【置き配が標準化】盗難は自己責任?
泣き寝入りしないための防犯対策とは
置き配とは、玄関前や宅配ボックスなど指定した場所に荷物を届けてもらう受け取り方法です。
とても便利ですが、盗難のリスクもあります。
最近では置き配が標準になりつつあり、盗難トラブルも増えているのが現実です。
この記事では、置き配の盗難対策について解説します。
また、盗難に遭った際の補償の有無や手続き方法、防犯カメラなどによる証拠の重要性についても詳しく紹介します。
「荷物が届いたはずなのに見当たらない」「盗まれたとき、どうすればいいの?」とお悩みの方も、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ今「置き配」が標準化されるのか?
置き配とは、玄関前や宅配ボックスなど、あらかじめ指定した場所に荷物を置いてもらう受け取り方法です。
家にいなくても荷物を受け取れる便利さから、多くの方が利用するようになりました。
最近では、この置き配が「標準の配達方法」として広がりつつあります。
では、なぜ今、置き配の標準化が進んでいるのでしょうか?その主な理由をご紹介します。
再配達の増加と物流の逼迫
不在による再配達が増えると、配達ドライバーの仕事量が増え、時間や人手が足りなくなってしまいます。
国は、こうした課題を解消するため、再配達率を6%まで下げることを目標としていましたが、2025年4月時点での再配達率は9.5%となり、目標には届きませんでした。
このような背景から、国土交通省は、宅配業者がよりスムーズに「置き配」を行えるよう、約款(サービスのルール)の見直しを進める方針を示しています。
今後は、置き配がより標準的な受け取り方法として普及していくことが予想されます。
宅配事業者が「置き配」しやすくなるよう 約款見直しへ 国交省ECサイトの普及と荷物量の増加
インターネット通販の利用が当たり前となった今、ECサイトの利用者数は年々増え続けています。
それに伴い、配送される荷物の量も大きく増加しました。
とくにコロナ禍以降、自宅にいながら買い物ができる便利さから、日用品から食品、医薬品までネット注文する人が急増しました。
この傾向は今も続いており、配送現場には大きな負担となっています。
ECサイトの普及と配送量の増加は、置き配を標準化せざるを得ない流れを加速させているのです。
標準化はいつから?利用者への影響は?
置き配が「標準の配達方法」になる動きは、2025年6月に本格的に始まりました。
現時点では、明確な施行日や法的義務が定められているわけではありませんが、今後は「とくに希望がなければ置き配で配達する」というスタイルが、ECサイトや宅配便の基本になっていくとみられています。
手渡し希望には追加料金の可能性も
現在検討されている案として、手渡しでの受け取りを希望する場合に追加料金が発生する可能性があります
今まで無料だった受け取り方法に差がつくようになるかもしれず、利用者にとっても大きな変化と言えるでしょう。
置き配の「置き場所」次第でトラブルのリスクが高まる
置き配では、「どこに荷物を置いてもらうか」によって盗難や破損といったトラブルが発生する可能性があります。
たとえば、次のようなケースが実際に報告されています。
- 屋根のない場所に置かれ、雨で段ボールが濡れて中身が破損していた
- まったく別の家に誤って置かれていた
- 玄関前に置かれた荷物が盗まれてしまった
今後、置き配が当たり前になっていく中で、自宅の環境に合った安全で見えにくい置き場所を事前に考えておくことが大切です。
置き配盗難が急増中?実際の被害事例も
置き配サービスの利用が広がる中で、置き配された荷物の盗難被害も増加しています。
SNSでの報告やニュースで取り上げられるケースも目立ってきました。
実際、東京都消費生活総合センターによると、置き配の盗難や紛失に関する相談件数は年々増加しています。
- 2019年度:38件
- 2023年度(3月までの時点):105件
わずか4年で、約2.7倍に増えていることがわかります。
これは、置き配が普及する一方で、防犯対策や受け取り環境の整備が追いついていない現状を示しています。
実際にあった盗難事例
兵庫県姫路市での事例(2025年)
兵庫県姫路市で、玄関先に置かれていた荷物が盗まれる事件が発生しました。
被害者は、配達完了の通知を受け取った後、荷物を取り込む前に盗まれてしまったと報告しています。
盗まれた荷物の中には、韓国のりが入っていたとのことです。
参考:玄関の置き配盗んだ疑い、女子中学生逮捕 「はずれやった」中身は…愛知県尾張旭市での事例
2024年4月、愛知県尾張旭市の集合住宅で、玄関先に置かれていた段ボール箱が盗まれる事件がありました。
荷物を装った「おとり」を設置し、犯人を特定しました。
その結果、無職の女性が窃盗の疑いで逮捕されました。
参考:“おとりの荷物”で逮捕者も…『置き配』普及で盗難や紛失等が年々増加 専門家が推奨する「アピール防犯」とはこれらの事例からもわかるように、置き配された荷物は盗まれるリスクがあるということが見えてきます。
安心して受け取るためには、置き場所を工夫したり、防犯対策をしておくことが大切です。
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置き配で盗難されたら誰が責任を負うのか?
