防犯カメラのクラウド保存が危険なのはなぜ?
HDD録画との違いやメリット・デメリットも解説
クラウド保存の防犯カメラは、安くて手軽に導入できる防犯カメラというイメージがある方も多いのではないでしょうか。
たしかにクラウド上に録画ができる防犯カメラは、レコーダーやSDカードなどの機器が不要なため手軽に感じるかもしれませんが、防犯のプロがクラウド保存の防犯カメラを選ぶことはほぼありません。
クラウド上の録画データ消失の危険や、「現地のインターネット環境によって録画ができていない」という録画トラブルがあるからです。
また、クラウド録画の防犯カメラは安いイメージがあるかもしれませんが、クラウド録画を選んだことで、費用が高くなるケースもあります。
このページでは、防犯カメラのクラウド録画と、レコーダーやSDカードなどの媒体に録画する場合の費用やリスクの違いについてまとめてみます。
今更聞けない「クラウド保存」とは?

クラウド保存とは、「クラウドコンピューティング(Cloud Computing)」の略で、インターネット上のサーバーやストレージにデータを保存することです。
クラウドというと、よく雲のマークで表現されていますが、物理的に存在せず目に見えない、雲のような場所にデータを保存することに起因すると言われています。
クラウド保存という考え方が生まれる前は、各種データをパソコン上やSDカードなどへ保存していましたが、このような機器がなくてもデータの保存ができるという点で、防犯カメラ以外でも様々な場面で使われています。
身近なケースでいえば、スマホで撮影した重い写真や動画データをクラウドに保存するようにしている方も多いのではないでしょうか。
このように物理的な媒体がなくてもデータの保存・管理ができるのがクラウド保存の基本的な考え方です。
レコーダー不要で防犯カメラの映像を管理できるというメリットがあり、最近は防犯カメラ業界でも映像をクラウド上に直接保存する"クラウド録画タイプの防犯カメラ"を製造するメーカーも増えています。
防犯カメラの「クラウド録画」と「オンプレミス録画」とは?
クラウド保存の防犯カメラとは、防犯カメラの映像をインターネットを経由して外部サーバーに保存する仕組みのカメラシステムです。
レコーダー不要で設置ができるので、録画機を買わなくても防犯カメラの録画映像を保存することができます。
これに対し、オンプレミス保存とは、HDDレコーダーやSDカードなどデータが保存できる媒体を準備して録画データを保存する、従来のカメラシステムのことをいいます。
どちらにもメリット・デメリットがあり、どちらが良いかはカメラを設置する環境や予算、カメラの設置目的により違います。
そのため、防犯カメラを買う前に両方のメリットとデメリットを知っておく必要があります。
クラウド録画の防犯カメラが人気な理由とよくある勘違い

防犯カメラの録画データをクラウド保存するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 録画機が不要で省スペース
- 遠隔で映像管理ができる
- レコーダーを買わなくて良いため、安く防犯カメラを使える
防犯カメラの録画データをクラウド保存するので、たしかに省スペースで、状況によってはクラウド録画のほうが安いのも確かです。
ただし、クラウド保存じゃなくても防犯カメラの映像は遠隔で管理でき、費用感は状況によりクラウド録画のほうが高いこともあります。
防犯カメラのような少し特殊といえる機器は、設置前にプロへ相談し、設置場所や目的に合わせてクラウド保存かオンプレミス保存か選ぶことがおすすめです。
なぜ危険?防犯カメラのクラウド保存デメリット
プロがクラウド録画をおすすめしない理由は、セキュリティ上のリスクや、現地のインターネット環境を圧迫する可能性があることなどが挙げられます。
プロが防犯カメラを危険視する理由をご紹介します。
プロが防犯カメラのクラウド保存を危険視する理由
- 防犯カメラの映像が録画されない危険がある
- サーバーの不具合でデータ・不正アクセスの危険がある
- ネット回線を圧迫し、インターネットが重くなるリスク
- 高画質での録画が難しい
- ランニングコストが高くなりがち
防犯カメラの特殊な点は、常時録画してこそ効果があるということです。
写真やエクセルファイルであれば、一時的なインターネットの不具合で保存ができていなくても後で再度クラウドに保存することができますが、防犯カメラから直接クラウドへ保存するクラウド録画という形式をとっている場合、録画データが保存されない時間があると、万が一その時間になにかあっても録画が確認できません。
そのため、防犯に詳しいプロは一番安定して録画を保存できるレコーダー録画をおすすめします。
クラウド保存のデメリット1.
