AI画像解析で拡がる
防犯カメラの可能性
『犯罪や事故の現場を記録するだけ』
これは、一昔前の防犯カメラの使い方です。
かつての防犯カメラに求められていた役割は、事件や事故の発生後に人間が活用できる記録データを撮影することがメインでした。
しかし近年の防犯カメラに求められる役割は、事後だけではなく、リアルタイムの防犯、さらには、事前の防犯環境整備にまで拡がっています。
これは、防犯カメラが、リアルタイムに撮影映像を画像解析し、防犯カメラ自体の中で『不審者を感知する』『画像解析とAIを組み合わせて危険人物を察知する』ということが可能になってきているからです。
具体的な機能の事例を挙げます。
防犯カメラの機能は多方面にブラッシュアップされていますが、例えば画像解析機能に焦点を当てれば、以下のような機能が実現できています。
-
近年の特徴的な防犯カメラの機能例(画像解析にフォーカスした場合の例)
- うろつく人物をリアルタイムで感知して通報する
- 出るのはOK、入るのはNGなど、人の往来制限をリアルタイムで感知して通報する
- 侵入者をリアルタイムで感知して通報する
繰り返しになりますが、かつてのように撮影した映像を事後に人間が解析するのではなく、 防犯カメラ自体がリアルタイムに画像解析をし、そこから必要情報をピックアップして人間に通報する、
ということが防犯カメラにはできるようになっています。
このページでは、近年の防犯カメラが拡張した機能について、画像解析機能に焦点を当てて紹介していきます。
防犯カメラ映像と画像解析との関係性について一昔前と近年との違いを説明した後で、画像解析機能と防犯カメラを組み合わせが実勢どのように活用されているのかをご案内します。
最後に少し、そもそも画像解析とは何なのか、画像解析をするためにはどんな技術が必要なのかもまとめています。
AI画像解析と防犯カメラを組み合わせることで、これまで予想できなかった様々な環境整備が実現できています。
みなさまの安全で便利な生活に防犯カメラを幅広くご活用ください。
防犯カメラ映像と画像解析:
一昔前までの関係
防犯カメラによる画像解析は
「事後」操作がほとんどだった
刑事ドラマで事件が起きた現場の防犯カメラ映像を画像解析するようなシーンをイメージしてください。
防犯カメラが撮影した画像を分析官が特殊な機器を操作しながら解析するような情景が思い浮かびませんか?ときには、分析官に渡すための画像を探すため、刑事さんが防犯カメラ映像を流し見し続け、怪しい動作をする人物や車などを見つける、という前提作業が含まれていたりするかとも思います。
どちらにせよ、事件が起きた後の録画映像から解析されることになります。
実際、これまでは防犯カメラの画像解析は録画映像を用いたものがほとんどでした。
例えば、ゴミの不法投棄をした人物の特定、当て逃げをした自動車のナンバープレートの特定、万引き犯の特定、不法侵入した人物の特定、などです。
防犯カメラの映像が、事後に、録画映像として画像解析されていたのは、『防犯カメラで撮影しながらライブ映像を解析する』ということが技術的に難しかったからです。
防犯カメラ映像と画像解析:
近年の関係
撮影している「リアルタイム」で
画像解析が活用されるようになった
これまでは事件や事故が起きた後に録画映像を使って画像解析が行われることが主流だったことは、先にご説明した通りです。
この流れが変化しています。
近年、カメラ本体や各パーツ・映像送信技術の著しい性能向上を受けて、撮影しているリアルタイムかつ、カメラ本体の中での画像解析が可能になったのです。
もちろん、防犯カメラで撮影した記録映像を使って画像解析する技術も引き続き改良が加えられています。しかもこうした画像解析は、解析ソフトの普及や防犯カメラ映像の鮮明化から、一般の方にとっても、これからますます身近なものになっていくと予想できます。 防犯カメラの証拠作成機能・記録保持機能は事後の画像解析と併せて今後も変わらず活用され続けるでしょう。
ただ、日常的な防犯カメラの運用において、リアルタイムで画像解析ができるようになったインパクトはかなり大きなものがあります。
実際、防犯カメラ映像をリアルタイムで画像解析できるようになったことで、事件や事故を未然に防ぐ「防犯」という観点に大きな可能性が拡がっています。
リアルタイムの画像解析 活用例
駅構内の安全管理
危険区域に人が侵入したら察知して管理者へ伝えることで、事故を防ぐことにつなげられます。また、うろつきなど、不審な動きをしている人物を早い段階で管理者へ伝えることで、駅構内で発生する事件を防ぐことにつなげることも可能です。 駅構内では従来から人の目による安全管理がさまざまな方面からなされていますが、機械を導入することで精度の向上が実現できています。
駐車場の管理
車番認識アルゴリズムを活用することで駐車場に待機する車両を管理している現場が徐々に増えています。
ショッピングモールの安全対策
あらかじめ危険人物や不審人物の情報を防犯カメラに記憶させておくことで、リアルタイムに画像解析する防犯カメラシステムが該当する人物を察知した際に管理者へ通知することが可能になります。
防犯カメラ映像が記録した危険人物・不審人物情報の記録がたまればたまるほど、施設の安全対策も盤石なものになるため、防犯カメラは設置して終わりではなく、使えば使うほど性能をアップするシステムとして機能しています。
ショッピングモールのマーケティング
画像解析とAI技術を掛け合わせることで、施設を訪れる人物の属性分析をリアルタイムで行い、マーケティングに生かしているショッピングモールがあります。
もっと単純な活用法では、防犯カメラ映像の画像解析で混雑状況を把握することで、スタッフや警備員の適切な配置など施設運営のオペレーション効率を高めている事例も珍しくなくなりました。
現在では様々なサービスがAIの技術を使って提供されており、トリニティーでも日々AI検知システムを開発しております。
防犯カメラセンターでもリアルタイムに画像解析ができる技術の進化に着目し、防犯強化や施設管理の効率化を実現するための防犯カメラシステムについてサービス開発を進めています。
それぞれのサービス内容について、各ページをご確認ください。
そもそも、画像解析とは?
