防犯カメラの侵入検知
~画像解析で進行方向に応じた異常検知を可能に~
画像解析技術の進歩は防犯カメラ領域でも活用されています。このページでご紹介する侵入検知もその1つ。
リアルタイムに画像解析するため、エリアへの侵入を検知するだけではなく、侵入する方向を限定して、アラート機能を設定することが可能です。
防犯カメラの侵入検知とは、ざっくりといえば、『防犯カメラの撮影範囲内に仮想のフェンスを設定し、フェンスへの侵入方向をリアルタイムに解析、一定方向の侵入に対してアラート機能を設定できる』システムです。
防犯カメラの侵入検知は、
■ 就業後の事務所や工場など職場環境の防犯
■ 介護施設における利用者様の保護
■ 通行人数のカウン
といったシーンで活用されています。
侵入検知の概要、便利な使い方、メリットや使用例について、順番に説明させていただきます。
リアルタイムの画像解析にご興味のある方、防犯カメラの活用の幅を広げたい方、管理する施設の防犯強化や管理効率アップを図りたい方は、ぜひ、ご参照ください。
防犯カメラの侵入検知について
防犯カメラの機能として近年利用頻度が高まっている侵入検知とは、名称通り、侵入者を検知することに長けたシステムです。
防犯カメラの侵入検知を活用すれば、防犯カメラの撮影範囲において、仮想のフェンスを設定し、一定方向の侵入者に対してアラート機能を発動させることが可能です。
アラート機能を発動させることで、管理者へメールやその他のアプリを通じた異常事態の通知を送ることができます。リアルタイムに画像解析をしているため、異常事態の通知もほぼ同時に伝達できるという点が大きな特徴です。
「侵入検知」へのニーズはさまざまな場面で見られます。
例えば、終業時刻が過ぎた後の工場現場において。
敷地に対し仮想フェンスを設定すると、敷地の中から外へ出ていく人物は許容し、外から中へ侵入しようとする人物に対してはアラートを発動することができるため、柔軟かつ強力な防犯環境整備の構築へとつなげることができます。
また、駐車場や大きな車庫でも防犯カメラの侵入検知は活用されています。
一定方向のみの進行を可能とできるため、一方通行なエリアの環境整備に有効だからです。
その他、最近では小売店舗における侵入検知の活用も検討される機会が増えている様です。
2020年12月現在、新型コロナウイルス感染症感染拡大を受け、店舗においては入店前の手指のアルコール消毒がますます徹底されています。入口と出口を明確に区別し入口を通る方に対してはアルコール消毒を呼び掛けることで対応しているケースが多くありますが、この方法では、出口からお店へ入られるお客様に対しては無防備になってしまいます。そこで、出口からの入店を防ぐために侵入検知機能が役立てられるというわけです。
防犯カメラの侵入検知:便利な使い方
防犯カメラの侵入検知機能には、組み合わせることでさらに便利に活用できる機能が用意されています。
異常を察知すると即時に管理者へメール連絡できる機能や、管理者への通達だけではなくその場で警報を鳴らすことができる機能、アラートが発動した場合にのみ録画を開始することができるという機能などが挙げられます。
それぞれ、もう少し詳しくご案内していきます。
侵入検知の便利な使い方
管理者への即時の通知
リアルタイムの画像解析は、設定した仮想フェンスに特定方向から侵入があったことを検知することができるとお伝えしてきました。
この機能にカスタマイズの設定を加えることで、ライブ映像やアラートを、メールもしくはその他のアプリに即時通知することが可能になります。
これまでの防犯カメラは、事件や事故が発生した後の現場検証や犯人特定のために記録映像が活用されるケースがほとんどでしたが、リアルタイムの画像解析で、異変が起きた(侵入検知した)ほぼ同時刻に管理者へ通達することができるようになりました。
「事後」の録画映像活用と、「リアルタイム」で異変を察知できることとの違いは、防犯カメラの使い方において大きな変革といえます。
侵入検知の便利な使い方:
異常検知時のみの録画も可能
防犯カメラ映像を録画する姿勢としては、『常時録画』と『異常時のみの録画』という2パターンが考えられます。異常時のみ録画する方法には動体検知がよく知られていますが、侵入検知を活用しても、異常時のみの録画は可能です。
『常時録画』と『異常時のみの録画』はそれぞれに一長一短がありますが、常時録画のデメリットとしては、
■ 録画映像を保存するために大きな容量が必要
■ 後から必要影像を見つけ出す際に手間がかかることがある