防犯カメラの映像が録画されない危険がある
クラウド録画の防犯カメラは、防犯カメラの録画データを直接クラウドにアップロードし保存します。
そのため、インターネット障害で現地のネットが途切れたら、その間録画ができないというリスクが生じます。
これは防犯対策において、「セキュリティの穴」ともいえます。
録画の途切れによるデメリット
- 侵入や犯行の瞬間が映らない危険がある
- ルーターなどインターネット関連機器の不具合でも録画に影響がある
- 意図的に現地のネット環境を切って犯罪が行われるリスクがある
- 現場の遠隔監視をする場合、トラブルが起きた時に録画できないと意味がない
クラウド保存のデメリット2.
サーバーの不具合や不正アクセスの危険がある
クラウド録画は、映像データを外部のサーバーに保存する仕組みです。そのため、サービス提供会社のシステム障害やメンテナンスの影響を受けやすく、場合によっては録画映像が一時的に消失するリスクもあります。
外部サーバーは常時インターネットに接続されているため、不正アクセスやサイバー攻撃があった時のリスクのも無視できず、防犯カメラのような個人情報が映るデータの保存には注意が必要です。
サーバーに依存するデメリット
- サーバートラブルで映像の消失リスクがある
- 第三者が不正にアクセスする危険性がある
クラウド保存のデメリット3.
ネット回線を圧迫し、インターネットが重くなるリスク
クラウド録画の仕組みは、防犯カメラの録画データをサーバーへ常時アップロードするものです。そのため、アップロードに必要な上り回線への影響が大きくなりやすく、結果としてインターネットが重くなる可能性があります。
契約しているインターネット回線によりますが、カメラの台数が複数になるとその分負荷が大きくなります。
とくに複数人が同時にパソコンを使うオフィス・事務所ではネットが不安定になると業務に支障があると従業員のストレスにもなり、仕事の生産性を下げる要因にもなります。
ネット回線を圧迫することによるデメリット
- 家庭用のネット回線では、そもそもデータのアップロードに向いていないことがある
- クラウド保存のために防犯カメラの画質やfpsをかなり落とすことになる場合がある
- スマホやパソコンなど他の通信に影響する
クラウド保存のデメリット4.
高画質での録画や長期間録画が難しい
防犯カメラの映像は解像度が高いほどデータ容量が大きくなります。
そのため、クラウド録画では高画質な映像の保存が難しいこともあります。
ネット回線を圧迫することによるデメリット
- 家庭用のネット回線では、そもそもデータのアップロードに向いていないことがある
- クラウド保存のために防犯カメラの画質やfpsをかなり落とすことになる場合がある
- スマホやパソコンなど他の通信に影響する
クラウド保存のデメリット5.
ランニングコストが高くなりがち
クラウド録画の防犯カメラが人気な理由の一つに、「レコーダー不要で費用を抑えられる」という点がありますが、クラウド保存をする場合は、サーバーの利用料金が必要です。
通常、クラウドサーバーの費用は、ランニングコストとして経費から捻出します。
使うサーバーのスペックや利用期間によっては、「結局、総合的にかかる費用はレコーダーを買うほうが安い」ということもありえます。
コストに関するクラウド録画のデメリット
- サーバーの利用料金がかかる
- 長期間防犯カメラを使う場合、HDD保存のほうが安いことがある
- 録画期間を長くしたい場合、追加で費用がかかることがある
クラウド保存とHDDレコーダー、SD保存の違い
保存先によって何が違うの?
防犯カメラの録画データを保存する方法には、クラウド録画とオンプレミス録画の2種類があります。
オンプレミス録画では、基本的にレコーダーへの録画が選ばれます。
例外として、屋外などレコーダーの置き場所がない場合にSD録画が好まれることもあります。
どちらが良いかは、設置場所の環境や台数、目的によって違います。
クラウド録画 | HDD録画 | SDカード録画 | |
---|---|---|---|
録画期間 | 短い 利用プランによる 録画を延長したい場合は 追加費用がかかることが多い |
長い HDD容量で調整可能 1か月以上の保存も可能 |
短い 数日〜1週間程度が目安 |
画質 | 制限されやすい 高画質を維持すると 回線に負荷がかかりやすい |
高画質で安定 200万画素~4K画質など柔軟に対応 |
高画質保存が可能 高画質は可能だが、録画期間が短くなる |
費用 | 1~2台なら安い 長期設置する場合総合的なコストは高くなる |
台数が増えると割安 長期利用・複数台設置に最適 |
比較的安い 手軽だが、台数が多いと管理が煩雑 |
遠隔監視 | 可能 クラウドサーバーで確認 |
可能 スマホアプリ・PCアプリで確認 |
可能 スマホアプリ・PCアプリで確認 |
クラウド保存だと画質が粗くなりやすいのはなぜ?
