福祉施設の防犯カメラ設置はプライバシーに配慮を
社会福祉施設には種類があり、高齢者向けの老人福祉施設、障害者支援施設、生活保護施設、児童福祉施設、婦人保護施設などいくつかに分けられ、それぞれ対象者や受けられるサービスの内容が異なります。
福祉施設から防犯カメラ・監視カメラの設置についてご相談いただくことは多く、施設の防犯対策から従業員監視、利用者の安全管理など施設運営をより効率的にするツールとしても利用されています。
福祉施設で防犯カメラ・監視カメラを設置する場合、撮影対象となる利用者や職員のプライバシーを侵害しないための設置をすることが大切です。
このページでは福祉施設で防犯カメラ導入をお考えの方に向けて、プライバシーに配慮した防犯カメラ設置について紹介します。
福祉施設への防犯カメラ 設置前に必要な準備
設置する目的は特定人物の監視ではなく防犯対策
「防犯カメラ」「監視カメラ」どちらにしろ同じように施設内に設置して定点を撮影・記録することに変わりはなく、利用されるカメラの機種も変わりません。利用される目的や場所によって「防犯カメラ」と呼ばれることもあれば「監視カメラ」と呼ばれることもあります。
カメラの呼び方はさほど問題あるものではないですが、基本的に福祉施設でカメラを特定の人物を監視するために使うことはプライバシーの侵害になる可能性が高く、あくまでも「防犯対策」「トラブル防止」を目的とした防犯カメラの設置であるべきです。
正当な理由なく特定の職員、利用者を監視するために監視カメラを設置するのではなく、防犯対策として出入り口や施設内の廊下、事務所など複数人が共有利用する場所で設置をするのであれば問題ありません。
福祉施設に防犯カメラを設置する際は、設置前に設置する目的を明確にし、関係者間で共有することが大切です。
また、設置前に職員、利用者、ご家族などに設置する旨とその目的を伝えておくことで設置後のトラブルを防止することができます。
防犯カメラを運用する利用規則を作成
法人・公共の方が防犯カメラを設置する場合、録画した映像データの保管、消去などの管理や映像開示にするルールなどの運用規定を決めておくことが大切です。
福祉施設内で防犯カメラを設置することは違法でもなく、どちらかといえば防犯対策として推奨される傾向にあります。
防がなければいけないのは防犯カメラの録画データが第三者に開示されたり、映像が流出してしまうといったトラブルです。
適切なパスワードを作成する、管理者を取り決めるなど、最適な運用を行うための運用規則を決めるガイドラインを作成しましょう。
弊社では防犯カメラの運用規定を策定するお手伝いもさせて頂いておりますのでお気軽にご相談ください。
プライバシー侵害にならない防犯カメラの設置場所とは?
福祉施設内で防犯カメラを設置するために国や県に許可をとるようなことは不要ですが、違法にならない設置場所、画角であることは必要です。
福祉施設内で防犯カメラが設置される場所、例外を除き設置してはいけない場所は以下のようなものが挙げられます。
福祉施設で防犯カメラが設置される場所
- 出入り口
- 職員の死角となる共有部分(廊下や階段など)
- 駐車場
- エレベーター
防犯カメラを設置しない場所
- 利用者の居室・個室
- トイレの中
- 浴室
中には例外として利用者の命を守るためにトイレや浴室内、居室に防犯カメラを設置する場合もありますが(参考記事:
介護の現場でトイレ・お風呂に防犯カメラを設置)、基本的には極めてプライベートな空間である居室やトイレ、浴室などに防犯カメラが設置されることはありません。
福祉施設では職員の目が届きにくい場所のカバー、施設内の虐待・暴力防止、利用者の徘徊防止などで役立てられる場所、画角に設置されます。また、必要に応じて集音マイクを設置し音声も録音して職員と利用者の会話内に虐待が予想されるようなやり取りがないか記録されることもあります。
居室内でカメラを設置するのは違法なのか?
介護施設の居室では、利用者のプライバシーに触れる恐れがあるため基本的に防犯カメラが設置されることはありませんが、中には利用者の家族がニュースで流れる事件を見て虐待の心配をすることもあり、カメラの設置を希望することもあります。
この場合、弊社では工事不要でコンセントに挿すだけで設置が完了する見守りカメラの提供が可能です。
防犯カメラを設置する場合、工事の上壁や天井へ配置することになり撤去をするにも工事が必要ですが、見守りカメラなら設置したい場所に置くだけでスマホでリアルタイムで確認ができるので手軽に見守りができ安心です。
※必ず設置前に福祉施設の方に設置の許可をとるようにしてください。
福祉施設での防犯カメラ運用 注意点
防犯カメラの設置後は、現場に合わせた最適な方法で運用・管理をしていくことが映像に残る職員や利用者のプライバシーを守るために重要です。
決められた運用規則に則って運用をしていけば問題はありませんが、特に注意したいのが録画された映像データの取り扱いです。
福祉施設で防犯カメラを、職員や利用者のプライバシーに配慮して適切に運用するために注意するべきことをいくつか紹介します。
録画映像の保存期間はどれぐらいが良い?
防犯カメラを設置する目的にもよりますが、福祉施設では2週間~1ヶ月程度前後、録画映像を保存することが多いです。
長期録画を希望されるケースもありますが、福祉施設の場合、最も防ぎたいリスクは施設内の虐待や事故など、比較的発覚が早く、プライバシーの観点からあまりにも長い期間映像を保存しておくことにリスクを感じられる方も多いため、平均してこれぐらいの期間を希望されます。
パスワードの管理に注意
防犯カメラの映像には職員の外見など個人情報となる情報が含まれ、映像データを閲覧するためのパスワードを設定します。
これが複雑であればあるほど第三者に知られる可能性は低減されますが、管理ができなくなってしまうほど複雑にしてしまっては本末転倒です。
英数字や記号を合わせた予想されにくいパスワードを設定し、管理者間でしっかり管理をしましょう。
また、定期的にパスワードを変更することをおすすめします。
スマホで映像確認?遠隔管理?映像の閲覧・管理方法
福祉施設では事務所などにモニターを設置して各箇所の防犯カメラ映像を確認できるようにすることが多いですが、最近では防犯カメラを設置する際、スマートフォンを使った遠隔監視システムを希望するお客様も多くいます。この場合、もちろん遠隔での閲覧にもパスワードが必要です。
責任者だけがスマホを使った遠隔監視ができるようにするのか、職員の複数名がアクセス可能にするのか、この場合パスワードは統一なのか、など、関係者の閲覧権限に関しても決めておいたほうが良いでしょう。
状況によっては職員が第三者にスマホの映像を見せてしまって情報が流出ということも考えられます。
便利なスマホを使った遠隔監視も状況に合わせて最適な方法で利用することが必要です。
福祉施設での防犯カメラの設置はお任せください
このページでは福祉施設において、職員や利用者のプライバシーを侵害しないための防犯カメラ運用についてご紹介しました。
防犯カメラの設置の専門業者である防犯カメラセンターでは、防犯カメラの機器選びから販売、設置工事、修理メンテナンスまで一貫してご依頼いただくことができます。
福祉施設で防犯カメラは防犯対策、事故・トラブル防止、職員による虐待や、これを疑う家族とのトラブル防止など様々なことに役立ちます。
プライバシーを侵害しないための設置場所や画角、運用方法のこともアドバイスさせて頂きます。
初めての防犯カメラ導入からリニューアル、増設、移設などお気軽にご相談ください。