ぐことができ、、校内の安全を守るうえで非常に有効なサービスです。
学校の防犯カメラに関するよくある質問
Q.どこに設置するのが最も効果的?
A.校門・通用門・出入口付近・建物の死角・廊下などに設置されるケースが多く見られます。
そのほかにも、体育館・グラウンド・駐輪場・駐車場などへの設置も効果的です。
不審者の侵入対策、生徒の安全確保、来訪者の確認など、目的によって適切な設置場所は異なります。
また、学校ごとに、周辺環境や建物の構造などが異なるため、導入にあたっては、設置目的・場所・運用方法を事前に明確にし、専門業者に相談することをおすすめします。
Q.学校の防犯カメラの映像は誰が見ますか?
A.通常、防犯カメラの映像を確認するのは、校長・教頭などの学校管理職や一部の職員に限られます。
守衛室が設置されている学校では、常駐の警備員が映像の確認・管理を行うケースもあります。
なお、防犯カメラの映像は、人物の特定が可能な「個人情報」に該当するため、慎重かつ厳重な取り扱いが求められます。そのため、教職員全員が自由に閲覧できるような運用は望ましくなく、閲覧権限を明確に制限し、適切な管理体制を整えることで、情報漏洩のリスクを防ぐことが重要です。
Q.学校の防犯カメラの保存期間は?
A.録画データの保存期間の目安は、おおよそ2週間から1カ月程度です。
これの期間は、使用している録画機器(レコーダー)の容量や設定によって異なりますが、学校はトラブルの発生後、速やかに映像を確認するケースが多いため、通常はこの保存期間で十分とされています。
また、保存期間を過ぎると、古い映像が削除され新しい映像に上書きされるため、注意しましょう。
まとめ|学校を不審者から守るために今できること
このページでは、学校での不審者の侵入対策に役立つ、防犯カメラの効果的な設置場所から、日常的に取り組むべき対策、電磁錠や防犯フィルム、110番非常通報装置の活用法などをご紹介しました。
学校を安全な学びの場として守るためには、「いざという時に備える」だけでなく、「日常的な備え」を積み重ねることが欠かせません。
防犯設備を整えるだけでなく、教職員や保護者、地域と連携しながら継続的な点検・見直しを行うことが、万全な防犯体制の構築につながります。
トリニティーでは、防犯カメラをはじめとした学校向けの防犯設備のご提案から、設置・アフターサポートまで一貫して対応しております。
現地調査・お見積りは無料です。「うちの学校は大丈夫?」と少しでもご不安のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
教育施設のお客様向け 防犯カメラ特設ページ

保育園や学校などの教育施設では、安全な環境づくりが重要です。
不審者の侵入や事故を防ぐためには、防犯カメラなどのセキュリティ対策が求められています
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