世界の防犯カメラ事情【カンボジア編】
2024年6月、カンボジアへ出向き、防犯カメラの設置状況や治安対策について現地調査を行ってきました。
このページでは、カンボジアを訪れた防犯カメラ・AIカメラの専門家である弊社代表がカンボジアの防犯カメラ事情の実態、特徴、日本との違いについて詳しく解説します。
カンボジアの治安や防犯対策に興味のある方は、ぜひご覧ください。
中国製防犯カメラが圧倒的シェアを占める
2024年6月、カンボジアのプノンペンとシェムリアップを訪れ、防犯カメラの設置状況を調査しました。
街を歩いてまず感じたのは、圧倒的な中国製防犯カメラのシェアの高さです。
主要な商業施設、オフィスビル、ホテル、さらには個人経営の店舗に至るまで、多くの場所で中国メーカーの防犯カメラが使用されていました。
どこを見ても中国メーカーのカメラばかりで、シェアは100%に近いのではないかと感じるほどです。
この背景には、カンボジアが中国の「一帯一路」構想の重要な拠点であることや、中国企業が同国のインフラ開発に深く関与していることが関係していると考えられます。
なぜ中国製防犯カメラが普及しているのか?
カンボジアは中国の「一帯一路」構想の要衝となっており、経済的なつながりが非常に強い国の一つです。
そのため、防犯カメラをはじめとする中国製品が大量に流入しており、関税の優遇措置や補助金がある可能性も考えられます。
この状況は、2024年1月に訪れたマレーシアのクアラルンプールでも同様でした。
ただ、マレーシアは産油国であり、経済基盤が比較的安定している一方、カンボジアは経済的に中国資本への依存度が高く、防犯カメラ市場もほぼ中国メーカーが独占しているように感じました。
東南アジアの防犯カメラ施工、日本と何が違う?
東南アジアの都市部では、至るところに防犯カメラが設置されています。
しかし、日本と比べると施工のクオリティには大きな違いがあり、特に配線処理や機器の設置方法に顕著な差が見られます。
東南アジアの防犯カメラ設置は配線がむき出し?
どの国に行っても、配線がむき出しのままだったり、レコーダーが無造作に壁に打ち付けられているなど、日本では考えられない施工が当たり前のように行われています。
日本であれば、「配線は目立たないように隠す」「レコーダーは鍵付きのボックスに収納する」など、美観や安全性にも配慮した施工が求められます。
しかし、東南アジアでは「カメラが映ればOK」という感覚が一般的で、施工の仕上がりにはあまりこだわらない印象を受けました。
日本では「長期間安全に運用すること」を重視するのに対し、東南アジアでは「カメラが機能していればOK」という意識が強いようです。
カンボジアの配線工事事情
コスト削減や施工スピードを優先する傾向が強く、日本とは異なる施工文化が根付いていることが分かりました。
今後、東南アジアでも施工品質の向上やメンテナンス対策が進むのか、引き続き注目したいところです。

カンボジアでは、日本のようにモールや配管を使用して配線を隠す施工は少なく、簡易的な配線処理が一般的のようです。

ケーブルがそのまま見えているケースが多く、耐久性やメンテナンス面での課題が考えられます。
日本との共通点
カンボジアの防犯カメラ業者は電気錠も取り扱う
カンボジアの防犯カメラ業者を訪れて驚いたのは、多くの業者が電気錠の取り扱いもしていることでした。
これは日本の防犯カメラ業者と共通しており、カメラだけでなく入退室管理やセキュリティシステムの一環として電気錠を導入する流れがあるようです。
現地では、パソコンと電気錠を接続し、設定を行う様子を目にしました。その光景はまるで日本のセキュリティ業者と同じで、どこへ行っても防犯の基本は変わらないのだと実感しました。
防犯カメラと電気錠の連携は、企業や施設のセキュリティ強化に欠かせません。
カンボジアでも、日本と同様に防犯カメラと電気錠を組み合わせた総合的なセキュリティ対策が行われています。
世界の防犯カメラ事情
まとめ
このページでは、カンボジアの防犯カメラ市場の実態や、日本との違いについて解説しました。
今回の調査を通じて、防犯カメラの設置方法や電気錠との連携、セキュリティシステムの基本構造など、防犯対策の考え方は国を超えて共通していると実感しました。
技術やノウハウが共有されることで、各国の防犯環境がさらに発展していくことが期待されます。
カンボジアでは、中国製の防犯カメラが圧倒的シェアを占める一方で、施工のクオリティやメンテナンス体制など、日本とは異なる点も多く見られました。
今後、経済成長とともに防犯市場がどのように発展していくのか、引き続き注目していきたいと思います。
次回予告:シンガポールの防犯カメラ事情
次回は、シンガポールの防犯カメラ市場についてお話しします。
シンガポールは、カンボジアとは異なり、経済的に発展した都市国家であり、防犯対策の取り組み方にも大きな違いがあります。
シンガポールの防犯カメラ市場の動向や、導入されているメーカーの特徴について詳しく解説していきます。
防犯カメラの役割や市場の違いに興味がある方は、ぜひ次回の記事をご覧ください。