企業のBCP対策にセキュリティは必須!
サイバー攻撃対策と策定手順をわかりやすく解説
近年、地震や台風といった自然災害に加え、ランサムウェアなどのサイバー攻撃による被害が急増しています。
「まだ自社は大丈夫」と思っていても、こうした被害は、業務停止や情報漏えい、信用低下などにつながり、企業経営に深刻な影響を及ぼす可能性があるため非常に危険です。
特に中小企業では、対策の遅れが大きな経営リスクになりかねません。
この記事でわかること
- BCP対策の基本と、企業に必要な理由
- サイバー攻撃がBCP対策で重視される背景
- BCP策定の手順と押さえるべきポイント
- 中小企業にUTMが適している理由と導入方法
この記事では、BCP対策の基本からサイバーセキュリティ対策、具体的な導入方法までわかりやすく解説します。
企業の担当者様や、これからBCP対策を進めたいと考えている企業様は、ぜひ参考にご覧ください。
企業のBCP対策にサイバーセキュリティが不可欠な理由
「BCP(事業継続計画)」といえば、これまで地震や台風などの自然災害への備えを指すことが一般的でした。
しかし現在では、企業の事業継続を脅かす主要なリスクのひとつがサイバー攻撃です。
IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威」でも、ランサムウェアは長年上位に位置しています。
実際に、サイバー攻撃によってシステムが停止し、数週間にわたり業務が止まった事例も少なくありません。
サイバー攻撃は、「起こるかどうか」ではなく「いつ起こるか」の問題です。
そのため、現在のBCP対策では、災害対策に加え、サイバーセキュリティを含めた総合的なリスク対策が不可欠です。
そもそもBCP対策とは?企業向けにわかりやすく解説

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、地震や台風などの自然災害や、システム障害、サイバー攻撃、感染症などの緊急事態が発生した際に、企業の重要な業務を止めずに継続、またはできるだけ早急に復旧させるための計画です。
BCPのポイントは、被害を完全に防ぐための対策ではない という点です。どれだけ対策していても、災害やトラブルを完全に防ぐことは現実的ではありません。
だからこそBCPでは、「被害が起きる前提」で、どう事業を止めないかを考えることが重要です。
平常時から対応方針や社内体制、復旧手順を決めておくことで、緊急時の混乱を減らし、会社への影響を最小限に抑えやすくなります。
BCPの重要な考え方(RTO・RPO)
BCPを考えるうえでは、次の2つの指標が重要です。
- RTO(目標復旧時間):どのくらいの時間で業務を復旧させるか
- RPO(目標復旧時点):どの時点のデータまで復元できれば許容できるか
たとえば「システムが止まっても24時間以内に業務再開できる状態にする」「前日までのデータを復旧できる状態にする」といった基準を設定することで、必要な対策(バックアップやセキュリティ投資)が明確になります。
BCP・BCM・BCMSの違い
BCPと似た言葉に、BCM(事業継続マネジメント)やBCMS(事業継続マネジメントシステム)があります。
| 用語 | 意味 | 位置づけ |
|---|---|---|
| BCP | 事業継続計画(文書・計画書) | 緊急時の対応計画(マニュアル・手順) |
| BCM | 事業継続マネジメント(運用の仕組み) | BCPを運用・改善していくための活動全体 |
| BCMS | 事業継続マネジメントシステム(国際規格準拠の体系) | BCMをISO22301に基づき組織的に構築・認証する枠組み |
まずは、緊急時の対応を定めるBCPの策定から始め、必要に応じてBCMやBCMSへ発展させていくのが一般的です。
なぜ今、企業にBCP対策が必要なのか
企業にBCP対策が求められているのは、災害対策だけでは対応できないリスクが増えているためです。
ここでは、BCP対策の必要性が高まっている主な背景を解説します。
サイバー攻撃の急増と被害の深刻化

IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威」では、ランサムウェアによる被害が長年上位を占めています。
一度感染すると、以下のような事態に発展し、事業そのものが止まるリスクにつながります。
- システム・業務の完全停止
- 攻撃者からの身代金要求
- 顧客情報・機密データの漏えい・消失
- 復旧までに数週間~数ヶ月を要するケースも
サプライチェーン攻撃の拡大

近年増加しているのが、取引先や関連企業を経由した攻撃です。
セキュリティ対策が不十分な企業が踏み台となり、最終的に大企業へ侵入されるケースも増えています。
「被害者になる」だけでなく、「加害者側になるリスク」もある点が特徴です。
- 自社が踏み台となり取引先に被害が及ぶ
- 取引先からの損害賠償請求リスク
- 信用失墜による取引停止・契約解除
中小企業も例外ではない
サイバー攻撃は大企業だけでなく、中小企業もターゲットになっています。
むしろ、セキュリティ対策が手薄な企業ほど狙われやすく、「自社は小さいから大丈夫」という認識は非常に危険です。
- 中小企業はセキュリティ人材・予算が少なく攻撃者に狙われやすい
- 大企業への侵入経路として意図的に選ばれるケースがある
- 被害に遭っても気づくのが遅れ、損害が拡大しやすい
取引先・親会社からのセキュリティ要求

