畜産で活用される防犯カメラ
畜産で活用される養牛用防犯カメラ
畜産の現場から手軽に牛舎や豚舎を見たいと遠隔監視カメラのお問い合わせが非常に増えております。
防犯カメラセンターでも、牧場や養豚場、養鶏場へ養牛用、畜産用防犯カメラを施工する機会が増えています。
もともと牛舎では繁殖や養牛の体調管理をサポートするために養牛用のカメラの導入が進んでいましたが、近年は、そうしたカメラを養牛の管理(繁殖、特に発情と分娩を含む)と防犯の2つの目的で活用する畜産家のお客様の話もあちこちで聞かれるようになりました。
このページでは、畜産で導入が拡がっている防犯カメラについて、具体例や防犯カメラの特徴、また、文末に近年畜産分野の各畜種において注目が集まっている『スマート畜産』についてまとめています。
防犯カメラセンターでは、畜産に特化した防犯カメラや防犯設備の取り扱いも行っております。畜産用防犯カメラシステムをご検討中の場合にはお気軽にお問い合わせください。
畜産では『見守り』に
養牛用防犯カメラが活用されています
畜産、特に牛舎では、見守りのために防犯カメラが使用されてきました。
近年は相次ぐ家畜盗難の被害を受けて、防犯を目的とした防犯カメラを採用する畜産オーナー様が増えています。
まずは、見守り、防犯、それぞれを目的とした場合に、畜産でどのように防犯カメラが利用されているのか概要をご紹介します。
畜産の現場で手軽に取付けられるスマホ対応遠隔監視カメラ
畜産業界では見守りを目的に防犯カメラが利用されてきました。
特に繁殖牛舎では、牛の様子を遠隔から見守り、発情の発見、分娩の様子、産後処理をしたか、子牛が初乳を飲んだか、などを確認するために防犯カメラが広く使われています。
牛舎に取付けられる防犯カメラの多くは、スマホや自宅のパソコンから見守ることができる上、遠隔から照明の点灯・消灯ができる、または、安士機能がついているため、暗闇でもはっきりとした映像で確認ができるという特徴があります。
近年は豚舎や鶏舎でも見守りとしての防犯カメラが導入されており、豚や鶏の見守りや、豚舎や鶏舎の状態確認(換気ファンの動作確認など)に利用されています。
防犯カメラを用いた見守りには、人が入らないため豚や鶏の感染リスクが下がるというメリットもあります。
畜産の現場で防犯目的に取付けられる防犯カメラ
広い敷地を有することが多い畜産業界では、人間の目で全体を監視することはなかなか難しいという現状があります。
さらに、近年畜産で課題となっている家畜の盗難は夜間に犯行が実行されるため、オーナー様が寝る時間を削って見回りをされているケースも珍しくなく、システムを用いた防犯対策の必要性が急務となっています。
畜産業界では、敷地内に侵入者を防ぐために外周をセンサーで警備し、かつ、防犯カメラを組み合わせて威嚇・証拠映像の確認をするオーナー様が増えています。
また、業者が施工する固定タイプの防犯カメラではなく、手軽に移動ができる防犯カメラを採用した現場では、分娩や発情期には畜舎内の様子を撮影して見守り目的に、その他の時期には出入り口付近を撮影して防犯目的に利用している事例もあります。
(参考)
家畜の盗難対策として、畜産では防犯カメラに補助金が出るケースもあります。
畜産業界の家畜盗難に関する深刻な被害を受けて、各自治体では防犯カメラなどの防犯設備導入に補助金を支給するケースが増えています。
例えば2020年には群馬県内で子豚の窃盗事件が相次ぎ、前橋市が畜産家に向けて防犯カメラや警備会社への巡回委託などの経費を2分の1補助する意向を発表したことが話題になりました。
また、静岡県藤枝市では、県の支援策と合わせることで自己負担なく防犯カメラが設置できるような制度を発表しています。
不審者が消毒をせず土足で畜産の現場に入ることは、家畜の防疫の観点からも非常に危険であるため、各自治体は畜産業界への補助金制度を整えるとともに、強く注意を促しています。
畜産現場で利用が拡がる見守りカメラ・養牛カメラ:
まとめ
畜産ではかつてから養牛や繁殖のために牛舎で見守りカメラが使用されており、近年は豚舎や鶏舎でも畜舎の運用をサポートするためにカメラの導入が進んでいます。
さらに、近年は深刻化している家畜の盗難被害を受けて、畜産現場への防犯カメラ導入に対して各自治体からの支援も増えてきています。
