熊はなぜ増えたのか?原因と自治体の熊対策についてご紹介
2025年は熊の出没件数が増加しており、人的被害も深刻化しています。
ニュースを見て「なぜこんな場所に熊が?」と感じた人も多いのではないでしょうか。
熊が増えている背景は1つではなく、気候変動・餌不足・人間の生活圏拡大など、複数の要因が絡み合っているとされています。
このページでは、なぜ熊が増えたのか?という疑問について、出没件数や被害状況を解説させていただきます。
この記事でわかること
- 熊の出没件数、被害件数の推移
- 実際の熊被害状況
- 熊が増えている原因
- 熊に出会った際の対処法
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なぜ熊が増えたのか?増加の背景をデータで解説
今年2025年は熊の出没が多発し、社会問題となっています。
なぜ今、熊がこんなに増えたのか?データをもとに背景を解説します。
ここで解説すること
- 過去5年で出没件数が過去最多に
- ツキノワグマ・ヒグマそれぞれの分布と個体数の変化
- 環境省や自治体の統計データから見る被害の推移
過去5年で熊の出没件数が過去最多に
ここ数年、熊の出没件数は大幅に増えています。
令和3年から令和7年に全国で出没した熊の件数は次のとおりです。
| 年 | 出没件数 |
|---|---|
| 令和3年 | 12,743件 |
| 令和4年 | 11,135件 |
| 令和5年 | 24,348件 |
| 令和6年 | 20,513件 |
| 令和7年 (9月30日まで) | 16,016件 |
令和4年から令和5年にかけて倍増し、その後高止まりしています。
また、令和7年は9月30日までの計測でありながら、例年以上のペースで熊が出没しているのが現状です。
ツキノワグマ・ヒグマそれぞれの分布

日本に生息する熊は、ツキノワグマとヒグマの2種類です。
それぞれ生態系が異なり、ツキノワグマは本州以南、ヒグマは北海道に生息しています。
日本列島における熊の分布の特徴
- 北海道にヒグマ、それ以外にツキノワグマが生息している
- 九州は絶滅している
- 四国以外の都道府県で増加している
- 低標高域でも分布が拡大している
- 出没割合は東北で6割
- 全国的に10月に出没件数がピークに達する
日本列島に幅広く熊は生息しており、年々人の生活圏にも出没するようになっています。
環境省の統計データから見る熊被害の推移
熊の出没件数に伴い、人身被害も年々増加しています。
| 年 | 被害人数 | 死亡者数 |
|---|---|---|
| 令和3年 | 88 | 5 |
| 令和4年 | 75 | 2 |
| 令和5年 | 219 | 6 |
| 令和6年 | 85 | 3 |
| 令和7年(9月末) | 108 | 5 |
令和7年は、出没件数のピークとされている10月前に多くの人身被害が出ています。
このように、データを見ると年々熊被害は増加しているため、対策が必須です。
熊が増えた原因は「餌不足」だけではない
熊の出没増加の要因として、餌不足が挙げられますが、それだけが原因ではありません。
ここでは、なぜ熊が増えたのか、考えられている原因を紹介します。
熊はなぜ増えたのか?増加の要因
- ブナやミズナラの凶作による食料危機
- 地球温暖化と気候変動の影響
- 人間の生活圏拡大と森林開発による生息域の変化
- 熊の出没とソーラーパネルの因果関係
ブナやミズナラなどの凶作による食料危機

熊の主要な食料源であるブナやミズナラの実は、年によって収穫量が変動します。
凶作の年には、熊たちは山中で十分な食料を得られません。
たとえば、例年豊作だった地域でブナの実が不作となると、通常は山に留まるはずの熊が、食料を求めて人里の柿や栗、生ゴミなどを漁るようになります。
その結果、飢えを満たすために人里に下りてくるケースが増加するのです。
地球温暖化と気候変動の影響
地球温暖化やそれに伴う気候変動も、熊の行動パターンに影響があるとされています。
冬眠の時期や、食料の収穫も変動するためです。
環境変化による熊の生態への影響
- 暖冬があれば冬眠の期間が短くなる
- 冬眠時期が短ければ食料を調達する必要がある
- 気候変動によって食料の調達量が減少する
このように、地球温暖化と気候変動によって熊の行動パターンが変わってきたことも、熊が増えた原因と考えられます。
人間の生活圏拡大と森林開発による生息域の変化

