顔認証は安全か?
顔認証システムの安全性について
「顔認証」と聞くと、以前は個人情報を盗まれてしまうのではないかといったネガティブなイメージを持つことが多くありました。
顔データは、おおよその年齢や性別など、個人を特定する個人情報になるため、顔認証の安全性に対してそのようなイメージは現在でも一部に残っています。
個人情報の中で、名前や住所、電話番号と並び最も重要なものとして「顔」が認識されるようになったのは、顔認証技術が広く普及したことが一因でしょう。顔認証は、適切に運用することで安全性を確保し、セキュリティレベルの向上や業務効率化につなげることができるため、行政や公共サービスなどさまざまな場面で導入されています。
このページでは、「顔データ」の登録パターンとその利用目的、そして顔認証システムを安全に利用するための運用時の注意点について解説します。
「顔データ」の登録パターンと目的について
義務的登録:行政や公共サービスで活用
顔写真を義務的に登録するケースは、行政や公共サービスの分野で広く見られます。運転免許証などの公的な身分証明書では、本人確認のために顔写真が不可欠です。
また、マイナンバー制度の普及により、保険証がマイナンバーカードと一体化し、保険証にも顔情報が登録されることとなります。
このような場合は、事実上「義務的登録」と位置づけることができます。
こうした「義務的登録」では、スピード違反をした際に、その運転者が本当に免許を持っているのか、病院で提示した保険証が他人から借りたものではなく、本当にその患者本人のものなのかを確認するなど、不正利用防止や本人確認の信頼性向上などを目的として活用されています。
能動的登録:業務効率化や利便性向上
スポーツジムやシェアオフィスの会員証には、その施設を利用するために顔写真を登録するケースがあります。現在は顔認証システムの導入により電子化され、会員証自体に顔写真が貼られることは減っていますが、顔認証システムの中では顔情報が登録されるため、施設を利用するために利用者自身が顔を登録する必要があります。
このような場合は、事実上「能動的登録」と位置づけることができます。
こうした能動的登録では、業務の効率化や利用者の利便性向上を目的として活用されています。顔認証のために、「義務的登録」や「能動的登録」を行うことに異論を唱える方は少ないと考えられますが、「受動的登録」に関してはどうでしょうか。
受動的登録:公共安全の確保
公共の場や施設などで顔認証システムを利用するケースがあります。
例えば、駅の出入口に設置された顔認証システムでは、犯罪者の移動を追跡したり、指名手配犯を監視したりする目的で活用されています。これにより、健全な市民の安全を守る役割も果たしています。
このような場合は、「受動的登録」と位置づけることができます。
こうした受動的登録では、一般市民の顔情報も顔認証システムに収集されているため、これらの収集された顔情報の取り扱いについてさまざまな議論がされています。
個人情報保護による「顔」の位置づけ
個人情報保護法で、個人情報とされるものには「名前」「生年月日」「住所」などが一般的です。しかし、近年では、バイオメトリクス認証(生体認証)が一般化されつつあり、次のような情報が個人情報の特定の要素として挙げられます。
- 虹彩(目)
- 静脈
- DNA(遺伝子)
- 指紋
- 声紋
- 耳介(耳の形)
- 顔
バイオメトリクスの世界では、個人を特定できるものが多数あり、これらを先ほどの名前や生年月日と組み合わせることにより、より特定可能性の高い個人情報となります。これらを扱うには高いレベルのセキュリティが必要です。
運用時の注意点について
顔認証システムを適切に利用し、安全に運用することで企業のセキュリティレベルの向上や店舗などの業務効率化につなげることができます。システムを運用する際は、以下の2点(合計4つのポイント)に注意し、安全性を高めながら利用することが重要です。
ハードウェアとソフトウェアのセキュリティ
- ソフトウェアでパスワードロックを設定する
- 物質的に鍵がかかるラックや、人の出入りを制限できる部屋内に設置する
顔認証システムには必ずパスワードロックが付いています。上記のように、ソフトウェアのパスワードロックに加え、物理的なセキュリティ対策を行い、二重のロックを施すことで顔認証システムの安全性を高めることができます。
ネットワークセキュリティ
顔認証システムは、ネットワークに接続しないクローズドな環境下でも使用できます。この利用方法が最も安全性の高い方法です。しかし、遠隔地で確認したい、またはアラームを受け取りたいといった場合は、インターネットに接続する必要があります。たとえ装置を物理的に制限しても、ネットワーク経由で侵入され、個人情報が漏洩するリスクがあります。このため、以下2つのセキュリティ対策を講じることが重要です。
- ソフトウェアへのアクセスを制限するためのセキュリティ
- ネットワーク自体を保護するためのセキュリティ
これらの二重のセキュリティ対策を実施することで、情報漏洩のリスクを軽減できます。
弊社では、UTMのレンタルサービスも対応しています。企業のネットワークは、情報漏洩やウイルス拡散などの内部からの脅威と、不正アクセスやネットワーク攻撃などの外部からの攻撃といったさまざまな脅威にさらされています。
弊社が扱っている「UTM」は、これらの脅威から企業を守る統合セキュリティ機器です。UTMやインターネットセキュリティについてご紹介しているページもございますので、ぜひご参考ください。
顔認証システムの安全性 まとめ
店舗が日常的に安全に運営されている場合、顔認証システムを導入する必要性は感じないかもしれません。しかし、一度万引きの常習犯や悪質なクレーマーが来店すると、商品ロスが増加するだけでなく、その対応に追われるスタッフが疲弊し、生産性が大きく低下します。
従業員にとって店舗の「安全運営の仕組み」は、安心して働ける環境を提供する重要な要素です。不正利用客やカスタマーハラスメントを行う客を排除することは、経営の健全性を保つだけでなく、スタッフが快適に働ける環境を維持する上でも欠かせません。
弊社が扱っている店舗向けAI顔認証システム「フェイスアラート」は、店舗の業務効率化、顧客対応品質の向上など、さまざまな場面で役立つAIカメラシステムです。ぜひ、弊社の顔認証システムを導入いただき、顔認証システムを安全にご利用いただければ幸いです。
顔認証システム「フェイスアラート」にご興味のある方は、ぜひ一度お電話、メール、LINEでお問い合わせください。
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