街頭防犯カメラの保存期間について
街頭防犯カメラで撮影した映像の保存期間についてまとめたページです。
街頭防犯カメラは街中で見かけることも珍しくなくなりました。
弊社でも、子ども会や商店会など地域の安全を守るために活動されているお客様から、街頭防犯カメラの導入依頼をいただく機会が年々増えています。
街頭防犯カメラを導入する際、保存期間をどのように設定したらいいのか迷われるお客様は多いです。本ページで街頭防犯カメラの保存期間について一般的な内容をまとめました。
街頭防犯カメラの導入を検討されている方は是非ご参照ください。
街頭防犯カメラとは
まずはじめに街頭防犯カメラについて概要をまとめます。
街頭防犯カメラとは、警察、市などの行政団体、商店街の組合やPTAといった自治組織によって、繁華街や公道などの公共空間に取付けられる防犯カメラです。
犯罪の発生率が高い繁華街や、人通りが少なく犯罪発生リスクのある街路、子どもたちが登下校で通る通学路の安全性を高めるために設置されます。
街頭防犯カメラを取付けることで、犯罪を未然に防ぐ抑止効果が期待でき、また、万が一犯罪が発生してしまった際にも街頭防犯カメラの録画映像を事件解決に役立てられます。
また、街頭防犯カメラがあると公表することで、風俗環境の浄化やマナーの向上といった効果も期待できます。
街頭防犯カメラの主な設置場所
街頭防犯カメラは、行政、地域の組合などの自治組織からの依頼により取り付けます。
設置場所としてよく見られるのは下記の通りです。
- 商店街
- 通学路
- 公園
- 道路
- 屋外施設
街頭防犯カメラで撮影した映像の保存期間
街頭防犯カメラは公共空間の安全を守るという性質上、不特定多数の人々を撮影します。街頭防犯カメラの導入時には、私有地が撮影範囲に入り込まないよう黒塗りをしたり画角や角度の調整をしたりと配慮されます。それでも、プライバシーへの配慮は怠れません。
公共の防犯性を高めるために取り付ける街頭防犯カメラが、街頭防犯カメラの撮影映像によって個々人のプライバシーを侵害してしまうことがないよう、街頭防犯カメラはガイドラインによって映像の保存期間が設定されています。
街頭防犯カメラの保存期間は自治体ごとで決められている
街頭防犯カメラはガイドラインにより撮影映像の保存期間が設定されています。そしてガイドラインは、それぞれの自治体ごとに決められています。
例えば愛知県では、街頭防犯カメラの画像の保存期間は「画像の保存期間は、設置目的を達成する範囲内で、必要最小限度の期間(最大1か月)とします。 」と設定されています。
また横浜市では「保存期間は短期間とするものとし、おおむね1箇月以内で必要な保存期間を決め、不必要な画像データの保存は行わない」と定められています。
警視庁では、街頭防犯カメラシステムの運用方法の中で「警視庁本部においてサーバに録画され、厳格な管理のもと最大30日間保存されています。
保存期間が過ぎた映像データは自動的に上書きされ、消去されます」と記しています。(※)
愛知県ホームページ「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」
横浜市ホームページ「横浜市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」
警視庁ホームページ「街頭防犯カメラシステム」より
頭防犯カメラの保存期間:例外
街頭防犯カメラ映像の保存期間はどこの自治体もだいたい1箇月以内の必要最小限の期間と定めていますが、保存期間の延長が認められる例外もあります。
犯罪・事故の捜査のため証拠映像として提出が求められた場合、その他、特別な事情により保存期間の延長を申請して認められた場合です。
特別な事情の範囲や保存期間の延長が認められるか否かはガイドラインを策定している各自治体ごとに異なるため、都度、ご自身の活動範囲を管轄している自治体へお問い合わせください。
街頭防犯カメラ映像の保存期間を自治体が定める理由は?
多くの自治体がガイドラインで街頭防犯カメラが撮影した映像の保存期間を定めています。
なぜ映像の保存期間を自治体が定める必要があるのでしょうか。
街頭防犯カメラの映像保存方法とともにまとめます。
街頭防犯カメラの映像保存方法
街頭防犯カメラの映像保存方法には、記録装置を使って現場で保存する方法と、インターネットにつないで遠隔で保存する方法、大きく分けて2種類あります。
記録装置を使う場合には、さらに、街頭防犯カメラとは別にHDD(ハードディスクドライブ)を用意し両社を配線でつなぐ方法と、SDカードを街頭防犯カメラに差し込む方法の2つがあります。
SDカード録画なら防犯カメラとレコーダーを繋ぐための配線工事がいらないというメリットはあるものの、録画データを保存できる容量や、設置後にメンテナンスが必要になる頻度などの関係から、HDDレコーダーを使った録画方式をとるほうが人気がある傾向があります。
街頭防犯カメラの録画映像が警察で管理されるケースも
街頭防犯カメラをネットワークにつなぎ、街頭防犯カメラ映像をクラウド上遠隔で保存・管理している自治体もあります。東京都では街頭防犯カメラで撮影した映像は警視庁本部のサーバに録画され最大30日間保存すると公表されています。
街頭防犯カメラの保存期間が設定されている理由
街頭防犯カメラの保存期間は多くの自治体が1ヶ月以内かつ必要最小限の期間と定めています。
画像データの漏洩や流出等で一般の方々のプライバシーが侵害されることのないよう、最小限の期間とするよう注意書きしている自治体が多く見られます。