置き配された荷物が盗まれてしまった場合、「誰の責任になるのか?」と不安に感じる方も多いと思います。
一般的には、配達が完了した時点で「受け取り済み」とみなされるケースが多く、その後に起きた盗難については、利用者側の責任とされる可能性があるようです。
ただし、たとえば以下のようなケースでは、配送業者側の責任が問われることもあります。
- 利用者が置き配を希望していなかったのに、無断で置かれてしまった場合
- 指定した場所以外に置かれた場合
このように、状況によって判断が分かれるため、一概に「誰の責任」とは言いきれないのが現状です。
気になる場合は、配送業者や購入先のECサイトに事情を伝えて相談してみることをおすすめします。
泣き寝入りは避けたい!置き配盗難時の正しい対処と準備すべき証拠
置き配された荷物を勝手に持ち去る行為は、窃盗罪にあたる可能性がある、れっきとした犯罪行為です。
しかし、現実的には「盗まれたことを証明するのが難しい」ことが理由で、泣き寝入りするケースも少なくありません。
なぜ泣き寝入りが多いのか?
置き配された荷物は、玄関先に置かれた時点で「配達完了」とみなされるため、その後に盗難などのトラブルが起きても、配送業者の責任範囲外とされるケースがほとんどです。
さらに、
- 盗まれた瞬間を見ていない/証拠がない
- 「たまたま紛失したのでは?」と判断されてしまうことがある
といった理由から、警察や業者がすぐに対応するのが難しいという現実もあります。
こうした事情が重なり、盗まれても対応してもらえず、そのまま泣き寝入りになってしまう人が多いのが現状です。
警察に相談する前に準備しておきたい情報
万が一の事態に備えて、以下のような情報や証拠をできるだけ記録・保存しておくことが大切です。
盗難時にあると役立つ情報
- 防犯カメラの録画映像(玄関前や集合玄関など)
- 配送完了の通知(メールやアプリ)
- 近所の目撃情報があればメモしておく
盗難に気づいたら、まずは配送業者や購入したサイトに連絡し、状況を説明しましょう。
場合によっては補償を受けられることもありますし、警察への相談も選択肢のひとつです。
泣き寝入りしないためには、「何が起きたかを自分でも説明できる状態」を作っておくことがポイントです。
被害に気づいたらやるべきこと
置き配された荷物が見当たらない、「もしかして盗まれた?」と感じたときは、まずは落ち着いて、次のような手順で対応しましょう。
- 配送業者や購入先に連絡し、配達状況を確認する
- 配達完了通知の時刻や配達員の記録、写真付き通知がある場合はあわせて確認しましょう。
- 状況を整理し、証拠があれば警察に相談する
- 防犯カメラの映像や配達通知など、客観的な情報がそろっていれば、警察にも相談しやすくなります。
- 補償制度の有無を確認する
- 配送業者やECサイトによっては、一定の条件下で補償を受けられるケースもあります。対応方針や補償内容について、事前に確認しておくと安心です。
「盗難かもしれない」と感じた時点で、すぐに荷物周辺を写真で記録する・通知画面を保存するなど、冷静に対応しておくと後からの対応がスムーズです。
泣き寝入りを防ぐ!置き配盗難対策で今すぐ始めるべきこと
置き配の盗難を防ぐためには、「置きっぱなしにしない工夫」がとても大切です。
ここでは、置き配の盗難対策に効果的な防止策をご紹介します。
宅配ボックスの設置
盗難対策としてまずおすすめなのが、宅配ボックスの活用です。
宅配ボックスは、荷物を中に入れたあと施錠される仕組みになっており、配達された荷物を外から見えない状態で保管できます。
そのため、盗難リスクを大きく下げることができます。
設置場所が限られる場合でも、玄関の脇や自転車の陰など、人目につきにくい場所に設置するだけでも効果的です。
通販をよく利用する方や、日中不在が多いご家庭には、まず取り入れたい盗難対策のひとつです。
こんな方におすすめ
- 通販サイトでよく買い物をする方
- 日中は家にいないことが多い方
- 配達される荷物の管理が気になる方
防犯カメラの設置
玄関先に防犯カメラを設置することで、置き配の様子を映像で記録しておけるようになります。
最近のカメラはスマートフォンと連携できるものも多く、リアルタイムで映像を確認したり、あとから録画を見返すことも可能です。
目に見える場所に設置しておくだけでも、「見られているかも」という意識を与え、盗難の抑止効果が期待できます。
こんな方におすすめ
- 置き配の盗難をしっかり防ぎたい方
- 万が一に備えて証拠を残せるようにしておきたい方
- 置き配だけでなく日常の防犯対策も兼ねたい方
なお、弊社では防犯カメラの設置について、戸建て住宅はもちろん、マンションやアパートの管理会社・管理組合からも、共用部での置き配対策としてご相談をいただいております。
戸建て・集合住宅を問わずご提案可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
配送先の変更をする