インターネット環境と画質の関係
まず、防犯カメラの録画期間を決める要素は以下のようなものがあります。
- カメラの画質(解像度)...高画質になるほどデータ容量が大きくなる
- フレームレート...1秒間に記録するコマ数が多いほど容量が増える
- ビットレート...保存できるデータ量が多いほど長期間の録画が可能
- ストレージ(容量)...保存できるデータ量が多いほど長期間の録画が可能
通常、防犯カメラには5fps以上のフレームレートと200万画素以上の画質が必要とされます。
フレームレートとは、動画のデータ1秒に入る画像枚数を示す数値で、「fps」という単位で表現します。
fpsが低いと映像がカクつき、現場の再現性が低くなります。
フレームレートのイメージがつきにくい方は、下記の検証動画をご覧ください。
高画質、高fpsの映像のほうが、なにかあった時の証拠にはなりますが、データ容量が大きくなります。
クラウド保存の場合、録画をする際、現地のインターネットを使いますが、重い録画データをクラウドサーバーへアップロードし続けるのはインターネット回線へ大きな負荷がかかります。
そのため、クラウド保存防犯カメラを設置する場合は画質を低くしたり、フレームレートを低くして回線への負荷や、サーバーのストレージ容量を節約するケースが多いです。
その点、レコーダーやSDカードへの保存なら録画時にインターネットを使うことがないので、回線への負荷がありません。
防犯カメラの映像を遠隔で見る時のクラウド保存とHDD保存の違い

クラウド保存でもオンプレミス保存でも、防犯カメラの録画やリアルタイムの映像はスマホやパソコンで遠隔で見ることができます。
基本的には防犯カメラの遠隔監視は、メーカーなどのアプリを使って接続します。
遠隔監視をする時は、クラウド保存でもレコーダーやSDカードでも、インターネット環境を使います。
遠隔監視をする際の違いは、クラウド保存の場合はスマホ・パソコンからサーバーへアクセスして映像を閲覧し、オンプレミス保存の場合、遠隔でレコーダーやカメラにアクセスをして閲覧するという流れの違いがあります。
スマホやパソコンで特定のアプリやサイトにアクセスして映像を確認するという点ではほぼ同じですが、現地でインターネット障害が起きた時、クラウド保存の場合は録画が保存されず、オンプレミス保存の場合は障害期間中は遠隔監視ができなくても、録画は問題なく行われる点です。
防犯カメラの設置を専門業者に頼むメリット
最近ではクラウド保存の防犯カメラがネット通販でも簡単に買えるようになり、値段が安いものも多く販売されています。
それでも多くの人が設置を専門業者へ依頼するのは、プライバシーを侵害しない設置位置や画角調整や、悩み・設置環境に合った防犯カメラの機種を提案してもらえるなど、多くのメリットがあるからです。
日本防犯カメラセンターを運営するトリニティーでも、個人・法人・公共問わず幅広い環境でのセキュリティ導入に対応しています。
とくに、初期費用0円・月額定額料金のみで防犯カメラの機器選びも、設置工事も修理も対応するレンタルプランが人気です。
しかも、レンタルならご利用期間中ずっと保証なので、設置後の不具合や故障にも柔軟に対応させていただきます。
トリニティーの防犯カメラレンタルのメリット
- 初期費用0円でプロが選ぶおすすめの防犯カメラを設置できる
- 設置のご相談から設置工事、修理まですべて自社で対応
- 豊富な機種から設置位置によって必要なカメラを選べる
- 1台の導入から大規模な現場まで柔軟に対応
- プライバシーに考慮した適切な位置へ設置できる
- スマホの遠隔監視やセンサーライトなど豊富なオプションが選べる
- AI搭載モデルで侵入者をスマホへ通知できる(※オプション)
家庭用防犯カメラから業務用防犯カメラ、街頭防犯カメラまで、あらゆる現場で防犯カメラの設置に対応してきたプロが、お客様にとって最善の防犯カメラシステムを、ご利用いただきやすい料金でご提案させていただきます。
現地調査・お見積りは無料ですので、お気軽にご相談ください。
まとめ 防犯カメラのクラウド保存が危険な理由とは
クラウド保存の防犯カメラの危険性やレコーダー・SD保存との違いについてご紹介しました。
クラウド保存の防犯カメラは、省スペースで防犯カメラを運用できるのがメリットですが、常時インターネットに接続するため、高画質な映像を保存するにはサーバーのストレージやインターネット回線をよく考えなければいけません。
「それでもクラウドが良い!」というお客様には、クラウド保存タイプの防犯カメラのお取り扱いもあります。
クラウド保存とオンプレミス保存、どちらを選ぶにしても、防犯カメラの設置で失敗しないためには、プロに相談するのがおすすめです。
設置する場所や解決したい課題に合わせて、プロが最善の防犯カメラシステムをご提案します。
まずはメール、お電話、LINEでお気軽にご相談ください。
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