畜産現場で導入される防犯カメラに
必要とされる機能
牛舎・豚舎・鶏舎、また広範囲に及ぶ敷地内の防犯・監視で必要とされる防犯カメラの機能についてまとめます。
畜産現場の防犯カメラに必要な機能:
首振り
畜産現場、特に、牛舎・豚舎・鶏舎など、畜舎で使用される遠隔監視カメラには、首振り機能が求められます。
首振り機能があれば、障害物がない限り様々な角度から柔軟に確認ができるため、家畜だけでなく、換気ファンが正常に稼働しているかどうかも併せてチェックすることができます。
畜産現場の防犯カメラに必要な機能:
段階分けのズーム
畜舎では、広範囲に撮影したい場合、家畜1頭1頭の細かな様子や耳標を読み取りたい場合、など、状況に応じて確認したい範囲が異なります。
どこまでのズーム機能が必要かについては、デモ機で確認しながら検討されると使用後の違和感がないかと思います。
畜産現場の防犯カメラに必要な機能:
防水・防塵機能
防水・防塵機能とは、水に濡れたり、細かな塵が舞う環境でも正常に稼働するよう対策が取られた機能のことです。
畜産現場では、屋外に取付ける防犯カメラだっても、牛舎・鶏舎・豚舎など畜舎に取付ける防犯カメラであっても、必ず防水・防塵機能が求められます。
どうしても汚れが機器にかかってしまい、レンズカバーが汚れてしまうという課題から、遠隔からレンズカバーにワイパーがかけられる商品もラインナップされています。
畜産現場の防犯カメラ
『固定タイプ』と『移動可能タイプ』
防犯カメラセンターでは、畜産現場(牛舎や豚舎や鶏舎など)へ納品する防犯カメラには、固定タイプと移動可能タイプをご用意しています。
畜産現場の防犯カメラ:
固定タイプの防犯カメラとは
固定タイプの防犯カメラとは、業務用の一般的な防犯カメラです。
配線工事が必要という点から導入に手間がかかるというデメリットがある反面、高倍率の大型PTZなど、多様なラインナップからお好きな機器(大きくて高性能な機器など)の取付けもできるというメリットがあります。
畜産現場の防犯カメラ:
移動可能タイプの防犯カメラとは
移動可能タイプの防犯カメラとは、機器の取り外しや設置を畜産家のみなさまご自身でも行っていただける、小型かつ電源さえあれば配線工事の必要ない防犯カメラです。
畜産現場からお寄せいただいた声を参考に改良を重ね、いくつかの畜産に特化した特徴・性能を備えています。
固定タイプと移動可能タイプの使い分け
牛舎・豚舎・鶏舎などの畜産現場では、固定タイプの防犯カメラと移動可能タイプの防犯カメラを適宜ご提案させていただいています。
どちらのタイプをご提案するかは畜産家のお客様とのお話次第です。
例えば、防犯を目的として出入り口付近に常設する防犯カメラや、1年十畜舎全体を俯瞰して監視するために常設する防犯カメラなどでは、固定タイプの防犯カメラをご提案しています。
一方で、牛舎で分娩兆候や発情行動の確認をすることを主目的とされる場合には、移動可能タイプの防犯カメラをご提案しています。
移動可能タイプの防犯カメラは、柱や柵を避けて牛の様子が最も確認しやすい場所に防犯カメラを移動できたり、また、分娩がないときには畜舎の出入り口が映るように設置して防犯目的に使用したりと、そのときどきの状況に合わせて畜産家のお客様ご自身で柔軟に運用いただけます。
畜産現場に特化した
移動可能タイプの防犯カメラの特徴
牛舎・豚舎・鶏舎など畜産現場に特化した移動可能タイプの防犯カメラの特徴は、
・ネット回線がなくても遠隔監視ができること
・首振りやズームなどの操作が簡単にできること
・電源さえあれば簡単に設置場所を移動できること
の3つです。
移動可能タイプの防犯カメラは、SIMを内蔵しているためインターネット環境が整っていない畜産の現場でもすぐに使用でき、また、専用アプリをダウンロードしていただくだけで手元のスマホで簡単に映像の確認・操作が行えます。
※畜舎の音声は聞けますが、スピーカーはついていないため遠隔から声を届けることはできません。
もちろん録画機能がついているので、発情行動の確認などさかのぼって動画を見ることも可能です。
畜産で導入が拡がる防犯カメラ
人手不足の解消や家畜の盗難防止などを理由に、牛舎・豚舎・鶏舎等の畜舎、牧場、といった畜産の現場では防犯カメラの導入が進んでいます。
どのように防犯カメラが使用されているのか、事例をまとめます。