防犯カメラの画像解析方法として、従来の、事後に記録映像と解析ツールを活用した方法だけではなく、リアルタイムかつ防犯カメラ本体の中での解析という方法も開発されてきたことをご紹介してきました。
ここでは少し、そもそも画像解析とはどんなものなのか?画像解析を知るための基礎用語や画像解析の解析手法いついてまとめました。
画像解析とは
画像解析は、画像の中から対象物を抽出すること、また、その対象物が何なのかを解析する処理をすることを指します。
画像解析という単語は近年特に耳にすることが多くなったようにも思われますが、実は、画像解析自体は1960年代から行われています。
画像解析がAI技術と組み合わされるようになり、また、近年のAI技術の進歩により、画像解析ができることも大幅に拡がり、人々に認知されるようにもなりました。
これまでの画像解析は、対象物の抽出や特定に、人の手を使っていました。
ここでは、専門の機会が別途必要になることや、作業者の力量によって画像解析の精度に差が生じるという問題がありました。
近年は人の手を介在させずに、プログラムを組んだ機械の中で画像解析をすること、さらに、AIを組み合わせて予測させることなども可能になっているという変化があります。
画像解析について知るための基礎用語
1:コンピュータビジョン
機械のセンサーが光をとらえる技術をコンピュータビジョンといいます。
人間が見てから判別するように、機械も画像解析するためにはまずものを識別することから始める必要があります。
機械が画像を識別するために、画像をデータ化して把握することです。
2:画像データベース
コンピュータビジョンでデータ化した情報を保存しておくデータベースが画像データベースです。
3:パターン認識
画像データベースに保存された画像に含まれるパターンを読み取る技術です。
人間や動物、建物や車など、モノの違いを識別するためにはそれぞれのパターンを読み取り違いを認識できなくてはいけません。
パターン認識技術の進化により、画像解析技術は画像からさまざまな情報を読み取れるようになってきています。
4:画像処理
画像信号の中から信号品質の改善や特徴づけを行う技術が画像処理です。
曖昧な物体の特定はコンピュータにとって苦手な分野でしたが、AI技術の発展でできることが拡がっています。
補足:画像解析の意外なニーズ
ここで、人々が画像解析に求めている内容には意外なところにニーズがあるという事実もご紹介しておきます。 画像解析といえば、曖昧な画像を鮮明にすることがまず思いう浮かぶかと思います。
しかし実は、この他の領域にも下記の例のような領域で大きなニーズが生まれています。
コストを削減・時間を短縮するニーズ
郵便物の仕分けや工場の検品作業など、機械が猛烈な速さで画像解析をすることでコスト削減・大幅な時間短縮が実現している分野があります。
かつては人間の目視と手作業で行われていたものの、画像解析技術の進歩によって、機械が行うようになった作業はたくさんあります。
読み取り・再現するニーズ
手書き文字を機械が読み取りデータ化してくれるのも、画像解析技術の進歩のおかげです。
今では当たり前になりましたが、1人ひとりに癖がある手書きの文字を正しく読み取るという技術は、普及当時多くの人に驚かれ、喜ばれました。
画像解析は画像を鮮明にするというだけではなく、今後も新たなニーズが開拓され、活用の幅が拡がっていくでしょう。
画像解析の手法
画像解析とは、画像をデータ化し、画像の中身を識別することです。
画像について、映っている物体の領域、画像のどこに何があるのか、それぞれの物体が何のか、を識別します。
人間がものを見て判別することと同じように、何が映っているのかを把握し、その後、分類するのです。
先にもご案内した通り画像解析自体は1960年代から取り組まれており、コントラスト変換・パターンマッチング・エッジ検出・ノイズ除去・ヒストグラムといった解析手段が開発されてきました。
こうした伝統的な画像解析手法もいまだ健在ではありますが、近年は、AI領域のディープラーニング技術が特に注目を集めています。
画像解析で拡がる
防犯カメラの可能性
【まとめ】
画像解析で活用用途が拡がっている防犯カメラの機能について、ご紹介しました。
防犯カメラは『ただ記録する』『記録映像を活用する』という使い方から、『リアルタイムに画像解析し』、『リアルタイムに犯罪対策をする』という使い方にシフトしてきています。
しかも、犯罪対策だけではなく、施設管理やマーケティングにまでも応用されています。
「こんなことできないかな?」
「こんなことを解決したい」
というご希望やお困りごとがあったら、
防犯カメラと画像解析との組み合わせで対応できるかもしれません。
ぜひ一度、内容をお聞かせください。
画像解析で拡がる防犯カメラの可能性
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