盗難が心配な場合は、そもそも自宅に置き配されないように、配送先を変更するのも有効な対策のひとつです。
たとえば、次のような選択肢があります。
- 職場を配送先に指定する(職場のルールによっては事前の許可が必要)
- 家族や近所の在宅者宛てに送る(事前に了承を得る必要あり)
- コンビニ受け取りや宅配ロッカーを利用する
多くのECサイトや配送アプリでは、注文時やマイページから配送先を変更することができます。
「どうしても玄関前の置き配が不安…」という方は、こうした選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
こんな方におすすめ
- 荷物を受け取る時間帯にほとんど在宅できない方
- 宅配ボックスや防犯カメラを設置できない環境の方
- 過去に置き配でトラブルや盗難にあった経験がある方
ECサイトでの置き配オプトアウト設定
置き配が標準になりつつある中で、「どうしても玄関前に置かれるのは不安…」という方にとって、あらかじめ置き配を「しない」設定(オプトアウト)をしておくことも、ひとつの選択肢です。
ECサイトによっては、注文時やマイページで「置き配を希望しない」設定ができる場合があります。
ただし、今後は標準化が進むにつれて、設定の自由度が減っていく可能性もあるため、早めの確認がおすすめです。
こんな方におすすめ
- 玄関前に荷物を置かれること自体に抵抗がある方
- 日常的に在宅で、対面で受け取りたい方
- 荷物の内容が高額・重要で、確実に受け取りたい方
置き配の盗難対策に「防犯カメラ」が選ばれる3つの理由
置き配での盗難を防ぐ方法はいくつかありますが、防犯カメラはとても効果的な対策のひとつです。
その理由は、大きく3つあります。
盗難を思いとどまらせる効果がある
玄関先などに防犯カメラがあると、「見られているかもしれない」と感じて、盗もうとする気持ちを抑える効果が期待できます。
とくに、カメラの存在がはっきりと分かるバレット型カメラは、見た目に威圧感があるため、強い抑止力を発揮しやすいタイプです。
防犯対策をしていることを周囲に伝える手段としても効果があります。
警察や業者に説明しやすい明確な記録になる
防犯カメラは、置き配の盗難対策として非常に心強い存在です。
もし盗難が起きてしまった場合でも、映像が残っていれば、警察や配送業者に説明しやすくなります。
「本当に盗まれたのか?」という疑いに対して、映像は客観的な証拠として役立ちます。
泣き寝入りを避けるためにも、こうした記録を日頃から残しておくことが大切です。
スマホ連動や通知など柔軟な機能
最近の防犯カメラは、スマートフォンと連携して使えるものが主流になっています。
映像をリアルタイムで確認できたり、録画を後からチェックしたりできるため、外出先でも安心して様子を確認できます。
さらに、AI機能が搭載されたモデルでは、特定のエリアに人が入った際に、スマホへ画像付きで通知が届く仕組みもあります。
万が一のときでも、その場で状況を把握してすぐに対応しやすいのが特徴です。
置き配の盗難対策はもちろん、空き巣や不法侵入への備えとしても役立ちます。
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費用をかけずに始める防犯対策
「置き配の盗難が気になるけど、大がかりな防犯対策はまだちょっと…」
そんなときは、すぐに始められて費用もかからない、手軽な防犯対策から取り入れてみましょう。
たとえば、以下のような方法があります。
- 置き場所を工夫する
- 不在時は配送先を変更する
- 配送アプリで通知設定を活用する
こうしたちょっとした工夫だけでも、盗難防止に役立つことがあります。
まずは「できることから始めてみる」ことが大切です。
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「費用は抑えたいけど、しっかりした対策もしたい」
「そんな方におすすめなのが、初期費用0円で導入できる防犯カメラのレンタルプランです。
月々の定額料金だけで、カメラ本体・録画機・設置工事・メンテナンスまでまるごと対応。
専門的な知識がなくても、すぐに本格的な防犯対策を始めることができます。
「玄関先の置き配対策だけでなく、防犯全体を見直したい」
そんな思いをお持ちの方に、ぴったりのサービスです。
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まとめ 置き配時代の「防犯と証拠」で安心を手に入れる
このページでは、置き配の標準化が進むなかでの盗難リスクや、その対策方法についてご紹介しました。
置き配は便利な反面、盗難や誤配といったトラブルのリスクもあります。
だからこそ、「盗まれにくくする工夫(防犯)」と「万が一の備え(証拠の記録)」の両方を意識しておくことが大切です。
すぐにできる対策から、防犯カメラなどの本格的な対応まで、自分の生活スタイルに合った方法で、できることから始めてみましょう。
「安心して置き配を利用できる環境づくり」が、これからのスタンダードです。