ガラス飛散防止フィルムに防犯効果はある?
空き巣対策には不向きな理由と正しい選び方
地震や台風などの自然災害で窓ガラスが割れると、飛び散った破片でケガをする二次被害につながることがあります。
こうしたリスクを減らすために使われるのが「飛散防止フィルム」です。
一方で、「防犯目的にも使えるのでは?」「空き巣対策にも効果があるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、飛散防止フィルムの本来の役割と、防犯フィルムとの違いを解説しながら、空き巣対策には何が必要なのか、正しい選び方や施工方法についてわかりやすくご紹介します。
この記事でわかること
- 飛散防止フィルムとは何か?どんなシーンで有効なのか
- 飛散防止フィルムと防犯フィルムの違い
- 空き巣対策に必要な「本物の防犯フィルム」とは?
ガラス飛散防止フィルムの効果と特徴とは?
ガラス飛散防止フィルムとは、万が一ガラスが割れてしまったときに、破片が飛び散るのを防ぐためのフィルムです。
ガラス片によるケガや、床や家具への被害を軽減するために使われます。
ガラス飛散防止フィルムは、あくまでも「割れた後」の飛散防止を目的とした製品です。
ガラスそのものの強度を高めたり、「割れにくくする」効果はありません。
そのため、空き巣対策などの防犯目的で使用するには不向きであり、「フィルムを貼っているから安心」と誤解してしまうと、期待した効果が得られないケースもあります。
地震・台風などの災害対策には有効
- 地震の揺れで窓ガラスが割れたとき
- 台風や突風で物が飛んできてガラスが破損したとき
- 室内の安全を確保したいとき
このような災害時のリスクに備えて、飛散防止フィルムをあらかじめ貼っておくことで、安全性が大きく向上します。
とくに、子どもや高齢者がいるご家庭、学校、介護施設などでは、ケガの予防やパニック回避のためにも非常に役立ちます。
飛散防止フィルムと防犯フィルムはどう違う?
見た目が似ているからこそ注意が必要
見た目がよく似ていることから、「飛散防止フィルム=防犯にも効く」と思われがちですが、実は目的も性能もまったく異なります。
防犯対策として使うには、一定の厚みや強度、そして耐貫通性能を備えた「CPマーク付き防犯フィルム」などの専用製品を選ぶことが大切です。
飛散防止フィルムはあくまで災害時のケガ防止が主な目的であり、空き巣による「ガラス破り」などの侵入行為を防ぐ力はほとんどありません。
飛散防止フィルムと防犯フィルムの違い【比較表】
比較項目 | ガラス飛散防止フィルム | 防犯フィルム(CPマーク付き) |
---|---|---|
主な目的 | 地震・台風など災害時のガラス破片飛散防止 | 空き巣などによるガラス破り・侵入の抑止 |
フィルムの厚み | 約50ミクロン〜100ミクロン程度(薄手) | 約350ミクロン以上(厚手・積層構造) |
耐貫通性能 | ほとんどなし | ハンマーなどによる打撃にも耐える |
DIYでの施工可否 | 可能(市販品で手軽に施工できる) | 専門業者による施工が推奨される |
防犯対策効果 | 防犯目的には不十分 | 防犯性能試験済で空き巣対策に有効 |
防犯目的でフィルムをお考えの方は、「飛散防止」という表記だけで選ばず、防犯性能試験に合格した「CPマーク付き防犯フィルム」であることを必ず確認するようにしましょう。
飛散防止フィルムでは防げない!
防犯フィルムに求められる性能とは
「窓ガラスからの侵入を防ぎたい」「空き巣対策を本気でしたい」という方には、飛散防止フィルムではなく、CPマーク付きの防犯フィルムをおすすめします。
防犯性能の基準「CPマーク」とは?
CPマークとは、「Crime Prevention(犯罪防止)」の略で、警察庁・国土交通省・経済産業省が推進している防犯性能の高い建物部品の目印です。
防犯ガラス・鍵・シャッターなどと同様に、防犯フィルムもこのCPマーク制度の対象製品となっており、「空き巣の侵入を5分以上遅らせる性能があるかどうか」が基準とされています。
たとえCP認定の製品を使っていても、有資格者による正しい施工が行われていない場合は、CPマークのラベルを貼ることはできません。
防犯フィルムには「明確な基準」がある
防犯性能のチェック項目 | ガラス飛散防止フィルム | 防犯フィルム(CPマーク付き) |
---|---|---|
厚みの基準(350ミクロン以上) | ✕ 満たしていない | ◎ クリア |
耐貫通性能(打撃試験) | ✕ 不合格 | ◎ 合格済み |
防犯抑止力 | ✕ ほぼなし | ◎ 外観でも抑止効果あり |
「貼っていれば安心」は危険な思い込み
「飛散防止フィルムを貼っていれば、防犯対策もできて安心」とお考えの方も多いかもしれません。
しかし実際には、防犯性能のないフィルムを貼っているだけでは、空き巣の侵入を防ぐことはできません。
たとえば、ハンマーやバールのような道具を使ってガラスを叩き割る「ガラス破り」という手口では、飛散防止フィルムではほとんど歯が立たないのが現実です。
割れた破片が飛び散らなくても、空き巣にとっては「静かに割れて中に入れる」だけで十分な侵入口になります。
飛散防止フィルムと防犯フィルムの選び方
ガラス用フィルムには、災害対策向けの「飛散防止フィルム」と、空き巣対策向けの「防犯フィルム」の2種類があります。
目的によって選ぶべき製品が異なりますので、まずは「何のために貼るのか」をはっきりさせることが大切です。
飛散防止フィルムを選ぶ際のチェックポイント
JIS A 5759に適合した製品を選ぶ
JIS(日本産業規格)とは、日本国内で製造・販売される製品の品質や安全性に関する基準を定めた公的な規格です。
ガラス飛散防止フィルムについては、建築用窓ガラス用フィルムの規格「JIS A 5759」が該当します。
この規格に適合している製品であれば、飛散防止性能や耐久性など、一定の品質が担保されていると考えてよいでしょう。
JIS A 5759に適合したフィルムを選ぶメリット
- 品質が安定しており、信頼性が高い
- 地震・台風などの災害時にも安心して使える
- 学校・病院・介護施設など、安全性が重視される場所にも適している
防犯フィルムを選ぶ際のチェックポイント
空き巣対策として使用する場合は、飛散防止フィルムでは不十分です。
必ず「CPマーク付きの防犯フィルム」を選ぶようにしましょう。
警察庁などが推奨する「防犯性能試験」をクリアした製品だけが取得できるため、防犯対策としての信頼性が非常に高くなっています。
CPマーク付きの防犯フィルムを選ぶメリット
- 防犯性能が試験で証明されている
- 空き巣の心理的な抑止力がある
- 専門業者による施工が前提なので性能を最大限発揮できる
どちらのフィルムも、「貼れば安心」ではなく、目的に合った製品選びが何より大切です。製品の性能に加えて、施工方法や施工者の技術にも注目して選ぶようにしましょう。
DIY施工と業者依頼、どちらが安心?
