侵入者を即察知するパッシブセンサーの仕組みとは?
誤作動の原因は?
数ある防犯センサーの中でもパッシブセンサーは、屋内のセキュリティを守る防犯センサーとしてよく使われます。
室内に入った侵入者をセンサーが感知するもので、センサー単体で使うのではなく、警報音やパトランプと連動させて侵入者を威嚇するために設置されるセキュリティとなっています。
パッシブセンサーは防犯対策として非常に効果的なセキュリティですが、誤作動があると、侵入されたわけでもないのに警報音が鳴りひびくことになるので設置は慎重に行う必要があります。
このページでは、パッシブセンサーの仕組みやおすすめの設置場所、注意点についてご紹介します。
こんな方におすすめのページです
- 万が一建物に侵入された場合の屋内の防犯対策を検討している
- 金庫や倉庫の盗難対策をしたい
- 警備員雇用にかかる人件費を抑える自主機械警備システムを導入したい
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パッシブセンサーとは?屋外でも使える?
パッシブセンサーとは、人が発する赤外線(熱)を感知して反応するセンサーです。
屋内の天井に設置されることが多く、白くて丸い形状のものが一般的です。
パッシブセンサーは屋内向けのセキュリティというイメージが強いですが、屋外対応の機種もあります。
ただ、設置環境によっては誤作動が起きやすいので、パッシブセンサーよりもアクティブセンサー(ビームセンサー等)が利用されることが多いです。
なぜ屋内の防犯対策が必要なのか?
パッシブセンサーは屋内の防犯によく使われるとお伝えしました。
建物の防犯対策を考える際、まず必須となるのは屋外の敷地侵入への対策です。
屋外の防犯対策には防犯カメラなどで不審者の侵入を防止する他、屋外用の防犯センサーを使って侵入者を感知したら音や光で威嚇したり、電磁錠を使って門扉からの侵入対策をする等が挙げられます。
「なら、屋外の侵入対策だけしっかりしておけば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、「屋外のセキュリティを突破された場合」や、「内部の関係者による不正」などのリスクに備えておくことも大切です。
たとえ屋外のセキュリティを抜けて屋内に入ったとしても、パッシブセンサーで更に侵入を感知する、二重警戒の考え方がセキュリティにおいて非常に重要となります。
屋内の防犯対策としては、防犯カメラによる不正の抑止やパッシブセンサーを使ったセキュリティ、入退室管理システム、より現場の状況を詳しく記録する集音マイクなどがあります。
弊社では、その場所で考えられるリスクや不審者の侵入経路など、トータルの視点から見たセキュリティを提案させていただいております。
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パッシブセンサーの仕組み
パッシブセンサーは、人物の表面から放射されている赤外線に反応して侵入者を感知する仕組みになっています。
パッシブセンサーが人を感知すると信号を発信し、この信号を受信したパトランプや警報などのセキュリティが音や光で威嚇するというのがパッシブセンサーを使ったセキュリティの基本の形となります。
赤外線というとしっくりこない方は、人物の熱(体温)とその場の温度の差を感知するといったほうがわかりやすいかもしれません。
赤外線とは、体温を持つ生き物から常に放出されているエネルギーです。パッシブセンサーは、この赤外線の変化を感知して侵入者が来たと判断します。
パッシブセンサーはよく「人感センサー」とも呼ばれますが、正確には人物以外にも反応することがあり、設置時は誤作動を防ぐために角度や位置を慎重に考える必要があります。
受動型センサーと能動型センサーの違い
同じく赤外線を利用する防犯センサーにはビームセンサー(≒アクティブセンサー)がありますが、ビームセンサーは機器から赤外線を放出して人物を感知し、パッシブセンサーは検知対象が発する赤外線を感知します。
この違いから、パッシブセンサーは「受動型センサー」、アクティブセンサーは「能動型センサー」とも呼ばれます。
パッシブセンサーの検知範囲
パッシブセンサーが検知できる範囲は、角度と距離から考えられます。
検知距離は、数メートル~20メートル以上、角度は80°~と製品によりかなり異なります。
一見、検知範囲は広ければ広いほど良いように感じるかもしれませんが、広範囲にわたって人を感知するようにすると、誤作動で警報が鳴ることも想定されます。
そのため、広範囲の検知を得意とするパッシブセンサーもあれば、スポット警戒型といって特定のエリアでの検知を得意とする機種もあります。
パッシブセンサーは天井が高くても設置できる?
パッシブセンサーを設置する高さは約2~5m程度となっているものが多いですが、屋外用だともっと低い場所に設置します。
機種によって検知範囲、高さは違うので、機器選びの時点で設置環境に合ったセンサーを選ぶことが大切です。
パッシブセンサーの取り付け高さは、高すぎるとセンサーが反応しづらく、低すぎても誤作動の原因になるため、設置場所選びはとても重要です。
機器の仕様に対して天井が高い場合、取付金具を使って高さを調整することもできます。
また、多くの場合パッシブセンサーは天井に設置しますが、壁面に取り付けることもできます。
パッシブセンサーの設置例
パッシブセンサーは、センサーの検知範囲の届く範囲で広く侵入を感知できる便利な人感センサーです。
小規模な店舗から大規模な商業施設、工場など、建物の種類問わず多くの場所で使われています。
屋外で防犯センサーを取り付ける場所の例

企業オフィス
出入口付近や金庫周辺など、夜間の侵入警戒にパッシブセンサーは効果的です。
侵入者による盗難事件や情報漏洩は、企業イメージにも影響があります。防犯センサーでセキュリティを強化しておくことでトラブルの防止になります。