現在では、官公庁や上場企業との取引において、BCP策定の有無やセキュリティ対策の状況が確認されるケースが増えています。
対策が不十分な場合、取引機会の損失につながる可能性もあります。
- 入札・審査時にBCP策定状況の提出を求められる
- セキュリティ基準への適合が取引条件になる
- 対応の遅れが競合との差になる
テレワーク普及によるリスク拡大
テレワークの普及により、従業員が社外から社内システムへアクセスする機会が増えました。
その結果、以下のようなリスクが高まっています。
- 不正アクセスによる社内システムへの侵入
- 情報漏えい(紛失・盗難・のぞき見など)
- VPNや認証機能の脆弱性を悪用した侵入
そのため、社内ネットワークの外側も含めた対策が必要な時代となっています。
このように現在のBCP対策では、災害対策だけでなく、サイバーセキュリティを含めた総合的な対策が不可欠です。
特に、サイバー攻撃による被害は事業停止に直結するため、まずは「侵入させない対策(入口対策)」から始めることが重要です。
企業を狙うサイバー攻撃の実態
BCP対策において重要なのが、どのようなサイバー攻撃が存在するかを理解することです。
現在、企業を狙う攻撃は多様化しており、業種や規模に関係なくリスクが広がっています。
ここでは代表的なサイバー攻撃の例を紹介します。
ランサムウェア攻撃
ランサムウェアは、企業のサーバーやPCに侵入し、データを暗号化して使用できなくしたうえで、復旧と引き換えに身代金を要求する攻撃です。
被害を受けると、業務システムの停止・データの利用不可・顧客情報の漏えい、といった事態に発展し、事業継続が困難になるケースもあります。
標的型攻撃(フィッシングメール)
特定の企業や部署を狙い、取引先や関係者を装ったメールを送りつける攻撃です。
メール内のリンクや添付ファイルを開くことで、マルウェア感染・ID/パスワードの窃取などにつながります。
ビジネスメール詐欺(BEC)
取引先や上司になりすましてメールを送り、振込先の変更などを指示する詐欺です。
企業の財務担当者などが狙われることが多く、高額な被害につながるケースもあります。
DoS/DDoS攻撃
複数の端末から大量の通信を送りつけることで、企業のWebサイトやサービスに負荷をかける攻撃です。
その結果、サイトの表示遅延・サービス停止といった影響が発生し、売上や顧客満足度に影響を与える可能性があります。
サプライチェーン攻撃
企業の直接攻撃ではなく、「取引先・委託先・ソフトウェアベンダー」などを踏み台にして侵入する攻撃です。
セキュリティ対策が不十分な企業が経由点となり、本来の標的企業への侵入や情報漏えいにつながるケースがあります。
BCP策定の手順|サイバーセキュリティを含めた6ステップ
BCPは「作って終わり」ではなく、作成→実行→見直しを繰り返しながら改善していく仕組みです。
特に近年は、災害だけでなくサイバー攻撃への対応も不可欠となっており、セキュリティ対策を含めて設計することが重要です。
ここでは、内閣府ガイドラインをもとに、企業が実践しやすい形でBCP策定の流れを解説します。
【STEP1】基本方針の策定
まずは、「何のためにBCPを作るのか」「どこまで対応するのか」を決めます。
- どの事業・拠点・業務を対象にするか
- 誰が責任者で、どう意思決定するか
- 経営トップが関与する体制になっているか
またこの段階で、地震や台風などの自然災害だけでなく、システム障害やサイバー攻撃も重要なリスクとして含めることがポイントです。
【STEP2】分析・検討
次に、「何が起きると困るのか」と「どの業務を優先して守るべきか」を整理します。
- 災害(地震・停電など)
- サイバー攻撃
- システム障害
- 取引先トラブル
などのリスクを洗い出し、業務への影響を評価します。
そのうえで、優先的に復旧すべき重要業務を特定します。
判断に使う指標は以下の通りです。
- RTO(目標復旧時間)
- 目標復旧レベル(どこまで戻せればOKか)
ここを決めることで、必要な対策のレベルが明確になります。
【STEP3】事業継続戦略・対策の検討と決定
STEP2の結果をもとに、「どうやって事業を止めないか」を具体的に決定します。
- 代替拠点や代替手段の準備
- データのバックアップ
- 外部サービスの活用
さらに、重要サービスの継続や組織の中枢機能の維持、情報システムの維持も重要な検討項目です。
サイバーセキュリティの観点では、
- ネットワークの入口対策(UTMなど)
- 端末のウイルス対策
- 安全なアクセス環境(VPN・認証)
といった複数のセキュリティ対策を組み合わせる「多層防御」を行います。
【STEP4】計画の策定
検討した方針や対策を、実際に行動できる形に落とし込みます。
計画書には、緊急時に迷わず対応できるよう、次のような内容を具体的に記載します。
- 緊急時の連絡体制
- 誰が何をするかという役割分担
- 初動対応手順
- 業務復旧対応手順
「担当者しか理解できない文書」では意味がありません。緊急時に、関係者が誰でも迷わず動けるレベルまで具体化することが重要です。
【STEP5】事前対策・教育・訓練
BCPは、計画書を作るだけでは機能しません。
いざというときに実際に動けるよう、事前の準備と訓練を行うことが欠かせません。
事前対策の例としては、以下のようなものがあります。
- 非常用電源の確保
- 通信手段の確保
- バックアップ環境の整備
- セキュリティ対策の運用体制構築
そのうえで、従業員への基本教育や、災害・サイバー攻撃を想定した実践的な訓練を実施し、計画通りに動けるかを確認します。
訓練の結果、課題が見つかった場合は、計画や運用方法の見直しにつなげます。
【STEP6】定期的な見直し・改善
BCPは、一度作成したら終わりではありません。
訓練の結果や、実際のトラブル対応を通じて見えてきた課題を反映しながら、継続的に内容を見直し、改善していくことが重要です。
特にサイバーセキュリティ分野は変化が早く、新たな脅威や攻撃手法が次々に現れます。
そのため、セキュリティ機器の設定やソフトウェアの更新、運用ルールの見直しを継続的に行える体制を整えておく必要があります。
中小企業に最適なBCPセキュリティ対策は「UTM」
BCP対策ではサイバー攻撃への備えが不可欠です。
その中でも、中小企業がまず導入すべき対策として注目されているのが「UTM」です。
UTMとは何か
UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)とは、複数のセキュリティ機能を1台にまとめたネットワーク機器です。
具体的には、以下のような機能をまとめて利用できます。
- ファイアウォール(不正アクセスの遮断)
- アンチウィルス(マルウェア対策)
- 不正侵入検知・防御(IDS/IPS)
- Webフィルタリング(危険サイトのブロック)
- メール対策(スパム・フィッシング対策)
これらを個別に導入するのではなく、1台でまとめて管理できるのが大きな特徴です。
なぜBCP対策にUTMが有効なのか
BCP対策においてUTMが有効な理由は、「被害を未然に防ぎ、事業停止のリスクを下げられる」点にあります。
サイバー攻撃を入口で防げる
多くのサイバー攻撃は、外部からネットワークに侵入することで始まります。
UTMは、社内ネットワークの「入口」に設置することで、不正アクセスやマルウェアの侵入を検知・遮断します。
その結果、被害の発生そのものを抑えることが可能になります。
被害の拡大を防ぎ、復旧を早める
万が一攻撃を受けた場合でも、UTMのログや検知機能により、原因や影響範囲を把握しやすくなります。
これにより、対応の迅速化や被害範囲の限定が可能になり、RTO(復旧時間)の短縮にもつながります。
中小企業でも導入・運用しやすい
本来、セキュリティ対策は複数の製品を組み合わせて構築する必要がありますが、UTMなら1台でまとめて管理できます。
- 専門知識がなくても運用しやすい
- 管理コストを抑えられる
- 設定・運用の負担が軽い
IT担当者がいない企業でも現実的に導入できる対策です。
UTMレンタルなら低コストでBCP対策を実現