窓フィルム施工のポイント
ガラスフィルムはホームセンターやネット通販などでも購入できるため、「自分で貼ればコストを抑えられるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
実際、小さな窓や簡易的な飛散防止目的であれば、DIYでもある程度の効果は期待できます。
しかし、より高い性能を求める場合や、安全性・見た目・耐久性までしっかりと確保したい場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
専門業者に依頼するメリット
- ガラスやサッシの構造に合わせた正確なカットと貼り付けができる
- 気泡やズレのない、美しい仕上がりが実現できる
- JIS規格やCPマーク製品など、目的に合った正規品の選定と施工ができる
- プロの施工技術で、フィルムの性能を最大限引き出せる
弊社では、JIS A 5759に適合した高品質なガラス飛散防止フィルムを使用し、経験豊富なプロの施工スタッフが、1件1件丁寧に対応しています。
ガラスフィルム本来の効果をしっかり発揮させるためには、製品の性能だけでなく「貼り方」も非常に重要です。
正しく施工することで、災害時の安全対策や空き巣対策としての効果をしっかりと発揮できます。
よくある質問(FAQ)
市販のガラス飛散防止フィルムでも効果はありますか?
はい、JIS A 5759の規格に適合している製品であれば、一定の飛散防止効果は期待できます。
とくに、ガラスのサイズにぴったり合うように貼られていれば、災害時などにガラスが割れた際の破片の飛び散りを抑える効果が見込めます。
ただし、市販品には厚みや粘着力にばらつきがあるため、「本当にJIS基準を満たしているかどうか」の確認はとても重要です。
また、貼り方によって効果が大きく左右されるため、気泡や浮き、ズレがあると十分な効果が発揮できないこともあります。
不安な場合は、専門業者にご相談いただくのがおすすめです。
100均のガラス飛散防止フィルムは効果ありますか?
100円ショップなどで販売されているガラス飛散防止フィルムは、小さなサイズのものが多く、家具や棚のガラス部分の保護には一定の効果があります。
ただし、窓ガラスの災害対策や安全対策として使用するには、サイズ・厚み・耐久性の面で不十分なことが多く、注意が必要です。
住宅用の本格的な飛散防止対策には、信頼できるメーカーの規格品を選ぶことをおすすめします。
窓ガラスフィルムの耐用年数はどれくらいですか?
一般的に、室内側に貼る「内貼りタイプ」のガラスフィルムであれば、10年〜15年ほどが耐用年数の目安とされています。
ただし、これはあくまでも理想的な環境で使用した場合の参考値です。
設置場所の環境(直射日光の量・湿度・温度差)やフィルムの種類、施工の状態によっては、実際の耐久年数が短くなることもあります。
ガラスフィルムは「目的に合った選び方」が大切です
この記事では、ガラス飛散防止フィルムの本来の役割や、防犯フィルムとの違い・選び方のポイントについて詳しくご紹介しました。
飛散防止フィルムは、地震や台風などの災害時にガラスの破片によるケガを防ぐことを目的としたものであり、防犯フィルムは、空き巣の侵入を物理的に防ぐための強度と構造を備えた製品です。
- 災害時の安全確保が目的であれば → JIS A 5759に適合した飛散防止フィルム
- 空き巣などの防犯対策が目的であれば → CPマーク付きの防犯フィルム
同じ「ガラスフィルム」でも、性能や用途が大きく異なるため、価格だけで選ばず、「何を防ぎたいか」に応じて正しく選ぶことが何より大切です。
その他ガラスフィルム施工にも対応
弊社では、防犯フィルムのほかにも下記のガラスフィルム施工に対応しています。
- ガラス飛散防止フィルム
- プライバシー保護フィルム
- 遮熱フィルム
お見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
ガラスの種類やご希望に合わせて、プロの視点で最適な製品をご提案いたします。
防犯フィルム施工エリア
中部:愛知県・岐阜県・三重県・静岡県
関東:神奈川県・東京都・埼玉県
※この他のエリアも対応可能な場合がありますので、ご希望の方はお問い合わせください。