建設業の人手不足は自業自得?当たり前にしない解決策を紹介
近年、建設業の人手不足はニュースでも取り上げられ、当たり前のように語られるようになりました。
本当にそこまで深刻なのか、うちも責められる側なのか、この先どうなるのかと不安を感じている方も多いはずです。
建設業の人手不足は、採用を強化するだけで解決できるほど単純な話ではありません。
人が増えない時代に合わせて、現場の回し方そのものを変える必要があります。
そこで本記事では、データをもとに次の内容を解説します。
この記事でわかること
- 建設業の人手不足はどれくらい深刻か(就業者数・採用難の実態)
- 「当たり前」「自業自得」と言われる理由と本当の原因
- 今の人数で回すための対策(省人化・負担削減)
また後半では、人手不足対策として効果が出やすい防犯カメラの活用法も紹介します。
建設業の人手不足はどれくらい深刻?
ここでは、厚生労働省の最新資料をもとに、就業者の減少や採用難の実態を数字で明らかにしていきます。
ここで解説すること
- 就業者数が減り、高齢化が止まらない
- 有効求人倍率が高く、採用しても集まらない
- 「人手不足は嘘?」と言われる理由と実態
建設業の人手不足はどれくらい深刻?

建設業界の就業者数は減少の一途をたどっており、高齢化の進行が深刻な課題です。
55歳以上のベテラン層が大量退職期を迎える一方で、29歳以下の若年入職者が極端に少ないという年齢構成が定着してしまっています。
最新の動向を裏付けるデータは、以下のとおりです。
- 全産業平均を大きく上回る高齢化率(55歳以上が約3割)
- 過去20年で約200万人減少した就業者数
- 若年層(29歳以下)の入職率が全産業で最低水準
このように、人数不足だけでなく、技術継承を行うべき次世代が不在であることが、業界全体の問題点です。
有効求人倍率が高く、採用しても集まらない
建設業の有効求人倍率は他産業と比べても高い水準が続いており、仕事はあるのに人が足りない状態が常態化しています。
求人に関して、建設業が抱えている課題は、次のとおりです。
- 募集をかけても応募がほとんど来ない
- 来ても未経験者が多く、すぐに戦力にならない
- 給与や休日面で他業界と比較されやすい
採用して解決しようとしても、思うように進まないケースが増えています。
この状況を見ると、人手不足は努力不足というより、市場環境そのものが厳しくなっていると捉えるほうが現実的です。
「人手不足は嘘?」と言われる理由と実態

建設業の人手不足について調べると、「現場は普通に動いている」「昔よりマシになっているのでは」といった声が見られます。
これが、人手不足は嘘だと言われる理由です。
国交省の調査を見てみると、建設技能労働者の過不足率は0.8%不足とされています。
参考:国土交通省「建設労働需給調査結果(令和7年10月調査)」一見すると小さな数字に見えますが、これは平均値であり、職種や地域によって不足感には大きな差があります。
数字上は大幅な不足と言えなくても、現場では余裕のない状態が常態化しているケースが多く、「人手不足は嘘」とは言い切れないのが実態です。
建設業の人手不足が「当たり前」と言われる理由
なぜ建設業界では、これほどまでに人手不足が解消されないのでしょうか。
その背景には、長年続いてきた業界特有の構造や、現場の負担が軽減されない慣習が深く関わっています。
建設業が人手不足になる理由
- 若手が定着しにくい構造|入職しても辞めやすい理由
- 仕事量が不安定で、人を抱えにくい業界構造
- 現場の負担が一部の人に集中しやすい
若手が定着しにくい構造|入職しても辞めやすい理由
建設業の人手不足が「当たり前」と言われる背景には、若手が定着しにくい構造があります。
実際、若い人がまったく入ってこないというよりも、「入っても続かない」ケースが多いのが実情です。
実際に、建設業と製造業の新卒3年目までの離職率を比較してみましょう。
| 学歴 | 建設業 | 製造業 |
|---|---|---|
| 大卒 | 30.1% | 19.0% |
| 高卒 | 42.5% | 27.6% |
他業種と比較して、新卒の離職率が高い理由には、以下が挙げられます。
- 週休二日が確保できず、プライベートの時間が削られる
- ハラスメントに対する意識が低く、心理的安全性がないイメージがある
- 将来のキャリアステップや昇給のイメージが描きにくい
結果として、「若手が定着しない → 常に人が足りない → それが普通になる」という流れが生まれ、人手不足が当たり前の状態として受け止められてしまいます。
仕事量が不安定で、人を抱えにくい業界構造
建設業では、仕事量の波が大きいことも人手不足を当たり前に見せる要因です。
景気や公共投資、天候などの影響を受けやすく、常に一定量の仕事があるとは限りません。
そのため、以下のような問題が発生しやすいです。
- 繁忙期と閑散期の差が大きい
- 人を増やしたくても、先の見通しが立てにくい
- 常用雇用より外注に頼りやすい
結果として、ギリギリの人数で回す体制が常態化し、人が足りない状態が続いても、それを前提とした運営をしてしまいます。
現場の負担が一部の人に集中しやすい