という2点が挙げられます。これを回避するために動体検知が用いられることがありますが、動体検知では、些細な動きに機器が反応してしまうなど結局は不必要な映像を多く録画してしまうという課題が残されています。侵入検知であれば、必要な状況のみを記録として残す精度を上げることが期待できます。
仮想フェンスに対して、特定の方向からの侵入だけを画像解析が検知して、検知した状況のみ録画をすることができるので、リアルタイムでアラートをかけることはもとより、後になって状況を検証したい場合にも対象動画を探すことが容易です。
侵入検知の便利な使い方:
スピーカー・照明の併用
仮想フェンスに対して侵入者がいた場合、管理者へ即時のアラートをかけることも有用ですが、現場において侵入者へ威嚇を図ることにも効果があります。
侵入検知とスピーカー・照明を併用させることで、侵入者への威嚇につなげられます。
仕組みとしては、画像解析で異常を検知するとともに、スピーカーからの音声発信、また、照明の点灯がはじまるようシステムを組むことになります。
侵入検知の便利な使い方:まとめ
- 管理者への即時通知
- 異常検知時のみ録画する
- スピーカー・照明の併用
上記3点を組み合わせて活用することで、防犯カメラの侵入検知機能を便利で使い勝手よく活用できるようになります。
侵入検知:誤報を削減する仕組み
誤報を防ぐことは、コストや労力に削減つながります。
防犯カメラ映像を画像解析してアラートを出すうえで誤報を招くのは、ヘッドライトなどの一時的な物体や、小さな動物が原因となっているケースが少なくありません。
侵入検知には、こうした誤報を防ぐ仕組みが用意されています。
侵入検知に装備された誤報を防ぐ仕組みをは、パースペクティブの設定です。小さな動物も近くで撮影している場合には大きく感じられてしまいますが、パースペクティブの設定をすることで、こうした遠近法による誤差を修正できます。
パースペクティブの設定は使用するたび、柔軟にカスタム設定できます。
防犯カメラの侵入検知が
活用される場面
ここまでは、リアルタイムの画像解析が可能にした棒なんカメラの侵入検知機能について、侵入検知の概要や便利に使うための方法をまとめてきました。
ここからは、侵入検知機能を用いた防犯カメラが活用されている場面について具体例をご紹介します。
侵入検知の活用場面:
就業後の工場や倉庫
夜間稼働のない工場や倉庫では、侵入検知が防犯強化に有効です。
昼間は通常の防犯カメラとして活用する一方、終業時刻が過ぎたら侵入検知機能をオンにすることで、敷地内から出る従業員には反応せず、敷地外から敷地内に入る不審者に対してのみアラートを発動させられるからです。
敷地に対して仮想フェンスを張り、敷地内から敷地外への方向はOK,敷地外から敷地内への方向はNG、と設定します。
侵入検知の活用場面:
就業後のオフィス
就業後の工場や倉庫とよく似ていますが、夜間従業員がいなくなるオフィスにおいても侵入検知は防犯強化として活用されています。
防犯カメラを設置している場合、ほとんどのケースで、出入り口付近を撮影しています。出入り口付近に仮想フェンスをつくり、室内から室外への方向はOK、室外から室内への方向はNG,と設定することで、不審者のオフィスへの侵入を即時に検知できます。
侵入検知の活用場面:
その他
その他、介護施設で利用者様がスタッフの気づかないうちに出てしまうことを防ぐため(それぞれの個室やフロアに対して)、また、一方通行の駐車場内で逆走を防ぐため、などのシーンで侵入検知が活用されています。
防犯カメラの
侵入検知機能
まとめ
撮影技術や動画情報伝送技術の進展に伴い防犯カメラ技術のクオリティーアップも進んできました。
近年では、動画を撮る、動画を伝送する、という技術のみではなく、画像解析やAI技術の革新もまた、防犯カメラの技術に影響を与えています。
このページでは、画像解析技術に絡んだ防犯カメラの侵入検知についてご紹介しました。
おさらいをすると、防犯カメラの侵入検知とは、防犯カメラが撮影している範囲内にカスタムで仮想フェンスを指定し、一方の方向は進行可、もう一方の方向については進行不可と設定することで、一定方向からの侵入に対してアラートを発動させることができる機能でした。
ページ内で、防犯カメラの侵入検知システムが活用されている場面の例もご紹介しましたが、今後、活用シーンはもっと多様化していくと考えられます。
私たちも想像もしていなかったような活用シーンもまだまだたくさんあるかと思います。
画像解析を用いた防犯カメラの活用や、防犯カメラの侵入検知にご興味を持たれた方、
(こんな使い方はできないかな?)と疑問を持たれた方がいらっしゃれば、
いつでもお気軽にお問い合わせください。