建築物衛生法とビル管理法の違いとは?
対象建築物・基準を解説
「建築物衛生法やビル管理法、いろいろあるけど、結局どちらを基準に管理をすれば良いの?」
建物の管理やオフィスの管理において、そう感じたことはありませんか?
建築物衛生法には、対象となる建物の判定や、CO2濃度を含む空気環境測定、記録の保存など、管理者が把握しておくべきルールが数多く定められています。
判断を誤れば、知らないうちに行政指導の対象になる可能性もあります。
本記事では、建築物衛生法(ビル管理法)の基本的な考え方から、対象となる特定建築物の条件、空気環境管理の基準までを整理します。
コストを抑えつつ、法令を遵守した環境管理を行いたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
特定建築物のCO2測定に、温湿度モニタリングカメラシステム
弊社の「温湿度モニタリングカメラシステム」は、防犯カメラで撮影した映像に、温度湿度、そしてCO2濃度を表示できるシステムです。
モニターへの数値表示のほか、CSVでのデータ出力や、異常値 に達したときに検知・通知することもできます。
現場管理も、温湿度の異常検知も、これ一つで叶います。
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建築物衛生法(ビル管理法)の基礎知識と対象施設
建築物衛生法は、多くの人が利用する建物の衛生状態を良好に保つための法律です。
まずは法律の定義や、自分の所有・管理する物件が対象になるかどうかを正しく把握しましょう。
ここで解説すること
- 建築物衛生法とビル管理法の違いとは?
- 対象となる「特定建築物」の条件と面積基準
- 法律を守らなかった場合の罰則と行政指導のリスク
建築物衛生法とビル管理法の違いとは?

建築物衛生法とビル管理法は、実は名称が異なるだけで、全く同じ法律を指しています。
正式名称は「建築物の環境衛生の維持管理に関する法律」です。
名称が長いため、行政側からは「建築物衛生法」、実務現場では「ビル管理法」と略されるのが一般的です。
たとえば、以下のような場面で使い分けられています。
- 厚生労働省の告示や公文書…建築物衛生法
- 資格試験や管理業務の現場…ビル管理法、ビル管
どちらの言葉を使っても間違いではありませんが、実務上のルールは1つであることを覚えておきましょう。
対象となる「特定建築物」の条件と面積基準
建築物衛生法の対象は、一定の用途と規模を持つ「特定建築物」と呼ばれる建物です。
不特定多数の人が利用する施設のうち、延べ面積が基準値を超えるものが対象となります。
具体的には、建物の用途によって以下のような面積基準が設けられています。
| 延べ面積 | 建造物の用途 |
|---|---|
| 3,000平方メートル以上 | 興行場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館、遊技場 店舗、事務所、学校(研修所を含む)、旅館 |
| 8,000平方メートル以上 | 学校教育法第1条に規定する学校 又は幼保連携型認定こども園 |
この基準に達していれば、法的な管理義務が発生するため注意が必要です。
法律を守らなかった場合の罰則と行政指導のリスク
法令を遵守しない場合、ビルオーナーや管理者は社会的な信頼を失うだけでなく、法的な制裁を受ける可能性があります。
適切な管理が行われていないと判断されると、まずは保健所による立ち入り検査や改善勧告が行われるのが一般的です。
万が一、指導を無視し続けたり悪質な違反が認められたりした場合、リスクは行政指導だけではありません。
建築物衛生法違反があった時のリスク例
- 30万円以下の罰金
- 施設の使用停止命令または制限
- 「不備のある物件」としての風評被害
- テナントの退去による収益悪化
参考:厚生労働省「特定建築物の所有者、占有者その他の者で特定建築物の維持管理の権原を有する者の皆様へ」
管理者として、法令を守ったビル経営・管理を行うようにしましょう。
建築物環境衛生管理基準のポイント