工場・倉庫
盗難の起きやすい工場・倉庫もセキュリティを強化したい場所の一つです。
特に倉庫など侵入リスクの高い場所では、ドアセンサーとパッシブセンサーで二重に警戒できるようにしておくこともおすすめです。

店舗
閉店後の誰もいない時間帯の店舗は不法侵入のリスクが高くなります。
タイマーで営業時間外だけセンサーが反応するようにしておけば、警備員がいなくても無人の時間帯のセキュリティを強化できます。
どちらかだけで良い?監視カメラと人感センサーの違い
機械警備システムに欠かせないセキュリティ機器の一つに、監視カメラ(防犯カメラ)が挙げられます。
パッシブセンサーやビームセンサーなどのセキュリティと監視カメラはどちらも定点を監視し警戒できるものですが、その違いは両機器の使用用途が違うことです。
監視カメラはその場を常時撮影・録画することで警戒し、トラブルがあった時の証拠に役立ちます。
一方、人感センサーは侵入者を検知し、警報や光で威嚇し侵入者を追い出すことができるセキュリティです。
侵入被害を防ぐために人感センサー、犯人を特定し捕まえるためには監視カメラなど、用途が違うので一概にどちらのほうが良いというものでもなく、防犯性を高めるならどちらも設置するのが安心です。
「侵入警戒も録画もしたいけど、いくつもセキュリティを入れると費用がかかるのでは?」と心配な方には、監視カメラがセンサーの役割も担い、侵入者を検知するAI防犯カメラの導入もおすすめです。
屋内用・屋外用のパッシブセンサー製品紹介
弊社で設置可能なパッシブセンサー製品を一部ご紹介します。
屋内用熱線センサーIR81A
屋内用のパッシブセンサーで、周囲との温度差により検知をします。
IR81Aは立体警戒型の製品ですが、面警戒型のIR82Aも設置可能です。
独自の技術により誤報を極力減らし、様々な設置環境に対応します。
- 取り付け高さ:2.3m~4m
- 検知エリア:12m、85°
- 検知速度:0.3m~2.0m/秒
屋外熱線センサーATS06A
屋外対応のパッシブセンサーで、上段・下段のセンサーが同時に動体を検知すると反応します。
壁やポールに取り付けて使用します。
- 取り付け高さ:0.8m~1.2m
- 検知エリア:12m、88°
- 検知速度:0.3m~2.0m/秒
人がいないのに音が鳴る?パッシブセンサー誤作動の原因
パッシブセンサーは、人が発する赤外線(熱)を感知するため、設置環境によっては人がいないのに反応してしまう誤作動が起こる可能性があります。
パッシブセンサーの誤作動は、機器の不具合ではなく、設置環境との相性や条件が合っていないというケースが多く、設置には注意が必要です。
パッシブセンサーが誤作動を起こす原因や、センサーを設置する際の注意をご紹介します。
- 温度変化による誤検知
- パッシブセンサーは熱の変化を感知するため、エアコンの風による気温変化や隙間風による温度変化で誤作動が起こる可能性があります。
また、夏の暑い時期は人と室内の温度差が少ないため検知しにくい場合があることも注意が必要です。 - 動物に反応
- 人物そのものに反応しているわけではないので、動物が通ってセンサーが反応してしまう可能性があります。
- オフィス機器の起動
- パッシブセンサーは周囲の温度との温度差を人と判断して検知します。
そのため、検知エリア内に複合機などのオフィス機器があると、機器が起動した時の熱で反応し誤報を起こす可能性があります。
パッシブセンサーが誤作動を起こす原因の例
パッシブセンサーの誤作動を防ぐ注意点
パッシブセンサーの誤作動の可能性についてお伝えしましたが、パッシブセンサー自体は万が一泥棒や不審者に狙われた時、侵入を防ぐ心強いセキュリティです。
大切なのは、設置前にどこに、どんな向きで取り付けるか、その場所で考えられる侵入経路はどこかなど、設置前にしっかりと検討した上で設置することです。
弊社ではパッシブセンサー以外にも屋外・屋内対応のセキュリティを多数取り扱っております。
まずはお気軽にご相談ください。
パッシブセンサー設置時の注意点
- 設置環境に合ったセンサーを選ぶ
- 検知エリアに誤作動を引き起こすものがないか注意する
- センサー部分に汚れや水分がつかないようにする
- 適正な高さに取り付ける
- 設置後は実際に人が通って動作テストをする
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センサー機能付きのAI防犯カメラとは
実は監視カメラでも人を検知することが可能です。
従来の監視カメラでは、カメラが撮影する画像を比較し差分が大きい場合に検知をする「モーション検知」という機能がありましたが、この場合人以外でも反応してしまうという弱点がありました。
近年開発が進むAI防犯カメラなら、AIが人そのものを検知することができます。
弊社では、AI防犯カメラシステムの開発も行っており、AIが人の存在を検知しスマホアプリへ通知するTRINITY AI 人検知システムが人気です。
防犯カメラの撮影するエリアすべてを検知エリアとすることも、カメラ映像のうち一部を検知エリアとすることもできるので、任意の場所の警戒を柔軟に強化することができます。
更に、AI防犯カメラをパトランプや警報機と連動することで、AI防犯カメラが侵入者を検知したら音や光で威嚇するAI警備システムも人気です。
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トリニティーでは、侵入者を警戒する自主機械警備システムの他、監視カメラや入退室管理システムなど幅広いセキュリティを総合的に取り扱っています。
セキュリティを強化するためには複数のセキュリティを入れることがおすすめですが、多ければ多いほど良いというものでもなく、予算や設置環境に応じて無理ないセキュリティを導入することが大切です。
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