例:
静岡市「街頭防犯カメラの設置及び運用に 関するガイドライン」
「 (2) 画像データの保存期間
画像データの漏えい、滅失、棄損、流出、改ざん等の防止その他安全管理を徹底するため、保存期間は、原則としておおむね1箇月以内で必要な期間を定め、不必要な画像データの保存は行わない。」
街頭防犯カメラの保存期間を各自治体が設定するのは、映像が流出・漏洩・悪用されるリスクを極力減らしたいためです。
街頭防犯カメラ不特定多数の方が撮影されることもあり、プライバシーへの配慮を特に慎重に行わなくてはいけません。
そのため、映像データは最低限必要な期間だけ保管することでリスクを減らせるよう対策をとっています。
防犯対策、また、事件や事故が起こった際の証拠映像として必要とされる録画保存期間と、映像データの漏洩によるリスクを減らすための保存期間、それぞれのバランスをとった最適な期間が、多くの自治体で最大1箇月と設定されているといえます。
なお、街頭防犯カメラを導入する際には、街頭防犯カメラの保存期間と同様に責任者の設置や街頭防犯カメラの存在を周知するポスターの掲示がガイドラインに定められている場合も少なくありません。街頭防犯カメラを設置する場所を管轄する自治体の仕様規定などをよくご確認の上、規定に沿って街頭防犯カメラシステムを導入するようにしてください。
(参考)
街頭防犯カメラ導入に補助金を活用する場合
公共の安全を守るという性質から、街頭防犯カメラ導入に対して多くの自治体が補助金を整備しています。街頭防犯カメラ導入の補助金内容は自治体ごとに異なります。また、年度ごとでも改定されるため、補助金活用を検討される際には該当する自治体の情報をこまめに確認するようにしてください。
自治体の活用から見る
街頭防犯カメラ活用と映像の保存期間の例
街頭防犯カメラを積極的に活用している自治体の例から、実際に街頭防犯カメラがどれくらいの保存期間でどのように運用されているのかをご紹介します。
街頭防犯カメラ活用と映像の保存期間の例:1
警視庁が運営する街頭防犯カメラシステム
警視庁では平成14年新宿区歌舞伎町地区への導入を皮切りに、街頭防犯カメラシステムの導入を拡げてきました。繁華街等、特に犯罪の発生する蓋然性が高いエリアの公共空間に街頭防犯カメラを設置し、撮影した映像を常時モニター画面に映し出し、録画しています。
導入している街頭防犯カメラの台数も多く、例えば、歌舞伎町地区には計55台の街頭防犯カメラが設置され、それぞれの映像データは新宿警察署及び警視庁本部でモニタリングされています。
街頭防犯カメラシステムの活用は実際効果を発揮しており、公表によると、令和元年中に685件の映像データを警察署長に提供し、うち466件が検挙活動・事案の立件・解決等に活用されたとのことです。
なお、街頭防犯カメラシステムの映像の保存期間は最大30日、保存期間が過ぎた映像データは自動的に上書き・消去されています。
参考:警視庁「街頭防犯カメラシステム」街頭防犯カメラ活用と映像の保存期間の例:2
千葉県警が運営する街頭防犯カメラネットワークシステム
千葉県警察では平成30年12月から千葉県内の主要駅周辺に街頭防犯カメラを導入しています。第1期には50台、令和2年7月の第2期にはさらに70台の防犯カメラが運用を開始しました。
千葉県が運営する街頭防犯カメラの映像データ保存期間は7日間で、自動的に消去されるよう設定されています。保存期間は比較的短いですが、「行方不明者の捜索」「暴行・傷害事件」「窃盗事件」「道路交通法違反事件」などに街頭防犯カメラが役立てられているとのことです。
参考:千葉県警察ホームページ「街頭防犯カメラネットワークシステムについて」街頭防犯カメラの保存期間
まとめ
街頭防犯カメラの保存期間についてご紹介しました。
街頭防犯カメラは公共の安全を確保するという目的から、街頭防犯カメラを取付けることによる防犯性と併せて、街頭防犯カメラが人々のプライバシーを侵害することがないよう配慮されている防犯システムです。
街頭防犯カメラで撮影した映像の保存期間が長ければ長いほどデータの流出や悪用などのリスクが高まるため、各自治体は、保存期間をできるだけ短く設定するようガイドラインでよびかけています。
具体的な保存期間は自治体ごとに異なりますが、相対的に、長くて保存期間1箇月、それよりも短期間であればあるほどいいとされています。
自治体によってはそもそも保存期間を7日間と設定しているところもあります
保存期間は設置する環境ごとに調整されているものと思われ、どの場所においても、街頭防犯カメラは、窃盗、行方不明者の捜索、暴行等に役立てられているようです。
街頭防犯カメラの導入を考えられる際には、ご自身の活動地域の自治体が公表しているガイドラインに即して保存期間を設定するとともに、その保存期間の中でもさらに短期間で用が足りるのかどうかなどをよくご検討ください。
防犯カメラセンターではこれまでの経験を生かして街頭防犯カメラ導入時の保存期間の設定についてもアドバイスさせていただきます。ご不明点灯がございましたらお気軽にご連絡ください。
よくあるご質問
変わる場合と変わらない場合があります。特別に長くする場合はHDDの増設が必要になり、別途数万円のコストがかかります。
可能です。状況によりおすすめする録画保存期間が変わりますので、一度ご相談ください。
パスワード設定などでしっかりと管理すれば問題ありませんが、しいて挙げるとすると映像に残された個人情報などの管理が必要になります。