畜産で導入が拡がる防犯カメラ:
牛舎の事例
牛舎では、防犯のため、また、牛の分娩や発情行動の確認をするために防犯カメラが取り付けられています。
配線工事をして設置業者が施工させていただく固定タイプの防犯カメラと、電源さえ確保できれば柔軟に運用ができる小型軽量な移動可能タイムの防犯カメラがあります。
家畜の盗難やいたずらを防止するという防犯を目的とした防犯カメラでは、固定タイプの防犯カメラをご提案しております。
一般のご自宅に防犯カメラを導入するご家庭が増えていることと同様、畜舎に防犯カメラを導入する畜産家のお客様も増えています。
特に2020年は新型コロナウイルスの影響で失業者が増えたからか、養牛・養豚など家畜の盗難が社会問題ともなり、牛舎等畜舎への防犯カメラ導入に補助金が出る自治体も各地で見られました。
牛の発情行動や分娩室の見守り、その他、体調の悪い子牛が呼吸しているかを確認したり、産後の子牛・親牛の状況を把握するためには、移動可能タイプの防犯カメラをご提案しています。
牛の様子をしっかり撮影できるよう柱や柵を避けて取り付けたり、分娩や発情行動がみられる時期以外はを出入り口付近に移動させて防犯目的を強化させたり、と、柔軟に運用できる機器構成が求められることが多いからです。
防犯カメラセンターがご提案する畜舎に特化した移動可能タイプの防犯カメラは、
・ SIMが内蔵されているためインターネット環境でなくても遠隔監視ができ、
・ 専用アプリのダウンロードで遠隔から簡単に首振りやズームの操作が可能
・ 軽量小型化された本体は、電源さえ確保できれば手軽に移動ができますす。
畜産で導入が拡がる防犯カメラ:
豚舎の事例
近年、豚舎への防犯カメラ導入も増えています。
養豚の見回りに防犯カメラを活用することで、豚舎に人が入らないことから感染リスクの低下や人件費の削減、害獣が侵入していないかどうかのチェックが可能になります。
豚舎でも、牛舎と同様、固定タイプの防犯カメラと移動可能タイプの防犯カメラについて、畜産家さまのご希望や設置環境と照らし合わせながらご提案しています。
畜産で導入が拡がる防犯カメラ:
鶏舎の事例
鶏舎でも、防犯目的と見守り目的、両方の視点から防犯カメラの導入が拡がっています。
防犯カメラで養鶏を見守ると、
・人が入らないことで感染のリスクを下げられる
・害獣の侵入がないかチェックできる
・(人が入らないため)鶏の自然の様子を確認できる
・俯瞰して群れ全体を観察できるため餌を食べない・様子がおかしい、といった鶏を早期に発見できる
といったメリットがあります。
畜舎に取り付ける防犯カメラには、マイクをセットにするorマイク内蔵のものをご提案しており、遠隔から鶏舎の音も聞こえるため、ヒナの咳や鶏の異常などをいち早く察知できます。
牛舎・豚舎・鶏舎などの畜舎、大規模施設の敷地内、牧場などの畜産現場では、防犯カメラの導入が拡がっています。
防犯カメラにセンサーを組み合わせ、家畜の体温管理や畜舎内の環境管理を遠隔から行うことも可能です。
畜産現場への防犯カメラ導入で迷われたら、お気軽にお問い合わせください。
畜産で拡がる防犯カメラ:まとめ
畜産で導入が拡がる防犯カメラについて、牛舎・豚舎・鶏舎等の畜舎でどのような防犯カメラが役に立つのか、畜産現場では防犯カメラにどのような機能が求められるのかをまとめました。
今後、畜産業界における防犯カメラは、センサーを利用した家畜の体調管理や畜舎の環境管理など、IoT技術と組み合わせる運用がさらに広がっていくと考えられます。
防犯カメラセンターでも、畜産家のみなさまのお役に立てるよう、畜産に特化した商品やシステムの改良を重ねてまいります。
牛舎・豚舎・鶏舎などの畜舎、牧場、大規模施設など畜産現場で防犯カメラ導入をご検討の場合はぜひお気軽にお問い合わせください。
防犯カメラセンターの畜産用カメラ
防犯カメラセンターでは、畜産家のみなさまからの声をもとに設計・開発された畜産用防犯カメラ『MOWCAM(モウカム)』を取り扱っております。
大きな特徴は、
■ 設置場所が容易に移動できること、そして、
■ インターネットが引いていなくても遠隔監視ができることです。
もちろん畜舎の環境に耐えられるよう防水・防塵性能も強固です。
詳しい内容等、どうぞお気軽にお問い合わせください!