もう1つ見逃せないのが、現場の負担が特定の人に集中しやすい点です。
人が足りない現場ほど、できる人、分かっている人に仕事が集まります。
具体的には、次のような状態です。
- ベテランが複数の現場を掛け持ちしている
- 管理・段取り・調整を少人数で担っている
- 休みを取りづらい人が固定化している
外から見ると工事は進んでおり、「人手不足でも何とか回っている」ように見えます。
しかし実際には、無理を重ねた結果として成立しているケースが少なくありません。
無理でも回せてしまう状態が続くことで、人手不足は深刻な問題として認識されにくくなり、「当たり前」と言われてしまうのです。
建設業の人手不足は自業自得?そう言われる理由と本当の原因
インターネット上などで「建設業の人手不足は自業自得だ」という意見を見かけます。
この章では、人手不足が自業自得だとされてしまう理由について解説します。
ここで解説すること
- 長時間労働・属人化が残り、「変えなかった」面がある
- 少子高齢化と人材競争の影響もある
- 自業自得ではないが、対策はする必要がある
長時間労働・属人化が残り、「変えなかった」面がある

自業自得と言われる理由は、他の業界が働き方改革やデジタル化を進めてきた一方で、建設業では昔のやり方が残っていることです。
一例をあげます。
- ITツール導入を「コスト」と捉えてしまい、結果としてムダ作業が減らない
- 「長く働くのが当たり前」という空気が残り、休みにくさ・辞めやすさを放置した
- 無理な工期や条件に対して十分に交渉できず、現場にしわ寄せが集まった
こうした課題が積み重なり、外からは「業界が変わろうとしてこなかった」と見えてしまうわけです。
もちろんすべての企業が当てはまるわけではありません。
改善を後回しにしてきた企業ほど、自業自得だと、厳しい目を向けられてしまいます。
少子高齢化と人材競争の影響もある
一方で、建設業の人手不足をすべて自業自得と片付けるのは公平ではありません。
というのも、業界の努力だけではどうにもならない「社会全体の流れ」があるからです。
たとえば、大きな要因として次の3つを見てみましょう。
- 日本全体で働き手が減っており、どの業界でも人材確保が難しくなっている
- 建設業は屋外作業や体力仕事が含まれるため、他業界より応募が集まりにくい
- 働き方改革が進んだ業界が増え、求職者が条件の良い仕事へ流れやすくなった
こうした流れは、個別の企業が頑張るだけで止められるものではありません。
だからこそ、今いる人が辞めにくい環境づくりや、省人化で回る体制づくりに目を向ける必要があります。
自業自得ではないが、対策はする必要がある
人手不足は社会全体の問題でもありますが、会社が生き残るには自分たちで手を打つしかありません。
「少子化だから仕方ない」と嘆くより、人が増えない前提で今の人数で回せる体制をつくることが重要です。
- 「今まで通り」を捨て、新しい技術をまず試す
- 人がやらなくていい作業は、機械やシステムに任せる
- 「自業自得」と言わせない、クリーンな職場環境を整える
変化を恐れず実行した企業から、次の時代に残っていきます。
このまま人手不足が続くとどうなる?
人手不足を放置すると、現場の運営だけでなく経営判断にも影響が出ます。
とくに高齢化が進む中では、欠員が出たときの代替が困難です。
この章では、人手不足が続いた場合に起こり得る変化を整理します。
ここで解説すること
- 工期遅延・品質低下・安全リスクの増加
- 人手不足倒産・受注制限が増える可能性
- 少人数でも回る会社と、回らない会社の二極化
工期遅延・品質低下・安全リスクの増加

