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万引き対策
~万引き犯の分類と対策法~

万引き対策

万引きの検挙件数は減少傾向であるものの、いまだ万引きの根絶とはとは程遠い状況です。
また近年では換金性の高いアイテムを狙うプロ集団が増加しており、プロ集団の1件当たりの被害額は個人による犯行とくらべると高額であるため、一概に検挙件数のみで万引き被害の減少を想定することは困難ともいえます。
はっきりしているのは、個人による小規模で高頻度な万引き被害と、プロ集団による大規模で単発的な万引き被害、どちらも店舗へのダメージが大きいこと、店舗は費用対効果の高い万引き対策を必要としていることです。

このページでは、 万引き犯の推移、万引き犯ごとの傾向と対策をご紹介市ながら、万引き対策についてまとめます。

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万引き犯の推移

まんびき犯の推移

万引き対策をご紹介する前に、万引き犯の推移をまとめます。
万引き自体は古くからある犯罪ですが、その内容は変化しています。
万引き犯の推移を追うことで万引きの変化を把握し、万引き対策に活かしていただけたらと思います。

万引き犯の推移:
万引き検挙人数の年代構成推移

警察庁より公表されているデータをもとに、万引きの検挙人数の年代構成について推移をまとめます。

万引き対策・年代構成推移
(1-1)

万引き対策・検挙人数の推移
(1-2)

万引き検挙人数のうち65歳以上・14~19歳の年代が占める割合の経年推移グラフ(1-1)と、万引きの検挙人数の経年変化推移グラフ(1-2)です。
この2つのグラフから、万引き検挙人数自体は減少傾向にあること、14歳~19歳の年代が占める割合が減り、65歳以上の占める割合が増えていることがわかります。
参考:警察庁「平成30年の刑法犯に関する統計資料

先のグラフでは、データ元である警察庁「平成30年の刑法犯に関する統計資料」では、補導されている場合でも万引きの犯人としてデータに反映されていません(14歳未満は刑事処罰されないため)。

そこで、14歳未満の未成年者が犯している万引き犯罪の状況については、警察庁が公表している「万引きに関する調査研究報告書」を参照します。

小学生の万引き件数1

小学生の万引き件数2

万引きに関する調査研究報告書」によると、少年の万引き犯罪は減少し、万引きで検挙・補導される少年のうち小学生の割合が上昇しています。

上記より、万引きの検挙人数自体は減少傾向にあり、また、少年全体の万引きの検挙・補導人数も減少していること。
その中で、万引きの検挙人数のうち65歳以上の高齢者がしめる割合が増えていることと、少年全体における万引き検挙人数のうち小学生の占める割合が増えていることがわかりました。

万引き検挙人数の年代構成推移:まとめ

  • 万引き全体の検挙人数は減少傾向
  • 少年による万引きの検挙・補導人数も減少傾向
  • 万引き全体の検挙人数のうち65歳以上が占める割合が増加している
  • 少年による万引きのうち、小学生が占める割合が増加している

万引き犯の推移:
万引き犯の手口の推移

万引き犯の手口も変化しています。
万引きといえば個人による刹那的な万引きが想定されることが多いかと思いますが、近年では集団による計画的な万引きが増えています。
集団で計画的に犯行に及ぶグループの万引きは、化粧品、スポーツウェア、シューズ、たばこなど換金しやすいものが狙われること、一回当たりの被害総額が個人が被疑者の場合よりも高額であることが特徴です。
犯行の手口はさまざまですが、仲間が店員の注意をそらしているうちに実行犯が万引きに及ぶ、店の外で仲間が待っていて手渡す、仲間で囲うことで店員の目や防犯カメラから実行犯を隠して犯行に及ばせる、といった手口が有名です。
個人による刹那的な万引きであれば、気のゆるみを引き締める、犯行に及ぶ前の不審な行動をとらえるといった心理戦が有効な場合もありますが、
集団による計画的な万引きには、セキュリティツールを活用して捕まえること、記録することでの防犯・証拠づくりが重要となります。

万引き犯の推移:
まとめ

万引き犯の推移は、万引き犯の中で65歳以上の高齢者・小学生の割合が増えている、そして、集団で計画的に犯行に及ぶ万引き集団が増えているとまとめることができます。

万引き犯の違いに合わせた万引き対策

近年の万引き犯は、65歳以上の高齢者、小学生、集団で犯行に及ぶグループが増えてきていることをまとめました。
ここからは、それぞれの万引き犯に沿った対策についてまとめます。