畜産と防犯カメラ
関連記事
牛舎見守り遠隔監視システム 「MOWCAM(モウカム)」
牛舎に特化した遠隔監視システムです。
柔軟に設置位置を変更できる点や、画角の広さ、直感的に首振りやズームができる操作性の高さが特徴です。
分娩や発情期の見守り、体調を崩した牛の早期発見など、牛舎内のさまざまな状況変化を遠隔からしっかり見守ることができます。
参考:
ロボット・AI・IoTを取り入れたスマート畜産とは
現在の畜産が抱える、担い手不足、暑熱負荷、防疫、悪臭、自給率の低い国産飼料などの課題を解決するべく、スマート畜産がすすめられています。
スマート畜産は、これまで人の手で行われていた畜産の労働にロボットを取り入れ、また、AIやIoTを組み合わせていく取り組みです。
スマート畜産のメリット、2021年現在トレンドといわれている技術について養牛農家や繁殖農家(特に発情や分娩)で導入されるシステムをご紹介します。
スマート畜産のメリット
スマート畜産は、『畜産クラスター関連事業』がはじまった2014年ごろから国内で普及が加速しました。
畜産は単価が高いことや、日本の家畜が一生のほとんどを畜舎内で過ごすことなどから、畜産の分野はスマート化と相性がいいともいわれています。
例えば、搾乳ロボットを畜産に導入すると終了が10%上がるというデータもあり理にかなっているという意見、また、畜産とくに畜舎のスマート化で家畜が快適性を高めたら家畜の病気やストレスの軽減につながるという意見があります。
スマート畜産・トレンドの技術(2021年現在)
スマート畜産は、養牛、養豚、養鶏、各畜種向けにIoTサービスが登場しています。農林水産省が出している「スマート農業技術カタログ」によるとその内容は5つに分類されるとのことです。
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スマート畜産の内容
- センシング・モニタリング
- 生体データの利用
- 飼養環境データの利用
- 自動運転・作業軽減
- 経営データの管理
トレンドとしては、まず、家畜一頭一頭の個体管理を高度化する技術が挙げられます。次に、高度化した管理から得られた情報をクラウドに集めて経営に反映するシステムです。
スマート畜産では、これまで畜産家の方々が経験と感覚で賄ってきた畜産分野のノウハウを見える化・数値化して効率的な運営ができる体制の構築をサポートしています。
畜種別スマート畜産のトレンド
【養牛(酪農)】
酪農は、畜産業界で最もスマート化が進んでいます。
搾乳ロボットや哺乳ロボット、自動給餌気など、自動運転ロボット系に人気が集まっています。
【養牛(肉用牛)】
畜産業界の中でも個体管理が比較的容易な肉用牛は、酪農と同様にスマート化が進んでいます。肉用牛については、肉質を管理する技術など肥育に特化した精密管理システムも注目されています。
【養鶏】
養鶏は飼育数や単価から畜産業界の中でもスマート化が進みにくい分野だといわれています。畜舎の環境をセンサーで管理する技術などのシステム開発が進んでいます。
【養豚】
畜産業界のスマート化にはスマートフォンの活用も取り入れられています。養豚では特に著しく、スマートフォンで撮影した画像を用いて体重測定が行えるデジタル目鑑サービスが人気です。
参考:
「経営者のためのスマート畜産マニュアル」