人が足りない現場では、工程に余裕を持たせられません。
人員不足のまま進めると、段取りや確認に使える時間が減り、手戻りやミスが増加します。
結果として工期が延び、品質や安全にも影響が出ます。
現場で起こりやすい例は次のとおりです。
- 確認工程が短くなり、見落としが増える
- 手戻りが発生し、工程がさらに厳しくなる
- 作業が集中し、事故リスクが上がる
人手不足は「忙しい」だけでなく、品質と安全を下げてしまいます。
人手不足倒産・受注制限が増える可能性
人手不足が続くと、受注量を増やす判断が難しくなります。
受注しても回せない場合、工事を断る、工期を延ばす、外注比率を上げるといった対応になるためです。
外注費が上がると利益が残りにくくなり、資金繰りにも影響します。
中小・中堅で起こりやすい状況は次のとおりです。
- 施工管理や職長が不足し、現場を増やせない
- 外注コストが上がり、利益率が下がる
- トラブル対応が増え、管理工数が増える
結果として、売上が伸びない一方で負担とコストが増えてしまいます。
少人数でも回る会社と、回らない会社の二極化
同じ人手不足でも、影響の出方は会社によって変わります。
差が出るのは、属人化の程度と仕組み化の有無です。
特定の人に判断や管理が集中している会社ほど、欠員が出たときに現場が止まりやすいです。
少人数で回る会社は、次のような工夫を先に進めています。
- 現場状況を遠隔で確認でき、移動や巡回を減らす
- 記録・報告・共有を簡単にして管理時間を減らす
- トラブル時の証跡を残し、対応の手間を減らす
人手不足を補うには、人数を増やすより作業を減らす工夫が必要です。
人員配置や仕事の受け方はもちろん、防犯カメラなどの設備を活用するのもよいでしょう。
建設業の人手不足を解消するための対策
建設業の人手不足は、採用だけで解決できる問題ではありません。
人が増えにくい時代だからこそ、優先順位を間違えないことが重要です。
この章では、現実的に効果が出やすい順に対策を整理します。
ここで解説すること
- 最優先は「離職を止める」こと
- 採用強化は中長期、即効性は低い
- 今すぐ着手できるのは「省人化・負担削減」
最優先は「離職を止める」こと

人手不足対策で効果が出やすいのは、今いる社員の離職を防ぐことです。
新しい1人を採用するには、募集から面接、育成まで時間も費用もかかります。
その点、既存社員が「この会社なら長く働ける」と感じられる環境を整えれば、戦力を安定して維持できます。
離職防止に向けては、まず次のような取り組みから着手すると進めやすいです。
- 正確な労働時間の把握と、サービス残業の撤廃
- 現場監督を悩ませる紙の事務作業を、デジタル化で削減
- 「見てもらえている」と感じられる、定期的な面談の実施
社員の負担が減り、働き続けやすい状態を作れれば、紹介や口コミにもつながりやすくなり、採用面でも強みになります。
採用強化は中長期、即効性は低い
採用強化は必要ですが、短期で見ると即効性は低いです。
理由としては以下が挙げられます。
- 応募者数が少なく、採用できない
- 採用できても即戦力化に時間がかかる
- 忙しい現場ほどフォロー不足で定着しにくい
そのため採用は、離職防止や省人化と並行して進める中長期施策として考えましょう。
今すぐ着手できるのは「省人化・負担削減」
人手不足への即効性がある対策は、省人化と現場負担の削減です。
人はすぐに増えませんが、作業や管理のやり方は今すぐ見直せます。
具体的には、次のような取り組みが効果を出しやすいです。
- 巡回や確認作業を減らし、遠隔で現場を把握する
- 記録・報告・共有をデジタル化して管理工数を下げる
- トラブル対応の証跡を残し、説明や確認の手間を減らす
省人化は、人を減らすことではなく、今の人数で回る体制を作ることです。
ここに早く着手した会社ほど、人手不足の影響を抑えられます。
ただ、作業の実態を記録したり、遠隔で現場を把握するのは、人力では難しいでしょう。
そこで、おすすめなのが防犯カメラの活用です。
人手不足対策として防犯カメラが効く理由
人手不足対策には、防犯カメラも有効な手段です。
防犯目的だけでなく、巡回・管理・トラブル対応の手間を減らすツールとして活用することで、少人数でも現場を回しやすくなります。
この章では、防犯カメラが人手不足対策につながる理由を、次の視点から整理します。
ここで解説すること
- 巡回・夜間見回りを減らせる
- 盗難・資材トラブル対応の手間を削減できる
- 安全管理・トラブル時の証跡として使える
- 少人数で複数現場を管理しやすくなる
巡回・夜間見回りを減らせる
防犯カメラを導入すると、現場の巡回や夜間見回りの回数を減らせます。
映像で状況を確認できるため、「異常がないか見るためだけ」に現場へ行く必要がなくなるからです。
人手が限られている会社ほど、効果を実感できるでしょう。
具体的には、次のような負担軽減につながります。
- 夜間や休日の見回りを減らし、管理者の拘束時間を短縮できる
- 複数現場の状況を一度に確認でき、移動時間を減らせる
- 異常があったときだけ現場対応すればよくなる
必要なときだけ動く管理体制を作ることで、少人数でも現場を維持しやすいです。
とくにAIカメラを使った「AI人検知システム」を使えば、一定のエリアに不審者が侵入した際に、検知しスマホに通知できます。
盗難・資材トラブル対応の手間を削減できる
防犯カメラは、盗難や資材トラブルが起きたあとの対応負担を減らす点でも効果があります。
映像が残ることで、状況確認や原因特定にかかる時間を短縮できるためです。
人手が少ない現場ほど、対応時間を削減するメリットがあります。
- 盗難発生時に、現場確認や聞き取りの手間を減らせる
- 誰が・いつ・どこで起きたかを映像で把握できる
- 警察や保険会社への説明をスムーズに行える
トラブル対応は一度起きると、現場・管理・事務すべての時間を奪います。
そのため、調べる時間を減らせる仕組みが、人手不足対策には必要です。
安全管理・トラブル時の証跡として使える