65歳以上の万引き犯に有効な万引き対策

65歳以上の万引き犯への対策には、声掛けや会話の投げかけが有効です。

65歳以上の万引き犯は、生活困難と答える割合が他の世代より高く、また、人と会話をする機会が少ないと報告されています(※)。

65歳以上の万引き犯
(※)参照:「高齢者による万引きに関する報告書

生活困難な上に会話不足で心理状態が不安定である場合には特に、声掛けによる万引き対策従業員や会話による万引き対策が有効だと考えられます。
他人と触れ合うことで我に返ることが期待できるからです。
また、人との会話不足は知らず知らずのうちの認知機能・判断力の低下も誘発している場合があるため、正常な判断ができる状態かどうかを確かめるという意味でも、声掛けや会話は万引き対策になります。

小学生の万引き犯に有効な防犯対策

小学生の万引きする商品

万引きする場所

グラフの通り、小学生が万引きするのは半数以上が食品で、そのうち菓子類が80%以上、さらに、コンビニで発生する万引き被害の52%が小学生による犯行という調査結果があります(※)。
コンビニや食料品店では特に、小学生の万引き対策に備えて環境を整備してください。
小学生への万引き対策としては、次のような提案がされています(※)。

小学生への万引き対策例
  • 店員による声掛け、店員と来店客とのコミュニケーションを増やす
  • 小学生の目の高さにステッカー等を貼る
  • アニメキャラクターを活用して広報発信する
(※)「万引きに関する調査研究報告書」より

小学生は衝動的に万引き犯行に及んでしまうことも少なくないと推察されます。
そして、1度味を占めると善悪の判別を感がることなく犯行を繰り返してしまうとも考えられます。
小学生という子どもが犯す犯罪を対策することは、ご自身の店を守る行為であるとともに、社会全体での教育責任ともいえるのではないでしょうか。
小学生の万引き犯罪が増えていること自体、社会的な責任ともいえます。
幅広い視点から万引き対策を施していただけたらと思います。

集団で犯行に及ぶ万引き犯に有効な防犯対策

集団で犯行に及ぶ計画的な万引き犯への対策としては、心理的な効果を狙った声掛けやポスターはあまり有効ではありません。
彼らへの万引き対策としては、防犯カメラや防犯ミラー、防犯タグなどセキュリティツールによる対策が必要です。
コストが発生する万引き対策ではありますが、換金しやすい商品が狙われるという特徴があるため、スポーツウェアや化粧品、小物、など転売しやすいものを販売している場合にはセキュリティツールを取り入れた対策が求められるでしょう。

補足:一般的な万引き対策

最後に、コストのかからない汎用的な万引き対策についてもまとめます。
万引き対策には、ハード面の対策とソフト面の対策が考えられます。
ハード面の万引き対策では、店内の配置と警告ポスターの活用が有効です。

万引き対策:店内配置の例

・万引きの多い商品・高額商品は店員が見やすい位置に陳列する
・レジと店内の境目に障害物を置かない
・天井からPOPを吊り下げる等、死角ができやすい広告は極力避ける
・店内の照明を明るくする

万引き対策:警告ポスター活用の例

・店舗に入った瞬間に目立つ位置、商品選択の際に大人の目線・子どもの目線で視野に入る位置、など、複数の状況を視野に入れて防犯カメラのポスターや万引きを警告するポスターを貼る

ソフト面の万引き対策では、万引きしにくい雰囲気づくりが大切です。

万引き対策:万引きしにくい雰囲気づくりの例

・従業員からの声掛けや挨拶が頻繁な店舗にする
・従業員が常にシャキッと店内に目を向けている店舗にする
・従業員と来店客との会話がある店舗にする
(ソフト面での万引き対策補足事項:
下記のふるまいをする来店客には特に目配せが必要です)
・商品を見るよりも従業員と頻繁に目が合う
・同じ商品を多数持っている
・大きな口の開いたバックを持っていたり、かごの中にバックを入れている

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万引き対策
~万引き犯の分類と対策法~:
まとめ

万引き対策を万引き犯の分類・それぞれに併せた対策法としてまとめました。
万引き対策には、声掛けや店内の雰囲気づくりなどコストをかけずに行えるものもあります。
コストをかけない万引き対策をする際には社会的な状況を把握しておくことも有効です。
例えば、65歳以上の方や小学生の万引き犯が増加傾向にあることを把握することで、高齢の常連客や近所の小学生への万引き対策を検討することができるようになります。
グループの万引き犯へは汎用的な対策が難しい面もありますが、対策として、不自然に目を併せないor話しかけてくる、グループで誰かを隠している、などのよくある手口を把握しておくことで軽快もできるのではないでしょうか。
その他、万引き対策の事例や具体的なセキュリティツールにご興味を持たれた際には直接お問い合わせください。