防犯カメラ移設のポイント
防犯カメラを移動させる移設にはいくつかのポイントがあり、状況や移設後の用途により移設工事の内容が異なります。
また、店舗や工場、オフィス内のレイアウト変更により同じ建物内で移設する場合と、事務所の移転などで別の建物に移動する場合でも工事の内容は変わります。
ここでは、防犯カメラの移設が必要な時、なにに考慮してどう移設工事を行っていくか解説します。
移設を行うのはどんな時?
設置後に防犯カメラの移動が必要な理由は様々ですが、主に下記のようなケースがあります。
- 店舗のレイアウト変更などで死角が生じた時
- 工場の製造設備移動、設備の追加
- 別の場所にカメラが必要になった
- オフィスの移転
特に法人様の場合、設置したカメラは長期的に利用されます。そのため防犯カメラの新設時と状況が変わったり、カメラを使用する目的が変わってくるのは珍しいことではありません。
弊社でも数多く防犯カメラの移設工事を請け負っておりますが、やはり費用が抑えたいというのは根底としてあるかと思います。
防犯カメラの移設工事にも、レイアウト変更により同じ敷地内で行う場合と引っ越しなど、離れた場所へ移設が行うケースがあり、内容により費用もかなり変わります。
同じ敷地内での移設
同じ店舗内で防犯カメラを移設することがあります。特に店舗はレイアウト変更のたびにカメラを移設することもあります。
コンビニなど、ある程度決められたレイアウトで運営されている場合、移設の必要があるケースは少ないのですが、
アパレル店や雑貨屋は季節やキャンペーンによって店内のレイアウトが変わりやすく、防犯カメラの設置後に移設が必要になることが多い傾向にあります。
また、工場では製造機器のレイアウト変更、重機の数が増えた場合などで移設工事を行うことがあります。
弊社でも防犯カメラの移設工事の対応をさせて頂いていますが、なるべく費用はかけたくないというお客様がほとんどです。
移設の費用を抑えるポイントをご紹介します。
同じ建物内で防犯カメラを移設する場合のポイント
移設ではなく増設を視野に入れる
実は、防犯カメラを移設しても増設しても工事費用はほとんど変わらないという場合が多いです。
カメラを増やす場合、本体料金はかかりますがその後もレイアウト変更が多く、移設後に更に移設が必要になる可能性があるのであれば、移設ではなく増設工事を行うほうが長期的に見た時に結果として安い場合もあります。
同じ敷地内でも移設する距離が遠い場合は別システムを組む
工場など敷地の広い場所では1台だけ敷地内の離れた建物にカメラを増やしたいというご要望を頂くこともあります。
防犯カメラの工事では配線工事が必要ですが、配線距離が長くなってしまう場合、別システムでカメラシステムを構築したほうが安くなる場合もあります。
魚眼タイプの防犯カメラを使って画角を広くする
移設したい場所の近くにカメラがついているが、カメラの向きが別の方向を向いている場合、移設はせずに、そのカメラを広角の魚眼タイプに変えることで工事代をほとんどかけずカメラ交換だけで映したい場所を映すことができる可能性もあります。
別の敷地への移設
オフィス・事務所の移転により、全く違う場所に防犯カメラを移設する必要がある場合、取り外しを行う撤去工事と移転先での新規設置工事両方が必要になるため、撤去が必要な分新設工事より費用が高くなることが多いのですが、工夫することで工事費用を安く抑えることができます。
注意点として、全く別の施設への移設となると設計から必要なため、移設が難しい場合もあります。
また、配線を行うケーブル類などの材料も同じように移設しようと思うと、施工が難しくなってしまうため一般的には新しく材料を用意します。
別の敷地へ防犯カメラを移設する場合のポイント
台数の増減・レコーダーのスペックを考えておく
弊社で移設をする場合もできるだけ既存のカメラを使って移設しますが、カメラの台数は増設になることが多いです。
移設が見込まれる場合は、スペックの高い(防犯カメラ収容台数の多い)レコーダーを最初から準備すると良いでしょう。
IPカメラと同軸カメラで配線距離が違う
一般的にLANケーブルで繋がる防犯カメラは単体では基本的に100mまでです。(※機器の追加により延長可能です)
同軸カメラの場合は500mまで配線ができるので、広い工場へ移設の可能性がある場合などは最初から同軸カメラのほうが賢明かもしれません。
導入前に移設の可能性を検討
防犯カメラの導入後、カメラの移動が必要になるケースはよくあります。
移設工事にかかる費用を抑えるためには、新規設置時に移設の可能性も設置業者へ伝えておくことが大切です。
そして、移設工事の対応も可能な設置業者をお選びください。
弊社では様々なメーカーの豊富な機種を取扱っており、お客様の環境に合わせたカメラを販売・設置させて頂いております。
移設の可能性がある場合、移設してもある程度使えるスペックの機種や、移設の必要がある時も対応しやすい形状のカメラをご提案させていただくなど移設の可能性を含んだ設計が可能です。
特に法人様の場合、一度設置した防犯カメラを撤去することは極めて稀で、長期的な運用を考えた設置が必要です。
だからこそ、長く安心して使える防犯カメラのご提供をさせて頂きたいと思っています。
防犯カメラの設置、移設、増設など何でもご相談ください。
この記事の執筆者
兼松 拓也
2006年に、防犯カメラ専門企業である株式会社トリニティーを設立。
防犯カメラの設置は1000ヶ所以上に携わり、現在ではAI・IoTシステムの開発に従事する傍ら、セキュリティコンサルタントとして顧問業務も行う。