熊の出没増加は、人間の生活圏が拡大し、熊の生息域が縮小・分断されていることも原因です。
住宅地やリゾート開発、林道整備、太陽光パネル設置などにより、山林の奥深くまで人間の活動が入り込んでいます。
その結果、熊が本来暮らしていた森が狭まり、人間と熊の境界が曖昧になっているのです。
熊の出没とソーラーパネルの因果関係

近年熊の出没が増えている原因として議論されているのが、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設置です。
メガソーラーの建設が進んだ地域で熊の目撃情報が増えたことから、原因の1つとして挙げられるようになりました。
ただ、熊の出没とソーラーパネルの因果関係は証明されていません。あくまで今後研究が進む問題として注目されています。
実際に起こった熊被害
熊の出没は「ニュースで見る遠い話」ではなく、全国各地で実際に人命を奪う深刻な被害が起きています。
ここでは、近年発生した主な熊被害の実例を紹介し、被害の傾向や危険性を具体的に解説させていただきます。
北海道で登山中の男性が熊に襲われる
2025年8月、北海道知床半島の羅臼岳で、登山中の26歳の男性がヒグマに襲われて死亡する事故が発生しました。
男性は友人との2人組で登山していましたが、単独で先行して下山していた際にヒグマに襲われました。
群馬県のスーパーに出没
2025年10月7日夜、群馬県沼田市にあるスーパーにクマ1頭が侵入。
クマは店内に入る前に、駐車場で男性を襲い、店内で別の男性客にも覆いかぶさりました。
このクマに襲われた客2人が負傷しましたが、いずれも軽傷です。
温泉旅館の従業員が襲われる
2025年10月、岩手県で温泉旅館の男性従業員がツキノワグマに襲われて亡くなりました。
男性は、露天風呂清掃中に行方不明となり、現場には熊の体毛が残されていたようです。
その後、現場近くで県警や猟友会などが熊を駆除しています。
自治体が取り組む熊対策と制度の現状
熊の出没増加に対し、自治体も様々な対策を講じています。
この章では、自治体が現在行っている具体的な対策や、関連する制度についてご紹介します。
ここで解説すること
- 緊急銃猟制度とは?
- 地域住民と連携した熊出没マップの整備
- 電気柵や警報装置などの設置支援
- 熊が出没したときの通報先はどこ?
緊急銃猟制度とは?

緊急猟銃制度は、人の日常生活圏にクマやイノシシが出没した場合、一定の条件を満たしたときに、市町村長の判断により銃器を使用した捕獲等ができる制度です。
緊急銃猟を実施するには、4つの条件を満たす必要があります。
緊急銃猟制度の実施条件
- クマやイノシシが人の日常生活圏に侵入していること
- クマやイノシシによる人命または身体への危害を防止するため、緊急に対応が必要であること
- 銃猟以外の方法では的確かつ迅速な捕獲等が困難であること
- 住民や第三者に銃猟による危害を及ぼすおそれがないこと
緊急銃猟制度とは、熊やイノシシが人の日常生活圏に侵入し、緊急対応が必要になった場合、住民の安全を確保しながら、銃器を使用できる制度です。
地域住民と連携した熊出没マップの整備