防犯カメラは、防犯だけでなく安全管理の面でも人手不足対策になります。
具体的には、次のような使い方が可能です。
- 現場の温度・湿度を把握し、熱中症リスクを早めに察知できる
- 人の転倒や異常な動きを検知し、事故にすぐ気づける
- 映像と記録が残るため、事故後の状況説明や再発防止に役立つ
常に人が張り付いて監視する必要はなく、異常があったときだけ対応できるのがメリットです。
安全管理を仕組みで補うことで、少人数でも現場を見守りやすくなります。
少人数で複数現場を管理しやすくなる

遠隔監視に対応した防犯カメラを活用すれば、少人数でも複数の現場を管理できます。
現地に行かなくても状況を把握できるため、移動や立ち会いにかかる時間を減らせるからです。
具体的には、次のような効果があります。
- 事務所や外出先から、複数現場の状況を同時に確認できる
- 問題がある現場だけに対応でき、無駄な移動を減らせる
- 管理者が現場に常駐しなくても、進捗や異常を把握できる
この章で紹介したように、防犯カメラは人手不足対策に役立つさまざまな機能があります。
防犯対策、業務の効率化をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。
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建設業の人手不足に関するよくある質問
最後に建設業の人手不足についてよくある質問を紹介します。
建設業に若手がいないのはなぜですか?
若手が少ない理由は、少子化による人口減少に加え、労働時間や仕事内容のイメージが影響しています。
近年は働き方改革が進んだ業界も多く、条件面で比較されやすい建設業は応募が集まりにくい傾向があります。
なぜ建築業界は人手不足なのか?
建設業は就業者数の減少と高齢化が同時に進んでいます。
若手の入職が少ない一方で、ベテランの引退が増えており、現場を支える人材が不足しています。
建設業の人手不足は将来どうなりますか?
今後も人が増える可能性は低く、人手不足は続くと考えられます。
一方で、省人化や遠隔管理などを進めた企業は、少人数でも安定した運営が可能です。
まとめ 建設業の人手不足は当たり前にしない
建設業の人手不足は、自業自得でも一時的な問題でもありません。
就業者の減少や高齢化、採用難といった構造的な要因が重なり、「人が増えない前提」での経営が求められています。
だからこそ重要なのは、採用に頼るのではなく、今の人数で回る体制をつくることです。
その現実的な手段の一つが、防犯カメラを活用した省人化・遠隔管理です。巡回や見回りを減らし、トラブルや事故に早く気づける仕組みを整えることで、現場と管理の負担を同時に軽減できます。
人手不足対策としての活用方法や導入事例については、お気軽にお問い合わせください。
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