建物内を健康的に保つため、法律では具体的な「管理基準」が定められています。
とくに空気環境の数値は、目に見えないからこそ厳格な厳格な管理が求められる求められるポイントです。
ここで解説すること
- 空気環境の調整
- 給排水・清掃・ねずみ昆虫防除の管理ルール
- ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の選任義務
空気環境の調整
特定建築物の維持管理において、空気環境の調整は「6つの項目」で数値基準が定められています。
これらを「2ヶ月以内ごとに1回」定期測定する義務があります。
具体的な管理基準値と、実務で守るべき測定ルールは以下のとおりです。
建築物環境衛生管理基準における空気環境の調整
| 測定項目 | 管理基準値 | 測定のポイント |
|---|---|---|
| 二酸化炭素(CO2) | 1,000ppm以下 | 換気不足を判断する代表的指標 |
| 浮遊粉塵量 | 0.15mg/m³以下 | 床上75cm〜150cmの高さで測定 |
| 一酸化炭素(CO) | 10ppm以下 | 燃焼器具使用時は特に厳格に管理 |
| 温度 | 18℃以上28℃以下 | 居室の中央部など代表的な地点で計測 |
| 相対湿度 | 40%以上70%以下 | 40%未満はウイルス、70%超はカビに注意 |
| 気流 | 0.5m/秒以下 | 利用者が不快な風を感じない程度に調整 |
これらの項目は、原則として建物の「通常の使用時間中」に測定し、その結果を5年間保存しなければなりません。
給排水・清掃・ねずみ昆虫防除の管理ルール
ビル管理法は空気だけでなく、水や目に見える衛生状態についても細かく規定しています。
飲料水の安全確保や害虫の発生防止など、多角的なアプローチが必要です。
管理すべき項目と頻度の例をまとめると以下のとおりです。
給排水・清掃・ねずみ昆虫の発生防止のための管理基準
| 管理項目 | 主な内容 | 実施頻度(目安) |
|---|---|---|
| 給水管理 | 貯水槽の清掃、水質検査 | 年1回以上 |
| 排水管理 | 排水槽、汚物槽の清掃 | 6ヶ月以内ごとに1回 |
| 清掃管理 | 日常清掃、定期的な大掃除 | 随時、年1回以上 |
| ねずみ昆虫 | 生息調査、防除措置 | 6ヶ月以内ごとに1回 |
これらを適切に行い、その結果を「維持管理記録」として保管しておく義務があります。
ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の選任義務

特定建築物の所有者は、その維持管理を監督させるために「建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)」を選任しなければなりません。
これは国家資格であり、ビルの衛生管理に関する司令塔のような役割を担います。
ビル管理士の主な役割
- 管理基準に基づいた維持管理計画の作成
- 各測定結果のチェックと改善指示
- オーナーへの意見具申
- 保健所の立ち入り検査への立ち会い
専門知識を持つ担当者を置くことで、初めて法的な基準が実効性を持つ仕組みになっています。
建築物環境衛生管理基準では、室内の温湿度、CO2濃度の管理が必要です。
換気対策の重要性とCO2濃度測定の課題
近年、感染症対策の観点からも「換気の見える化」が強く求められるようになりました。
しかし、従来の管理手法では限界が見え始めているのが実情です。
ここでは、建築物衛生法におけるCO2濃度計測の課題について紹介します。
CO2濃度測定の問題点
- 「2ヶ月に1回」の測定だけでは不十分な理由
- 手書き・手動測定による管理コストとヒューマンエラー
- 感染症対策と「空気の見える化」への社会的要請
「2ヶ月に1回」の測定だけでは不十分
なぜならCO2濃度は、人の出入りや時間帯によって激しく変動するからです。
たとえば、次のようなタイミングで数値は上昇します。
建物内のCO2濃度が上がりやすいタイミング
- 会議室に人が密集したとき
- ランチタイムの飲食店フロア
- 外気温の変化で空調(換気)を絞ったとき
