年末年始の防犯対策
年末年始は帰省などで自宅を留守にする家庭が多く、企業オフィスや店舗も年末年始のお休みで人がいないため、犯罪が起きやすい時期であり、防犯対策が必須です。
昔に比べ犯罪の傾向も変化しており、必要な防犯対策も変わってきています。
年末年始に警戒したいトラブルとして空き巣、車上狙い、強盗、事務所荒らし、スリ、置き引きなどの泥棒被害や車の事故、特殊詐欺などが挙げられます。
年末年始は警察も犯罪・事故防止に向けてパトロールを行うなど警戒を強めますが、自分でも防犯対策を行っておくことで被害を回避することができます。
このページでは、特に留守中の自宅や企業の泥棒被害を防ぐための、年末年始の防犯対策についてセキュリティのプロが解説いたします。
こんな方におすすめの記事です
- 年末年始は帰省の予定があり、留守中の自宅の防犯対策を考えている
- オフィス・事務所のセキュリティに不安があり、年末年始の休み期間中に泥棒が侵入しないか心配
- 店舗を運営していて、年末年始の休業期間中が心配
- 企業が気をつけるべき年末年始の防犯対策を知りたい
年末年始の盗難被害を防ぐために
年末年始は帰省や旅行で自宅を留守にする方が多く、泥棒の侵入リスクが高くなります。
これは年末年始に休業する企業のオフィス、事務所や店舗に関しても同様で、人がいないセキュリティが甘くなる期間中、事務所荒らしの危険が増加します。
警視庁が行った調査によると、侵入窃盗の多くは戸建住宅で発生する傾向にあります。
しかし、商店や一般事務所など、戸建以外でも盗難事件が起きているのは事実であり、特に人がいない年末年始は泥棒にとって侵入しやすい絶好の機会です。
では、具体的になにをすれば良いのでしょうか。個人宅、企業、それぞれで必要な年末年始の防犯対策について解説させて頂きます。
年末年始の防犯対策 個人宅編
以前に比べ、近年に起こる戸建住宅での空き巣・強盗事件は既に個人情報が泥棒に漏れている傾向が強いと感じます。
これは、X(旧ツイッター)やインスタグラムなど、SNSが広まったことによる影響や、最近話題になった「闇名簿」と呼ばれる名簿の存在もあるでしょう。
個人宅で行うべき年末年始の防犯対策について、物理的な防犯対策とSNSなどでの発信についての観点からお伝えします。
留守だと思わせない防犯対策
年末年始に帰省したり、家族で海外旅行に行くという家庭もあるかと思います。
まず注意したいのが、泥棒は必ず侵入前に下見をすると言われており、家の中に誰もいないことを確認した上で侵入することが多いです。
戸建住宅で泥棒が確認する方法には、以下のようなものがあります。
泥棒が個人宅の留守を確認する方法
- 訪問販売を偽ってインターホンを押す
- 雨戸が閉まっていることを確認する
- 電気メーターが回っていない
- 郵便受けの郵便物や新聞が放置されている
まずはこの泥棒の下見段階で「家を留守にしている」と思わせない対策が必要です。
新聞をとっている家庭が年末年始でしばらく家を留守にする場合、新聞配達店に連絡して、新聞を止めてもらうのがおすすめです。
年末年始に旅行などで自宅を留守にする期間中、ポストに数日分の新聞が放置されているだけで家に誰もいないことがすぐに泥棒にバレてしまいます。
また、電気やテレビを付けたままにしておくこともおすすめです。電気代がもったいないと感じるかもしれませんが、最近はタイマーで夜だけ電気やテレビがつくような製品も販売されています。
空き巣に侵入されないためにも、自宅を留守にしていると思われないような工夫をすることが防犯対策として有効です。
SNSで個人情報を発信しない
SNSが広まった現代では、旅行中の写真をインスタグラムやフェイスブック、X(旧ツイッター)などにアップして情報を発信している方が増えています。
この中でXは匿名性は高いほうではありますが、普段から顔写真も掲載したり、自分のプライベートを細かく発信していると個人情報が思わぬところに漏れてしまうことがあります。
SNSのプライバシー設定の見直し、投稿の公開範囲を絞る、時間差で投稿するなど、今自分がどこにいて何をしているのか特定されるような情報や、個人情報が漏れるような情報は発信しないように気をつけましょう。
年末年始の防犯対策 企業編
企業の場合、年末年始の休業に関して情報を公開しておくことが多いため、少し調べれば泥棒も事前に企業の休業情報を把握できてしまいます。
もちろん、多くの機密情報を保管する企業は個人宅よりも更に防犯カメラや入退室管理システムの設置など、防犯設備の設置の必要性が高いですが、ここでは設備の設置ではなく、費用をかけずにできることをお伝えします。
個人宅の防犯対策としてもお伝えしたように、「新聞を止める」「一部の電気をつけておく」などは企業でも同様で防犯対策として行うことはできるかと思います。
ここでは、「年末年始の防犯対策」として企業がやってはいけないことをご紹介します。
入り口に休業日のお知らせの貼り紙
飲食店やアパレル店など、来店型のビジネスの場合エントランスに休業期間を記載して貼り紙をすることが多いですが、防犯の観点から見るとおすすめは出来ません。
いつからいつまで店舗に人がいないのか泥棒に情報を伝えることになりかねないからです。
貼り紙の存在が泥棒に侵入されるリスクを高めるか否かは業種や規模、建物の状況にもよりますが、防犯面も考慮して年末年始の休業の準備をするようにしましょう。
ホームページに休業期間の案内を載せる
これも貼り紙同様、オフィスや工場が稼働していないことがネット上で公開されることになります。
ホームページ上に休業期間の案内を載せるのは取引業者やお客様のために必要なことももちろんありますが、公にすることが必要な情報と、不要な情報を分けて公開するようにしましょう。
建物周辺に足場になるようなものがある
正面の出入り口がしっかり施錠されていても、窓からの侵入を手伝う踏み台になるようなものがあるとオフィス内に泥棒が入る原因になります。
近くに足場になりそうなものがあるなら窓からの侵入対策も行っておきましょう。
また、駐車場近辺の社用車も狙われる可能性があるので、建物内への侵入だけでなく敷地への侵入を警戒できるよう防犯対策を考えましょう。
年末年始の防犯対策 まとめ
これまでは物理的な防犯対策が主であり、泥棒が現地で建物の状況を確認して下見して犯行という流れを防ぐことが必要でしたが、近年はSNSやホームページなどインターネット上で個人情報・企業情報が簡単に取得できるようなりました。
泥棒が現れた時のために防犯カメラやセンサーを使ったセキュリティ設備などで防犯しておくことはもちろん前提として大切ですが、自分のネット上での発信がきっかけで犯罪被害に遭ってしまうリスクを回避することも重要です。
ご自身・家族の財産や命を守るためにも、防犯設備の設置や防犯グッズを持ち歩くといった対策だけでなく、普段の行動でも個人情報や自分の行動が第三者に知られて思わぬ犯罪に巻き込まれないよう気をつけることが大切です。