多くの自治体では、地域住民からの情報提供をもとに「熊出没マップ」を整備しています。
これは、いつ、どこで熊が目撃されたか、どのような被害があったかといった情報を集約し、地図上に可視化するものです。
たとえば、ウェブサイトや公民館などで公開することで、住民は最新の出没状況を把握し、危険な地域を避けるなどの自己防衛に役立てられます。
熊出没マップを通じて、地域全体で熊への注意を喚起し、情報共有を促進するための重要なツールとなっています。
電気柵や警報装置などの設置支援
熊の侵入を防ぐために、自治体によっては電気柵や警報装置の設置を支援する補助制度を導入しています。
| 設置している市 | 詳細 |
|---|---|
| 札幌市 | 家庭用電気柵の購入の補助及び無償貸出し |
| 北秋田市 | 野生獣による農作物被害、森林被害及び人的被害等を防止するため、電気柵等の設置にかかる費用の一部を助成 |
【出典】
札幌市「家庭菜園用電気柵の購入補助・貸出しについて」
北秋田市「獣害防止対策事業」
このように、熊被害が多い市町村の自治体では、電気柵や警報装置への設置支援を行っている場合があります。
熊が出没したときの通報先はどこ?
熊を目撃したり、住宅地の近くで出没を確認した場合は、すぐに自治体または警察へ通報することが基本です。
自分で追い払おうとすると、かえって危険を招くおそれがあります。
熊が出没した時の通報先
- 熊の目撃(人身被害なし):市町村役場・環境課
- 熊が人に接近・危険を感じる場合:警察(110)
- 熊が人を襲った・けが人あり:警察(110)
通報の際は、日時、場所、熊の種類、大きさ、行動などの情報を出来る限り具体的に伝えるように心がけてください。
ただし、確認のために近づくようなことは危険ですので、絶対にやめましょう。
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熊検知AIとは、屋外へ設置したAIカメラが熊を検知し、すぐにスマートフォンへ通知をするカメラシステムです。
その場にいなくても、リアルタイムで熊の出没を知ることができ、迅速な対応が可能となります。
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工事不要の簡易設置型なので、大規模な工事もなく取り付けられます。
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熊が出没した場合、周辺住民への注意喚起が重要です。その際、役立つのが熊検知AIです。
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熊に遭遇したときの正しい行動とNG行動
万が一、熊と遭遇してしまった場合、適切な行動をとることが自身の身を守る上で最も重要です。
この章では、熊に遭遇した際の正しい行動と、絶対に避けるべきNG行動について解説します。
ここで解説すること
- 熊に遭遇したときの基本行動(音・距離・逃げ方)
- 「鈴」「ラジオ」は逆効果になるケースも?
- 熊撃退スプレーの正しい使い方
熊に遭遇したときの基本行動(音・距離・逃げ方)
熊に出会ってしまったら、まずは落ち着いて行動することが重要です。
基本的な行動として、以下の点を覚えておきましょう。
熊に遭遇した時の基本的な行動
| 基本行動 | 注意点 |
|---|---|
| 音を立てる | 静かに語りかけながら後退する 大声で叫ぶと熊を刺激するのでNG |
| 距離をとる | 熊との距離をゆっくりと広げる 背中を見せて慌てて逃げるのはNG 熊は逃げるものを追いかける習性がある |
| 逃げ方 | 熊が襲ってきた場合は、頭や首などの急所を守るように うつ伏せになり、両腕で頭を覆って防御姿勢をとる |
熊に遭遇した際は「逃げる」ではなく「離れる」が鉄則です。
落ち着いて距離を保ち、熊が自ら立ち去るのを待つことが、安全な対応といえるでしょう。
「鈴」「ラジオ」は逆効果になるケースも?