UTMは有効なセキュリティ対策ですが、「初期費用が高い」「運用が難しそう」といった理由で導入をためらう企業も少なくありません。そこで有効なのが、弊社が提供するUTMレンタルサービスです。
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機器の手配だけでなく、設置・設定まで専門スタッフが対応するため、「設定に不安がある」「何から始めればよいかわからない」という場合でも安心です。
コストを抑えながら、無理なくBCP対策を始めたい企業に適した導入方法です。
物理的なリスク対策もBCPに必要
BCP対策では、サイバーセキュリティだけでなく、オフィスや設備に関する物理的なリスクへの備えも重要です。
災害やトラブル時には、設備の損壊や不審者の侵入などによって業務が停止する可能性があります。
主な対策例
- 防犯カメラ:不審者の侵入抑止やトラブル発生時の記録
- 入退室管理システム:関係者以外の立ち入り制限による情報漏えい防止
- ガラス飛散防止フィルム:地震時のケガや設備損傷リスクの軽減
ITと物理の両面から対策することで、より実効性の高いBCPが実現できます。
まとめ BCP対策はサイバーセキュリティとあわせて検討することが重要
BCP対策では、災害対策だけでなく、サイバー攻撃への備えも含めた総合的な対策が必要です。
特に近年は、サイバー攻撃による業務停止リスクが高まっており、まずはネットワークの入口で防ぐ対策から整備することが重要です。
UTMは、複数のセキュリティ機能をまとめて導入できるため、中小企業でも無理なく始められる現実的な対策といえます。
まずは、自社にとってどのレベルの対策が必要かを整理するところから始めてみてください。
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