防犯カメラの動体検知機能
動体検知機能とは、カメラで撮影した映像内で動きのあるものを検知する機能です。
通常、防犯カメラは常時録画を行いますが、お客様の希望に応じて、動きがあった場合にのみ録画を開始する「動体検知録画(モーション録画)」を設定することも可能です。動体検知録画は、常時録画と比べてハードディスクの容量を節約でき、万が一トラブルが発生した際に該当映像の検索が簡単というメリットがあります。ただし、動体検知録画にはデメリットもあるため注意が必要です
このページでは、防犯カメラの動体検知機能の仕組みや、効果的な活用方法、AIによる検知との違いについて解説します。
動体検知機能の仕組み
動体検知とは、その名の通り、動きを感知する仕組みです。
では、静止しているものと動いているものをどのように見分けるのか、また動いているものをどのように感知するのでしょうか。
防犯カメラの動体検知には、「被写体の温度変化を活用する方法」と、「画像データの容量差を活用する方法」の2種類の仕組みがあります。
被写体の温度変化を活用する方法
この方法では、人感センサーと呼ばれる仕組みを利用しています。
人感センサーは動体検知の中でも、私たちの日常生活に広く浸透しており、たとえば、近づくと自動で照明が点灯する装置や、手をかざすと水が流れる水洗トイレなど、カメラ以外の用途にも多く使用されています。
ただし、人感センサーは一般的に動体検知できる距離が数メートルと短いため、特殊な環境でない限り、防犯カメラにはあまり採用されていません。
画像データの容量差を活用する方法
防犯カメラの動体検知機能として、一般的に採用されているのが、画像データの容量差を活用する方法です。
カメラが撮影した映像を「パラパラ漫画」のようにコマごとに捉えた場合、前のコマと現在のコマを比較し、大きな違いが検出された場合に、システムが「動きがあった」と認識する仕組みです。
映像は静止画像の連続であり、それぞれの静止画のデータ量は内容に応じて異なります。
この変化をもとに動きを判別し、撮影された映像をリアルタイムでレコーダーに送信します。レコーダーは前後の画像を比較し、「動きがあった」と判断した際に自動で録画を開始します。
さらに、動体検知機能が搭載された防犯カメラシステムでは、録画機能が休止モード状態でもカメラは常時映像を撮影しています。これにより、動きを感知した瞬間に休止モードから録画モードへ切り替わり、必要な映像を記録することが可能です。
最近では、「動いた瞬間」だけでなく、その数秒前からの映像も記録できるレコーダーも登場しており「動きの直前」の情報を含め、重要な情報を確実に残せるようになっています。
動体検知の効果的な活用方法
これまでに動体検知の仕組み、撮影する録画データ内容や容量が設置環境や状況によって異なることをご説明しました。
ここでは、防犯カメラにおいて動体検知機能が活用できる環境について考えてみましょう。
実は、純粋な防犯目的で防犯カメラを設置する場合、動体検知機能はあまりおすすめできません。
防犯カメラによる防犯対策では、「何もない瞬間」を含めて常時録画を行うことが重要となる場合があるからです。
常時録画を行うことで、万が一何かが起きた際に、その前後の状況を比較することが可能となり、証拠としても活用できます。
ただし、設置環境や状況、費用対効果のバランスを考えると、動体検知機能が適している場面も多く存在します。
普段使わない倉庫や車庫で活用
防犯カメラの動体検知機能は、人の出入りが多い環境よりも、普段ほとんど人が出入りしない環境で効果を発揮します。
たとえば、普段はほとんど使われない倉庫や、誰も入らない車庫などです。動きがないのが当たり前の環境だからこそ、何か動きがあれば、それが「何かが起きた瞬間」である可能性が高いです。
また、記録映像を頻繁に確認する必要がない環境では、常時録画を行い2週間ごとに記録データを削除するよりも、動きがあるときだけ録画する方が効率的です。
これにより、映像を確認する手間を省き、HDDの消耗を抑えることができ、ランニングコストの削減にもつながります。
動体検知機能と常時録画との併用
動体検知機能には常時録画に比べ、日々の録画容量を節約できることや、必要な映像データのみを確認すればよいというメリットがあります。しかし、常時録画を行わないという点は、デメリットにもなり得ます。
動体検知による録画データだけでは、防犯カメラの主目的である「事故や事件がなぜ起きたのかを検証するための証拠映像」としては不十分な場合があります。「動きがない」=「何もない」という保証にはなりません。
本当に「何もなかった」ことを示すためには、やはり、常時録画が必要です。そこで有効なのが、常時録画と動体検知機能の併用です。
24時間365日録画したデータから、動きがあった部分を探し出すのは非常に手間がかかる作業です。
しかし、動体検知機能を併用することで、データ確認の労力を大幅に軽減できます。
常時録画で安心感を得つつ、検索時の目安として動体検知機能を活用する。この方法は、防犯カメラを効率よく運用するための非常に有効な手段です。
動体検知とAIの違い
動体検知とAIを同じような機能だと考えている方もいらっしゃいますが、これらは全く異なる機能です。
動体検知は、動きがあればすべて検知するため、人、車、猫、光などを区別せず全て検知してしまいます。一方で、AIは映像解析を行い、物体や事象を識別することで、特定の対象(例:人や車)だけを検知することが可能です。
トリニティーAIについて
弊社の「TRINITY AI 人検知システム」は、防犯カメラが侵入者を検知し、スマホに即座に通知することができるAI防犯カメラシステムです。防犯カメラの撮影範囲内で、特に人や車の侵入を阻止したい「警戒エリア」を設定でき、侵入者を検知した際には侵入者の写真付きでスマホに通知されます。また、弊社のカメラだけでなく、他メーカーのカメラにも後付け搭載可能なため、既に設置済みの防犯カメラに侵入検知機能を後付けしたい方や、警報機や他のセキュリティ機器と連動させたい方におすすめです。
弊社では、新たに防犯カメラ導入を検討中で、導入費用を抑えながら人検知システムを利用したい方に最適な「TRINITY AI Lite」もご用意しております。 AI人検知システムにご興味のある方はぜひ、お電話、メール、またはLINEにてお気軽にお問い合わせください。
トリニティーAI 人検知システム 詳細動体検知機能 まとめ
この記事では、防犯カメラの動体検知機能の仕組みや効果的な活用方法についてご紹介しました。
最近では、防犯カメラが防犯目的だけではなく、業務改善や効率化にも活用されるケースが増えています。そのように、常時撮影した映像を活用する環境では、常時録画が必要不可欠です。
一方で、純粋な防犯目的で防犯カメラを導入する場合、常時録画が必ずしも重要でないケースもあります。
最適な防犯カメラシステムを設置するためには、カメラの種類、設置場所、設置台数だけでなく、レコーダーとの組み合わせや映像監視の方法までを含めたトータルでの設計が必要です。
防犯カメラの設置を検討される際(特に動体検知機能をご希望の場合)は、ぜひ防犯カメラの専門業者に相談されることをおすすめします。
弊社は、無料の現地調査を行っております。ご興味がある方はぜひメール、電話、LINE、チャットにてお問い合わせください。