たまたま測定した瞬間が正常でも、他の時間にCO2濃度が高いと、利用者の健康を損なうリスクは消えません。
そのため、2ヶ月に1回だけでなく、日常的にCO2濃度を測定できる環境を整える必要があります。
手書き・手動測定による管理コストとヒューマンエラー
二酸化炭素濃度の測定方法は、担当者が、数値を紙に記録していくスタイルが主流でした。
しかし、このアナログな手法には以下のようなコストとリスクが潜んでいます。
アナログ管理の問題点
- 記録に伴う人件費と拘束時間の増大
- 書き間違いや、報告書の転記ミス
- 測定結果がその場限りの「点」になり、傾向分析ができない
人手不足が深刻化するビル管理業界において、こうしたアナログ作業の削減が課題となっています。
感染症対策と「空気の見える化」への社会的要請
コロナ禍を経て、利用者の「建物内の空気」に対する意識は劇的に変化しました。
現在は「法律を守る」だけでなく、利用者に安心感を提供するための「透明性」が求められています。
感染症対策に必要な「空気」の見える化チェック
- 現在のCO2濃度がリアルタイムで表示されているか
- 換気が不十分なときに備えて対策が取られているか
- 「空気」がデジタル数値として可視化されているか
- 適切に管理していることを客観的な数値で示せるかどうか
適切に管理していることを客観的な数値で示せるかどうかは、今やビル選びの重要な指標となっています。
そのため、CO2濃度の計測は、気温や湿度と共に重要視される指標です。
温度・湿度カメラモニタリングシステムで空気環境の見える化
適切なビル管理のためには、温度・湿度やCO2濃度の可視化が欠かせません。
コストを抑えた空気環境管理に、「温度・湿度カメラモニタリングシステム」がおすすめです。
カメラでモニタリングしながら温度と湿度を記録し、さらにCSVとしてデータ取得も可能で、複数部屋の管理にも向いています。
温度・湿度の異常を検知・アラート通知も可能です。
温度・湿度カメラモニタリングシステムのメリット
- 温度・湿度・CO2濃度をリアルタイムで遠隔監視できる
- CSVで過去データを取得して分析できる
- 異常時アラートでトラブルを予防できる
- 環境データを集めたい人にも適している
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よくある質問
最後によくある質問を紹介します。
- 建築物衛生法とビル管法の違いは何ですか?
- この2つは「全く同じ法律」を指しています。
正式名称が長いため、行政や法律用語としては「建築物衛生法」、実務現場や資格試験の通称としては「ビル管理法(ビル管法)」と呼び分けられているだけです。
どちらを使っても間違いではありません。 - 建築物衛生法とは何ですか?
- 多くの人が利用するビル等の「空気・水・清掃・害虫」などの衛生環境を、一定の基準以上に保つことを義務付けた法律です。
利用者の健康を守ることを目的としており、基準を満たさない場合は行政指導や罰則の対象となるため、ビル運営において重要な指針となります。 - 延べ面積が3,000㎡未満のビルは、空気環境測定をしなくて良いのですか?
- 法律上の「特定建築物」には該当しませんが、努力義務がなくなるわけではありません。
事務所衛生基準規則や旅館業法など、他の関連法規で同等の管理を求められるケースが多いため、規模に関わらず定期的な測定と適切な換気を行うことが推奨されます。
建築物衛生法に効率よく対応しよう
建築物衛生法(ビル管理法)は、特定建築物を運営する上で避けては通れない最優先事項です。
とくにCO2濃度は、利用者の健康に直結する重要な指標ですが、従来のアナログな管理手法では手間もコストもかかっていました。
温度・湿度モニタリングカメラシステムは、監視カメラと温湿度の管理を一つの機器で担うため、警備コストにも、現場の管理コストの削減にもつながります。
ビル管理法に基づく建築物管理のコスト削減をお考えの方は、ぜひお問い合わせください。
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