本来熊は、人を避ける傾向があるため、熊鈴やラジオは熊よけの定番とされています。
しかし、状況によっては逆効果になる場合があるため、注意しましょう。
熊の性格や環境によって、音が人の存在を知らせる合図ではなく、興味を引く音になることがあります。
たとえば、登山客の餌付けやゴミの不法投棄により、熊は人間がおいしい食事を持っていると認識してしまうなどです。
そのため、定番だからと鈴とラジオを持っていくのではなく、地元自治体が発表している出没情報を気にする必要があります。
熊撃退スプレーの正しい使い方
熊撃退スプレーは、最終手段として効果的な防御ツールですが、正しい使い方を知らないと危険を回避できません。
扱い方を事前に理解しておくことが重要です。
スプレーは熊に直接ダメージを与えるものではなく、目や鼻を刺激して一時的に行動を止めるための道具です。
噴射距離や風向きを誤ると、自分にかかってしまい視界を奪われる危険もあります。
熊撃退スプレーの使い方
- 熊との距離が5〜10メートル以内になったら使用
- 風上に立たない(風下から噴射する)
- 腰の位置にホルスターで携帯し、すぐ取り出せるようにする
- 練習用スプレーで事前に使用感を確認しておく
熊撃退スプレーは最後の手段であり、あくまでも自己防衛のための道具です。
使用法を事前に確認し、定期的に点検しておきましょう。
人を恐れない熊が増えている理由
近年、「アーバンベア」と呼ばれる、人を恐れない熊が増加していると指摘されています。
なぜ、このような熊が増えているのでしょうか。
この章では、その背景にある理由を詳しく解説します。
人里で食べ物を得られると覚えた
熊が人を恐れなくなる理由の1つは、人里で簡単に食べ物を得られることを学習してしまったことです。
一度人里で生ゴミや畑の作物、果樹などの味を覚えてしまうと、山中で苦労して餌を探すよりも、人里で手軽に食料を手に入れられると認識してしまいます。
結果として、熊は人里への出没を繰り返すようになり、人間を警戒する気持ちが薄れていきます。
人を襲えば肉が食べられると学習した
ごく稀なケースではありますが、熊が人を襲うことで肉が得られると学習してしまう可能性も指摘されています。
これは、一度でも人を襲って捕食した経験のある個体や、人肉の味を覚えてしまった個体に見られる行動です。
狩猟者・ハンターの減少
狩猟者(ハンター)の減少も、熊が人を恐れなくなる一因として挙げられます。
かつて、適度な狩猟圧があった時代には、熊は人間を「危険な存在」と認識し、自然と距離を保っていました。
しかし、高齢化や後継者不足によりハンターの数が減少し、狩猟圧が低下すると、熊は人間への警戒心を薄めていきます。
熊にとって人間が必ずしも脅威ではなくなったという認識に繋がったことが、人を恐れない熊の増加に繋がっていると考えられます。
アーバンベア化する熊の行動パターンとは?

「アーバンベア」とは、都市部に頻繁に出没する熊のことです。
これらの熊は、通常の野生の熊とは異なる行動パターンを示します。
アーバンベアの行動パターン
- ゴミ集積所の収集時間を覚え、時間帯を狙って出没
- 街灯や人の多いエリアを避け、深夜に移動
- 民家近くの畑や果樹園を定期的に巡回
人間の生活環境に適応した熊も増えています。
山に帰らず、そのまま人里で見つからずに繁殖を迎える熊もいるようです。
年々増加する熊に対応するためには、なるべく早く発見、周知する必要があります。
熊を検知し、即通知できる「熊検知AI」の導入をぜひご検討ください。
熊被害に関するよくある質問
最後によくある質問を紹介します。
- なぜ熊が増えているんですか?
-
熊が増えている主な理由として、ブナやミズナラの凶作による食料不足、地球温暖化による冬眠期間の変化、そして人間の生活圏拡大による生息地の減少が挙げられます。
これらの要因が絡み合い、熊が人里へ出没する機会が増えています。
- 日本で1番クマが出る県はどこですか?
-
環境省のデータによると、クマの出没件数が最も多い県は岩手県で、人的被害が最も多い県は秋田県です。
- 日本に熊がいない県はどこですか?
-
日本で野生の熊がいない県は、本州では千葉県のみです。
九州や四国の一部の地域でもクマが絶滅または絶滅の危機に瀕しているとされています。
熊被害を防ぐために背景を知っておこう
近年、熊の出没増加は、私たちの生活を脅かす深刻な問題となっています。
熊がなぜ増えたのか?背景は餌不足だけでなく、気候変動や人間の生活圏拡大などさまざまです。
この現状を正しく認識し、適切な対策を講じることで、熊との共存を図りながら、安心して生活できる環境を守っていく必要があります。
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